WINDBIRD::ライトノベルブログ

ライトノベルブログ

2017年ライトノベル10大ニュース

CCCが徳間書店主婦の友社を買収

「CCC」はカルチュア・コンビニエンス・クラブの略で、あのTSUTAYAを運営している会社です。その傘下にはアース・スターがあり、ラノベレーベルとしてアース・スターノベルを持っています。

徳間書店と言えばメディアミックスの先駆者であり、かつてはアニメージュ文庫に徳間デュアル文庫トクマ・ノベルズEdgeといったラノベレーベルを抱え、銀英伝などの名作も送り出してきた出版社です。

主婦の友社は、初期の電撃文庫の販売元であり、近年ではヒーロー文庫を立ち上げてWeb小説書籍化ブームの火付け役のひとつとなった出版社です。

世間的には「TSUTAYAの会社がアニメ雑誌の会社と女性ファッション誌の会社を買収した」みたいな感じでしたが、ラノベ業界にとっても大きなニュースでしたね。

ついでに書いておくと、突然の刊行中止で話題となった「レッドライジングブックス」のリンダパブリッシャーズもCCCの子会社ですね。

Web小説系アニメラッシュ

ライトノベルのアニメ化作品一覧 - Wikipedia
幼女戦記』『ナイツ&マジック』『異世界食堂』『異世界はスマートフォンとともに。』などが新たにアニメ化されました。こうしてみると少ないですね。異世界スマホが叩かれていた印象は強いですが。

ただ、アニメ化予定も含めると『異世界居酒屋のぶ』『デスマーチからはじまる異世界狂想曲』『盾の勇者の成り上がり』『賢者の孫』『ありふれた職業で世界最強』ついでに『君の膵臓をたべたい』の劇場アニメ化などが既に控えており、このあたりまで含めるとラッシュ感があるかなと思います。

去年もちょっと書きましたが、これまでのWeb小説の書籍化ブームの流れというと、

第1期 SAOが書籍化されてヒットする。アルファポリスがビジネスモデルを確立する。
第2期 既存のラノベレーベルからWeb小説が書籍化される(ログホラ・魔法科・このすば・Reゼロなど)。
第3期
(2.5期くらい?)
Web小説専門のラノベレーベルが立ち上がる(ヒーロー文庫MFブックスHJノベルスなど)。
第4期 第2期の作品がアニメ化されてヒットを飛ばす。第3期のレーベル群が拡大する。

くらいの大雑把な認識をしているんですけど、今年あたりから、

第5期 第3期の作品が大量にアニメ化される(ナイツマ・異世界食堂異世界スマホなど)。

という時期に入ったように思うんですよね。そろそろラノベ業界では「ブーム」も落ち着いて滑空期に入ったかなという感じですが、アニメ業界ではこれからということで注目したいです。

ラノベの劇場版アニメが増加

ソードアート・オンライン オーディナルスケール』『魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女』『ノーゲーム・ノーライフ ゼロ』と立て続けに公開されてヒットし、さらに『オーバーロード』『ビブリア古書堂の事件手帖』『冴えない彼女の育てかた』などの劇場版アニメが発表されています。

どうもカドカワはTVアニメだけでなく劇場版アニメでも積極的にマネタイズしようとしているようです。ライト文芸の実写映画化と合わせて要注目ですね。

ゼロの使い魔』『アルスラーン戦記』『破妖の剣』完結

著者が亡くなったことで刊行が途絶していた『ゼロの使い魔』が新しい作者のもとで完結し、代筆者が志瑞祐であったことも明かされました。

また1986年にシリーズを開始し、近年になってTVアニメ化もされた田中芳樹の『アルスラーン戦記』が驚くべきことに完結を果たし、1989年から続いていた前田珠子破妖の剣』も本編の最終巻が発売されました。

みなさまお疲れ様でした。なんかたまにこういうふうに長期シリーズの完結が重なる年がある気がしますね。

佐藤大輔、死去

皇国の守護者』などの著者・佐藤大輔が死去。多くのファンが悲しむとともに、どさくさで「佐藤大輔=豪屋大輔」が確定したりもしました。

また、アルファポリスから『ダィテス領攻防記』を刊行していた牧原のどかが事故により死去。直前まで「小説家になろう」の活動報告を更新されていて、その生々しさが強く印象に残っています。

撲殺天使ドクロちゃん』のイラストを担当していた「とりしも」、『GOSICK』のイラストを担当していた武田日向と、有名イラストレーターの訃報も重なりました。

ラグナロク小説家になろうで連載開始

https://ncode.syosetu.com/n7906ee/2000年前後のスニーカー文庫の看板を張った人気ファンタジーラグナロク』が小説家になろうでリブートされて話題になりました。

すみません、昔のも今のも読んでないのでそれ以上の感想はないのですが、プロ作家が「なろう」や「カクヨム」に投稿するのも、もはや珍しくなくなりましたね。

『JKハルは異世界で娼婦になった』発売

JKハルは異世界で娼婦になった

JKハルは異世界で娼婦になった

センセーショナルなタイトルと設定で話題となった作品。「小説家になろう」からの書籍化はハヤカワでは初だそうです。口コミで広まり→書籍化されて→政治的な観点から毀誉褒貶にさらされる、というあたり『まおゆう魔王勇者』を思い出しました。『まおゆう』は「植民地主義」「進歩史観」的な面で、『JKハル』はジェンダー/フェミニズム的な面で議論になっている感じですね。

『まおゆう』がWeb小説書籍化ブームの嚆矢となったように、『JKハル』も次なるフェーズに何かしら影響を与えるのかもしれません。

BOOK☆WALKERが「新作ラノベ総選挙2017」を開催

6月の投票締め切りから9月の結果発表まで音沙汰なしだったり、投票候補の絞り込みに納得がいかなかったりもしましたが、なんだかんだで、こういうオフィシャルな人気投票が増えるのは歓迎ですね。来年の開催も期待しております。

キリスト新聞社がライトノベルレーベルを創刊

70年以上の歴史を誇るというキリスト教新聞社が、Web小説サイト『トークメーカー』上でラノベレーベル創刊を発表、同時に『聖書ラノベ新人賞』と銘打って「聖書や教会などをモチーフにしつつ、楽しみながら理解を深められるような作品」を募集しました。

初見で「なんだその組み合わせスゲー!」と衝撃を受けたものの、よくよく考えてみると聖書をモチーフにしたラノベってむしろド定番だよなあと思ったり。だからこその「キリスト教ラノベ」なのかもしれませんね。

ノベルゼロ、やや悪目立ちする

創刊一周年を迎えたノベルゼロですが、カクヨムで開催されたコンテストで「異世界転生禁止」というレギュレーションを設定して物議を醸し、さらに『セックス・ファンタジー』というエロエロな作品を出して「ノベルゼロくんってもっと硬派な人だと思ってた!」と幻滅されたりしていました。

ただ個人的な印象を言うと、もともとノベルゼロっていわゆるライト文芸よりは既存のラノベレーベルに近いので、「硬派だったのに路線転換した」みたいなのは(ノベルゼロがそういう印象を煽っていたというのはありますが)ちょっと見当違いかなと思います。



その他

話題になったのはこのあたりかなあ?

ブックオフオンラインの10大ニュース。

去年までのニュース。

凄い面白い最近のファンタジーラノベをオススメする


こんな記事を見かけたんだけど、ひと昔前のラノベで止まってるっぽかったので、ここはひとつ最新のファンタジーラノベを紹介するぜ。

最果てのパラディン

最果てのパラディンI 死者の街の少年 (オーバーラップ文庫)

最果てのパラディンI 死者の街の少年 (オーバーラップ文庫)

人の絶えた廃墟にて骸骨の剣士・ミイラの神官・幽霊の魔法使いに育てられた主人公。やがて廃墟を旅立ち、未知なる冒険へと踏み出していく。歴戦の冒険者たちと共に戦い、伝説に謳われる邪竜を退治し、神々とも交流を持ちながら、次第に名声を高めていく。オールドファッションというと何ですが、80年代90年代あたりのファンタジーが好きだったという人にオススメの作品です。

剣と炎のディアスフェルド

剣と炎のディアスフェルド (電撃文庫)

剣と炎のディアスフェルド (電撃文庫)

ある国の王子として生まれた二人の兄弟。兄は人質として敵国へ赴きそこで英雄と見なされ、弟は即位して周辺諸国を切り従え大王と呼ばれるようになる。こちらはいわゆる指輪物語的なファンタジーよりもさらに神話的なイメージで、ヘラクレスジークフリート、あるいはトロイア戦争アーサー王物語のような、素朴な英雄譚を想起させる作品となっています。

我が驍勇にふるえよ天地

故地を敵国に奪われた剛勇無双の王子がその復讐のため軍を率いて勝利を重ねていく痛快な戦記ファンタジー。個人的にはこれ、水滸伝だと思うんですよね。主人公の旗下に集う、二つ名を持った英雄豪傑の大活躍。主人公の圧倒的な強さ、頼もしさは、身震いがするほどカッコいいです。

緋色の玉座

緋色の玉座 (角川スニーカー文庫)

緋色の玉座 (角川スニーカー文庫)

史上屈指の名将、東ローマ帝国の将軍ベリサリウスを主人公とした歴史ファンタジー。基本的には史実に沿っていますが、適度なアレンジを加えつつ、ちょっとしたファンタジー要素もあり、エンタメとして綺麗にまとまっています。まあ史実でもすげー濃いメンツですからね。

アサシンズプライド

こちらはいわゆる教官もの。大貴族の娘ながら才能がなく「無能才女」と揶揄されるヒロインの家庭教師となる主人公――その実は、本当に才能がなければ殺せと命じられた凄腕の暗殺者。しかし速攻でヒロインに絆された主人公は、彼女を助けるために奮闘することになります。独特な世界設定、スタイリッシュな戦闘、そして美しい少女たちの仲睦まじい様子が魂こめて描かれるバトルファンタジーです。

悪逆騎士団

最盛期を迎える王国の果て、全ての悪徳と暴逆の掃き溜めとなった街で、なお畏怖され唾棄される「悪逆騎士団」、その活躍を描くピカレスク・ファンタジー。最低な連中が最低な連中と殺しあうだけの最高に痛快な作品です。主役コンビがおねショタということもあって漫画の『ヨルムンガンド』を思い出しますね。

叛逆せよ! 英雄、転じて邪神騎士

烙印の紋章』の作者です。前の記事でも紹介しましたが、タイトルの印象ほどコミカルな内容ではない。邪神を奉じて周辺諸国を征服した邪悪な王国を倒したあと、英雄となった主人公がその国を訪れてみれば、そこには迫害され苦しむ人々がいた…というあらすじ。ただ単純に正義と悪が逆転するという話ではないんですよね。「悪だったのは確かだが現状は酷すぎる」「しかし安易に助けてしまって良いのだろうか」という葛藤が描かれていくのです。

いつかの空、君との魔法

いつかの空、君との魔法 (角川スニーカー文庫)

いつかの空、君との魔法 (角川スニーカー文庫)

精霊の力をもとに文明が築かれている現代的な魔法世界、分厚い雲の上から精霊を地上に降ろしてくるための儀式をおこなう少年少女たち、その繊細な恋心が描かれる。箒に乗って踊るように飛び回る描写が美しいジュブナイル・ファンタジーです。


以上、それぞれに毛色の違ったファンタジーを挙げてみました。

知ってのとおり今のライトノベルはファンタジーブーム真っ盛りです。いわゆるなろう系から、魔王勇者もの、壮大な戦記ファンタジーに、昔ながらの冒険ファンタジーまで、それぞれのジャンルのなかでさらに工夫が凝らされ、かつてないほどに様々なファンタジーが溢れています。是非とも自分好みの作品を探してみてください。

こちらも参考にどうぞ。

ラノベのタイトルがあらすじっぽいって本当?

先日、こういうツイートを見かけたわけです。

この漫画のなかではラノベのタイトルが「中身が一発で分かる」と評されているんですが……

え、分かります??? 『ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?』ですよ??? 「ネットゲームでは見知らぬ他人と疑似結婚的な関係を築くことができるがゲームの中で可愛い女の子として振る舞っている奴はだいたいネカマである」という前提知識がないと意味わかんないタイトルですし、それを知っていたところでせいぜい「ネカマだと思ったら美少女だったのかな…?」というくらいですよね。明らかに、作品内容を知らせるのではなく、「謎めいた文言で客を引きつける」タイプのタイトルじゃないですか。

ラノベのタイトルって「タイトルがあらすじになってる」「タイトルにオチまで書かれてる」なんてよく言われるんですが、ぜんぜんそんなことはないですよ。『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』ってタイトルだけでは妹が隠れオタクだなんて分からないですし、『僕は友達が少ない』だって部活系ハーレムとは分からないでしょう。『魔法科高校の劣等生』なんか素直に読めば「劣等生」ですよ。どこに「最強のお兄さまが様々な陰謀と対決する学園アクション」なんて書いてあるんですか。

転生したらスライムだった件』然り。
問題児たちが異世界から来るそうですよ?』然り。
勇者になれなかった俺はしぶしぶ就職を決意しました。』然り。
俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる』然り。
下ネタという概念が存在しない退屈な世界』然り。
俺がお嬢様学校に「庶民サンプル」として拉致られた件』然り。

いずれも「物語の前提」「基本的な設定」の説明であって、電子書籍の試し読み部分だけでも分かるような内容にすぎません。
――スライムになってどうやって生きていくんだ?
――勇者になれなくて就職ってどういうことだ?
――下ネタが存在しない世界ってどんな世界だ?
読者の反応としては「なるほどそういう話だったら買おう」ではなく「どういう話か気になるから買おう」になるはずです。

たとえば最近のラノベアニメだったらこんなタイトルがありました。
ナイツ&マジック
異世界食堂
天使の3P!
異世界はスマートフォンとともに。
ようこそ実力至上主義の教室へ
ゲーマーズ!
無責任ギャラクシー☆タイラー
終物語
十二大戦
キノの旅
妹さえいればいい。
はたして内容が一発で分かるようなタイトルばかりでしょうか…? いちばん長い『異世界スマホ』なんか「スマホを使わない」って叩かれてたくらいだしなあ…(原作ではのちのち意味が分かってくるそうですが)。

そういう意味では、むしろタイトル詐欺に気をつけるべきですよね。最近読んで面白かったラノベに『叛逆せよ!英雄、転じて邪神騎士』という作品があったんですが、なんだかコミカルなタイトルに反して、これはシリアスなヒロイックファンタジーなんですよ。邪神を奉じて各国を侵略した邪悪な王国をうち倒したあと、その国土が他国に蹂躙されるのを目の当たりにした「英雄」が、苦悩を抱えたまま立ち上がるというあらすじでして。作者もベテランの方で実に面白く読ませてくれるんです。オススメですよ!(と、宣伝で終わる)

「好きなライトノベルを投票しよう!! 2017年上期」投票

今回は新作重視です!
lightnovel.jp

ドリームハッカー

ドリームハッカーズ コミュ障たちの現実チートピア (電撃文庫)

ドリームハッカーズ コミュ障たちの現実チートピア (電撃文庫)

三大・もっと評価されるべきラノベ作家のひとり、出口きぬごしの最新作。インプラントの補助脳が普及した近未来。リア充グループとつるみながらもその実態はパシリという主人公が、キモオタの親友とともに電脳クラックで復讐を図る、スクールカーストの逆転を描いた痛快な学園青春もの…とはいかないのが出口きぬごし。凶悪すぎてドン引きするしかない展開。登場人物はクズと変態と電波ばかり。でもめちゃくちゃ楽しいぜ。
http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-892611-9/
【17上期ラノベ投票/9784048926119】

EXMOD

気弱な主人公とその姉代わりの優秀な幼馴染たち。仲睦まじく過ごしていた三人は、しかし凄惨な鉄道事故に巻き込まれ、両腕を、声を、脚を失ってしまう。壊れた日常。失われた未来。その喪失が、やがて強大なる「異能」を生み、三人を否応なく戦いへと駆り立てていく。思春期の暗黒。恋と性。破壊と暴力。劣等感と罪悪感。日常と非日常。これでこそ学園異能だ。
【17上期ラノベ投票/9784094516784】

剣と炎のディアスフェルド

剣と炎のディアスフェルドII (電撃文庫)

剣と炎のディアスフェルドII (電撃文庫)

一巻で語られた二人の主人公のうちの弟、イアンマッドの王となったレオームの、ディアスフェルド統一が描かれる第二巻。ギリシャ神話や北欧神話の英雄譚、あるいはアーサー王物語などに近い、かなり素朴な物語になっていて、幼い頃のようにワクワクする。レオームの前にはさまざまな王や武将が立ちはだかり、それぞれに恐ろしい異能や魔術をもって彼を苦しめることになるのだ。忠実なる狂犬・フィーリちゃんもかわいい!
http://dengekibunko.jp/title/diazfeld/
【17上期ラノベ投票/9784048926096】

ほま高登山部ダイアリー

ほま高登山部ダイアリー (ガガガ文庫)

ほま高登山部ダイアリー (ガガガ文庫)

かつての経験から「部活」というものに嫌気が差していた主人公が、ヒロインへの片思いをきっかけに登山部に入ることになる。登山部の先輩たちは変人揃いで、いつもふざけているようで、でも新入部員にどうしたら登山を好きになってもらえるかを真剣に考えている。部活に本気で打ち込み、互いに信頼を育んできたことが分かる。だからこそ主人公も、それに応じて考えを変えていく。どこまでも優しい世界なのです。
【17上期ラノベ投票/9784094516456】

ストライクフォール

宇宙時代の人気競技「ストライクフォール」に明け暮れる青少年たちを描く、巨大ロボットでスポーツなSFの第二巻。前巻であらわれた“慣性制御”という新技術によって、ひとつのスポーツのプレイングが根本から覆される。新たな戦術、新たな法則、新たな基準。適応できなければ振り落とされる残酷なまでの変化。ロボットものとしても、スポーツものとしても、SFとしても素晴らしい。まさにこの題材でこそ描ける物語だ。
【17上期ラノベ投票/9784094516647】

アイドル稼業、はじめました!

アイドル稼業、はじめました! (電撃文庫)

アイドル稼業、はじめました! (電撃文庫)

インド由来の謎アイテムにより美少女に変身した主人公が、好きになったあの子を追いかけてアイドルとなり、海千山千の魔物たちが蠢く芸能界で生き抜いていくTSラブコメ。不倫スキャンダルから盛大なバッシングへ、週刊誌の過激な取材に、半グレやら違法賭博やらが絡んで、もう途中からアイドルものじゃなくてサスペンスとかコンゲームの類じゃねえかって感じに芸能界の闇を暴いていくストーリーが最高に面白い。作者は元・映像制作会社の方だそうで、妙なリアリティが…?
http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-892823-6/
【17上期ラノベ投票/9784048928236】

ストライキングガール!

ストライキングガール! (カドカワBOOKS)

ストライキングガール! (カドカワBOOKS)

独自の実戦派空手の達人である少女が、お嬢様学校に転校したことで格闘技から離れようとしていたところ、真っ先に出会ったクラスメイトが総合格闘技の選手だった…というわけでズブズブと関わってしまい、結局はジムに入って大会に出場することになるという女子格闘技ストーリー。断じて百合。路上で何でもありならめちゃくちゃ強いけど、総合格闘技だとルールに縛られて実力を発揮できないという主人公の設定もケレン味があって大好き。
【17上期ラノベ投票/9784040721569】

俺と彼女の恋を超能力が邪魔している。

ごく普通のおバカでスケベな主人公が、夜のレンタルビデオ店で出会った不思議な美少女は、実は世間から隔離された学園で育った超能力者だった…という突飛な設定ながら、意外にコメディよりもラブのほうが強めなくらいの青春ラブコメ。夜にしか会えない二人。ヒロインのまえでは精一杯かっこつけて見せる主人公。生まれて初めて出会った同年代の異性にときめくヒロイン。あまりにも初々しい、恋に恋するような二人が、本物の恋心を育んでいくボーイ・ミーツ・ガール。
【17上期ラノベ投票/9784094516692】

緋色の玉座

緋色の玉座 (角川スニーカー文庫)

緋色の玉座 (角川スニーカー文庫)

ラノベなのに」なんて言わせないぜ。「ラノベだからこそ」の本格歴史ファンタジーだ。魔法的な存在もちょこっとあります。ビザンツ帝国の名高き将軍ベリサリウスを主人公として、相棒としてプロコピオス、さらにはユスティニアヌスにテオドラ、好敵手となるはホスローと、実在の人物がそのまま登場人物に収まっている。なにせ史実でもやたら濃い連中なのでそのままでもキャラが立っている上に、史実をうまくアレンジしたストーリーも面白い。
http://sneakerbunko.jp/series/ThePurpleThrone/
【17上期ラノベ投票/9784041056837】

かりゆしブルー・ブルー

もっと評価されるべきというかだいぶ評価されるようになった気がする、カミツキレイニーの最新作。とある出来事から稲荷寿司しか食べられなくなった主人公が、その呪いを祓ってもらうために沖縄の離島までやってきて、高名な霊媒師の弟子となっている少女と出会う。沖縄土着の悪神たちが引き起こす恐ろしくもユーモラスな騒動に、元気いっぱいに立ち向かう少女たちの活躍と、主人公のちょっとビターな青春模様をプラスした、明るく楽しい退魔もの。ゲロんちゅ!
http://sneakerbunko.jp/series/kariyushi-BlueBlue/
【17上期ラノベ投票/9784041056776】


以下は対象期間から外れているから投票できないけどオススメの作品ふたつ。

わたしの魔術コンサルタント

わたしの魔術コンサルタント (電撃文庫)

わたしの魔術コンサルタント (電撃文庫)

電撃文庫電子書籍は一ヶ月遅れなので12月発売の作品は好きラノに間に合わないんですよね…というわけで、魔術が存在する現代日本を舞台に、コンサルタントというか家庭教師をやることになったやさぐれ男とおてんば天才少女のバディもの。女子高生たちがわちゃわちゃやってるのが最高に楽しいです。あと二巻が発売されるってよ! やったね!
http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-892572-3/

近すぎる彼らの、十七歳の遠い関係

これもギリギリ去年だったんですね。親戚の少女と同棲することになったところから始まる、キュンキュンくるような三角関係を描いた青春恋愛もの。二巻でキレイに完結してます。
http://fbonline.jp/02sp/02_1605Seventeen/

「これいいなあ」と思った最近のライトノベルの表紙デザイン

昨日今日とライトノベルの表紙の話題が多いなかで、ふと思いついたので好きな表紙を挙げていきます。本当に素人目で見たときの「いいなあ」なので、デザインの専門的な解説などはありません。

いま、n回目のカノジョ

いま、n回目のカノジョ (富士見ファンタジア文庫)
タイトルどおりにループものなんですが、いろんなポーズのヒロインを表紙に配置することでそれを表現しているという。なんて言えばいいでしょうか、一枚絵としての完成度よりも、作品のコンセプトが優先されていると言うか、「この作品ならでは」という感じになっているのが好きです。そういうのなかなか無いんですよね。

いま、n回目のカノジョ (ファンタジア文庫)

いま、n回目のカノジョ (ファンタジア文庫)


神さまSHOPでチートの香り

神さまSHOPでチートの香り (ぽにきゃんBOOKS)
全体をセピア色にしているのが珍しいですよね。イラストレーターさんがフルカラーで描いたものを、デザイン段階で色を変えてしまうというのは、なかなかできないと思うので、これは発注時点で「こういうデザインにしたいです」という相談があったんでしょうか。タイトルはただのゴシック体ですが、キャラとの重なりで奥行きがある感じになっていて面白いです。

神さまSHOPでチートの香り (ぽにきゃんBOOKS)

神さまSHOPでチートの香り (ぽにきゃんBOOKS)


救わなきゃダメですか?異世界

救わなきゃダメですか? 異世界 (ぽにきゃんBOOKS)
救わなきゃダメですか? 異世界(2) 救わなきゃダメですか? 異世界 (ぽにきゃんBOOKS)
救わなきゃダメですか? 異世界(3) 救わなきゃダメですか? 異世界 (ぽにきゃんBOOKS)
救わなきゃダメですか? 異世界(4) (ぽにきゃんBOOKS)
かつての『ラグナロク』的な、大きく余白を取ったうえで、各巻で背景色の違うデザイン。こういうの大好きなんですよね。もっと増えればいいのに。途中に「?」が入るというわりと珍しいタイトルなんですが、パッと見で「救わなきゃダメですか?」だけが読めるような、変則的な文字の配置も好きです。ぽにきゃんBOOKSやりますね。

ラグナロク―黒き獣 (角川スニーカー文庫)

ラグナロク―黒き獣 (角川スニーカー文庫)


暗極の星に道を問え

暗極の星に道を問え (電撃文庫)
これの何がすごいってキャラの顔が見えないことですよ。キャラのいない風景画や写真を表紙に配したラノベはいくつか出ていますが、キャラは描かれているけどその顔が見えないというのは、なかなか珍しい気がします。イラストレーターさんもよく了承しましたよね。これもコンセプト段階で話を詰めていないとできないデザインなのでは。あとはタイトルロゴがもうちょっと凝っていればなあとも。

暗極の星に道を問え (電撃文庫)

暗極の星に道を問え (電撃文庫)


キリングメンバー

キリングメンバー ?遥か彼方と冬の音? (電撃文庫)
これはもう見たとおりに、ひたすら単純にかっこいいですよね。モノクロで、囚人写真のようにも見えて、差し色の黄色も鮮やかに、暗黒青春モノの不穏な雰囲気です。


暗殺候補生 蒼き薔薇のエヴァレット

暗殺候補生 蒼き薔薇のエヴァレット (ダッシュエックス文庫DIGITAL)
有無を言わせぬいとうのいぢ。で、タイトルにはバロック的な縁飾り。赤い花びらが舞い散るなかで青い文字が際立つ。美しいですね。


ロル

ロル(上) ハッカーズ・デスゲーム (角川スニーカー文庫)
ロル(下) テクノハザード・トリガー (角川スニーカー文庫)
最近のイチオシ。モノトーンのイラストに、上巻では黄色、下巻には赤色のアクセント。文字の配置もひたすらに格好いい。いいか、KEIさんはなあ、初音ミクが有名になるより前からラノベの表紙イラストを描いていたんだからな!と謎の主張をしたくなるくらいに素晴らしいです。

ロル(上) ハッカーズ・デスゲーム (角川スニーカー文庫)

ロル(上) ハッカーズ・デスゲーム (角川スニーカー文庫)

ロル(下) テクノハザード・トリガー (角川スニーカー文庫)

ロル(下) テクノハザード・トリガー (角川スニーカー文庫)





あとはおまけで、デザインというより単純にイラストが好きなやつを適当に並べてくぜ。

君と四度目の学園祭

君と四度目の学園祭 (角川スニーカー文庫)

君と四度目の学園祭 (角川スニーカー文庫)

君と四度目の学園祭 (角川スニーカー文庫)

リンドウにさよならを

リンドウにさよならを (ファミ通文庫)

リンドウにさよならを (ファミ通文庫)

リンドウにさよならを (ファミ通文庫)

異世界拷問姫

異世界拷問姫 (MF文庫J)
異世界拷問姫 2【電子特典付き】 (MF文庫J)
異世界拷問姫 3 (MF文庫J)

かりゆしブルー・ブルー

【電子特別版】かりゆしブルー・ブルー 空と神様の八月 (角川スニーカー文庫)

インスタント・ビジョン

インスタント・ビジョン 3分間の未来視宣告 (角川スニーカー文庫)

インスタント・ビジョン 3分間の未来視宣告 (角川スニーカー文庫)

インスタント・ビジョン 3分間の未来視宣告 (角川スニーカー文庫)

いつかの空、君との魔法

【電子特別版】いつかの空、君との魔法 (角川スニーカー文庫)

いつかの空、君との魔法 (角川スニーカー文庫)

いつかの空、君との魔法 (角川スニーカー文庫)

86 -エイティ・シックス-

86―エイティシックス― (電撃文庫)

86―エイティシックス― (電撃文庫)

86―エイティシックス― (電撃文庫)

最果てのパラディン

最果てのパラディンI 死者の街の少年 (オーバーラップ文庫)
最果てのパラディンII 獣の森の射手 (オーバーラップ文庫)
最果てのパラディンIII〈上〉 鉄錆の山の王 (オーバーラップ文庫)
最果てのパラディンIII〈下〉 鉄錆の山の王 (オーバーラップ文庫)

最果てのパラディンI 死者の街の少年 (オーバーラップ文庫)

最果てのパラディンI 死者の街の少年 (オーバーラップ文庫)



こんなところでしょうか。
気に入った作品があったらぜひ買ってね!

「石鹸枠」とはなんだったのか

ラノベと言えば石鹸枠」と言われて久しいような気がしますが、単刀直入に言うと「石鹸枠」はアニメにおける概念に過ぎません。ラノベには存在しない概念です。

いや、「石鹸枠」と呼ばれる各作品がアニメ化されるくらいに人気があることは否定しませんし、「萌え要素の強い学園バトルファンタジー」程度に大雑把に捉えるなら、まあラノベの流れのひとつではあるとは言えます。

けれども、そういったジャンルが「流行」といえるほどラノベ業界で支配的だったかというと首をひねりますし、序盤の細かな共通点に注目するような視点も、ラノベ読者にはほとんどなかったのではないかと思うのです。


実際のところ、「石鹸枠」とされる作品でも、基本的な設定や序盤の展開が似ているだけで、最後まで見れば別物であったりしますよね。

そう考えると媒体の違いが大きいのではないでしょうか。

ラノベだと一冊のうちの数ページにすぎない導入部分が、アニメで観ると一週間のメインコンテンツとなってしまう。

起承転結を一気に読み通すラノベ読者に対して、部分部分を断続的に視聴するアニメ視聴者という違いが、作品の捉え方に影響を及ぼしていると考えられます。

加えて言うなら、アニメ化されると「文体」がまるっとオミットされて印象がフラットになってしまうとか、ラッキースケベなどが映像になることでより強調される、ということもあるでしょう。


たとえば、現在放送中の『ロクでなし魔術講師と禁忌教典』は、教官ものの学園ファンタジーで、王道を往く熱いバトルが魅力の作品ですが、何故だかアニメ視聴者からは「石鹸枠のテンプレをメタった石鹸枠」と認識されがちのようです。「石鹸枠が有名になったから逆張りする作品が出てきたな」と。

しかし「ロクアカ』の第一巻は2014年7月刊行、新人賞作品なので実際の執筆は2013年あたりでしょう。一方で、「石鹸枠」の語源となった『星刻の竜騎士』のアニメは2014年4月開始ですから、時系列的には前後しています。

アニメだけで見ていると、「石鹸枠という概念が広まったあとにそれを受けてロクアカが現れた」と感じるわけですが、それは錯覚にすぎないわけですね。

こういったアニメ視聴者の錯覚が、「石鹸枠」の成立自体にも影響を及ぼしているのではないか、と個人的には考えています。


「石鹸枠とは何か」を考えるときに、個人的に外せないと思っているのが「ハサミ枠」の存在です。

もちろん、漫画やラノベでハサミのモチーフが流行ったわけでも、当時のアニメ業界でハサミを登場させるのが流行していたわけでもありません。たまたまハサミが出てくるアニメが連続したので、面白がって一つに括ってしまったというだけです。

「石鹸枠」にも似たようなものを感じるんですよね。

所詮、と言ってはなんですが、「石鹸枠」のアニメなんて1クールに一つあるかどうかという程度にすぎないわけです。『このすば』や『Reゼロ』ほど話題になった作品もありません。

それでも、「なんだか似た設定のアニメがあるね」という状況が、たまたま一年ほど続いたので、面白がって「枠」にしてしまった、という程度のものにすぎないのではないでしょうか。


さて、一般的に「石鹸枠」とされる作品はこのあたりですが。
ラノベ開始時期とアニメ開始時期を追記しました)

タイトル ラノベ開始 アニメ開始
星刻の竜騎士 2010/06 2014/04
精霊使いの剣舞 2010/12 2014/07
アブソリュート・デュオ 2012/08 2015/01
聖剣使いの禁呪詠唱 2012/11 2015/01
銃皇無尽のファフニール 2013/07 2015/01
学戦都市アスタリスク 2012/09 2015/10
落第騎士の英雄譚 2013/07 2015/10
最弱無敗の神装機竜 2013/08 2016/01
ハンドレッド 2012/11 2016/04

ところでラノベ業界には「ラノベ王子」と呼ばれる名物編集者がいます。
ここで彼が担当した数々のヒット作をご覧ください。

王子じゃ、王子のしわざじゃ…!

激化するラノベ天狗問題 ――そのときわたしたちになにができるのか

ラノベ天狗」を知らない方は、まずは私が以前に書いた記事をお読みください。

読むのが面倒くさい、読んでもよく分からなかった、という方のために簡潔に説明すると、日夜Twitterで「ライトノベルへの批判」と取れるツイートを検索してはRTで晒して殴りつける女子中学生、それが「ラノベ天狗」です。

さて、ラノベ天狗活動がはじまって二年半――皆がラノベ天狗の連続RTにも慣れはじめ、良くも悪くもルーチンワークに組み込まれつつあったある日、事件は起こりました。

ラノベ天狗がガラケーからスマホに買い替えたのです!

「それの何が問題なの?」……私も最初はそう思っていました。それが誤りだったと気付いたとき、すべては手遅れでした。

そう、ラノベ天狗は「Togetterで晒す」ということを覚えてしまったのです!

以下がラノベ天狗のまとめの一覧です。

特にバズったのはこのあたりでしょうか。

ラノベ天狗に目をつけられた中にはプロフィールに謝罪文を掲載してアカウントを非公開にしてしまった者もいるとか。嗚呼、あたら若い命をTwitterに散らすとは……。

Togetterでのラノベ天狗のいやらしいところは、「私は中立で何の意見もありませんよ」「読者の皆さんで判断してくださいね」といった体裁を取っていることです。

たしかに、「これは偏向したまとめだから無効だ!」といった違法捜査的批判、あるいは「こいつらも悪いが晒したヤツも悪い」といった喧嘩両成敗的空気を出されてしまうと嫌ですもんね。

古参ラノベ読みである「ぬんぬん」氏(いま考えると紅魔族っぽい名前ですね)が、この点について果敢にもラノベ天狗を糾弾しましたが、そのまま果てなきTwitter議論の闇へと消えていき、ラノベ天狗へのダメージはほとんどありませんでした。うう、惜しい人を亡くした。

この激化するラノベ天狗問題において我々に何ができるのか。

私がお願いするのはたったひとつのことです。

ラノベに関するTogetterまとめを見かけたときは、ブクマするまえに、ツイートするまえに、まずは「まとめの作成者」を見ましょう。

「srpglove」と書かれていたら――「あ、ラノベ天狗だ!」と思ってください。

ただそれだけでいいのです。

頭の片隅に「これはラノベ天狗のまとめなんだ」と置いておくだけで、きっと受け取り方に違いがでてくるでしょう。

もちろん、ラノベ天狗のまとめであることを知ったうえで、ブクマしたりツイートしたりするのは自由です。

よろしくお願いします。

あとついでに出来ればでいいんだけどラノベへの偏見も抑えてね! おもしろいラノベはいっぱいあるよ!

ラノベを買うならBOOK☆WALKER! 電子書籍のススメ!


「発売後すぐに買え」とか「取り寄せしろ」とか、出版社と取次と書店の仕組みにまつわるあれこれが話題になっていますね。

しかし皆さん、本の発売日なんて普段は気にしないし、「気がついたら数ヶ月前に新刊が出ていた」なんてことはザラじゃないですか。

取り寄せだって、おそらく慣れている人には簡単なんだと思いますが、普通は目当ての本がなければ諦めるか、それでも欲しければ別の店に行きますよね。

初週で買うのも、取り寄せするのも、ちょっとハードルが高いと思いませんか。

そこで登場するのが「電子書籍」ですよ。

書店に新刊が入荷されてない → 電子書籍なら売ってるよ
少し前の作品も置いてない → 電子書籍なら売ってるよ
平積みでないと売れない → 電子書籍はぜんぶ平積みだよ
書店が遠い → 電子書籍なら自宅で買えるよ
取り寄せに時間がかかる → 電子書籍なら一瞬で買えるよ
初週で買ってください → 電子書籍なら発売前に通知されるよ
予約してください → 電子書籍ならワンクリックで予約購入できるよ

素晴らしいですね。
まだまだありますよ。

場所を取らない。何百冊買っても部屋を圧迫することはありません。
古い作品を簡単に取り出せる。物理書籍なら確実に本の山に埋もれて見つかりませんよね。
本棚機能。現実には重すぎる本棚をお手軽にいくらでも増やすことができます。
作品内検索。あのフレーズってどの章にあったっけ、みたいな疑問もすぐに解消できます。
横断検索。自分の持っている本でも持っていない本でも全文検索できるのです。
もちろん値下げセールも頻繁にありますし、コインと呼ばれるポイント還元もありますよ。

うーん、これはもう電子書籍を使わないと損ですね…!

そしてあなたがラノベ読みなら、利用すべきは「BOOK☆WALKER」で間違いありません!

(なんてステマくさい…)


たぶんB☆Wってあんまり知られてないんですよね。世間的にはKindleダントツで、あとはAppleiBooks楽天Koboあたりが競い合っている感じ。でも、こないだ取ったアンケートによれば、なんとラノベ読みのあいだではB☆WとKindleがほぼ同率なんですよ。すごいでしょ。

B☆Wの年間売上ランキングだって、漫画も含めた「総合部門」なのに、ラノベがあっさり上位を占めてますからね。もう完全に「ラノベならB☆W」ですよ!

(ますますステマくさい…)

えー、どうしてこんなにラノベ読者の利用率が高いかというと、B☆Wの運営会社(の親会社)が、ラノベ業界を牛耳るあの「カドカワ」だからです。出版社直営なんですね。

もちろん、運営がカドカワだからって、他社の作品が無いなんてことはないですし、ラノベだけでなく一般文芸、漫画、ビジネス新書、雑誌なんかも普通に配信されてますよ。


さて、私はもう電子書籍を神と崇めて、物理書籍をまったく買わないところまで来ているのですが、いまだ神を信じない者たちは何を考えているのでしょうか。こちらもアンケートを取っております。


スマホタブレット・クレジットカードの有無

これは小中高校生を想定した質問です。おそらく実際にはこの回答以上に多いでしょうね。

あ、でも「電子書籍リーダーでないと電子書籍は読めない」と思っている人は地味に多いと思うのですが、スマホでもタブレットでも読めますよとは強調しておきます。実はPCでだって読めるんですよ。

決済手段については、クレカだけでなくWebMoneyとかにも対応しているので、そのあたりで何とかするしかないのかなあ。ちなみにiOS版のアプリ内で購入するとApple税が加算されます。

電子書籍を購入する際の支払い方法は何が利用できますか? | BOOK☆WALKER

サービスの終了が怖い

電子書籍につきものの問題ですね。個人的には、他の業種ならいざしらず出版社直営なら撤退しづらいんじゃないかな、と思っています。基幹事業ですからね。

それに、さすがに何らかの救済措置はあるだろう、という希望的観測もあります。

電子書籍は「なぜ」消えるのか?--世間にはびこる俗説を斬る - CNET Japan

ちなみにカドカワは「本棚連携」という機能も推進していて、カドカワが出版している作品であれば、B☆Wで買った作品をBook Liveやauブックパスなどでも読むことができます。
(訂正:すみません。「Book Liveやauブックパスなどで買った作品をB☆Wでも読むことができます。」でした。)

こういう仕組みがあると、万が一B☆Wが潰れたときでも、別のサービスが引き継ぎやすいんじゃないかな、と思っています。

本棚連携機能とはなんですか? | BOOK☆WALKER

目が疲れる

実は「サービス終了が怖い」がいちばん多いんじゃないかと予想してたんですが、こっちのほうが思ったより多かったという。

でも、これはもう仕方ないですね。物理書籍か電子ペーパーしかありません。

自分は四六時中PC見てるかスマホ見てるかという人間なので「液晶は目が疲れる」という感覚があまり分からないんですよね。

あ、電子書籍は文字サイズを変えられるので、そこは物理書籍よりも目が疲れづらい点なのではないでしょうか。背景色とかも変更できますよ。

出会いがない

番外ですが、「電子書籍では新たな本との出会いがない」みたいな意見をよく目にします。

でもさ、そんなのお好みの条件で絞り込んだうえで全ての新刊を舐めるようにチェックできる電子書籍ストアのほうが「出会い」も「ついで買い」も多いに決まってるじゃないですか。

もちろん有能な書店員がちゃんとオススメしてくれれば話は別ですけどね。

その他の回答

読み進めるにつれ左手から右手に移っていく重みと厚みを体感したい

「残りのページ数を感覚的につかめる」ってのはわりと物理書籍の長所として聞きますけど、個人的には電子書籍のほうが「いまどのくらい読んだか」を意識するんですよね。電子書籍は「総ページ数」を確認しやすいので。

本を読む時にバッテリー残量みたいなつまらん事を気にしたくない

まあこれは分かります。

本棚が一杯で処分する本を選ぶ際に、対象となる作品の自分にとっての価値の変化を知りたい

これは電子書籍でもできなくはないような。端末から削除するときとか。

寝転がって読む時にスマホが重たい

文庫本のほうが重くないですか!?

積読が捗りすぎる

分かる。物理書籍の頃は積読しない人間だったんですが、電子書籍に移行して積読が大量にできました。

中古で売れない

逆に考えるんだ、「電子書籍なら売る必要がないさ」と考えるんだ。

現実の本棚の整理が好きだから

いちおう「本棚」機能もありますよ。

そもそも好きじゃない

すみません。

表紙を撫でるのが好き

妹てざわりカバー」とか触りたいですもんね…そこは電子書籍の真似できないところですね。

習慣がないから

いまこそ習慣をつけるとき!


というわけで電子書籍が広まれば出版業界が抱えるいろんな問題がわりと解決するんじゃね?と思っているので、みなさん、どんどん電子書籍を使っていきましょう!

あと、早くB☆Wは有能な書店員を引き抜いて特集ページを任せるんだ! そしてトップページをバナーまみれにしてんじゃねえ! それとライト文芸は「ライトノベル」と「文芸」の両方に出してくれ! 頼んだぞ!

「好きなライトノベルを投票しよう!! 2016年下期」投票

取り急ぎ投票だ!

「剣と炎のディアスフェルド」佐藤ケイ

剣と炎のディアスフェルド (電撃文庫)

剣と炎のディアスフェルド (電撃文庫)

【16下期ラノベ投票/9784048923941】

いでおろーぐ!椎田十三

【16下期ラノベ投票/9784048921855】

「ヒマワリ:unUtopial World」林トモアキ

ヒマワリ:unUtopial World3 (角川スニーカー文庫)

ヒマワリ:unUtopial World3 (角川スニーカー文庫)

【16下期ラノベ投票/9784041049952】

「さよなら、サイキック」清野静

【16下期ラノベ投票/9784041048535】

「我が驍勇にふるえよ天地」あわむら赤光

我が驍勇にふるえよ天地3 ~アレクシス帝国興隆記~ (GA文庫)

我が驍勇にふるえよ天地3 ~アレクシス帝国興隆記~ (GA文庫)

【16下期ラノベ投票/9784797389685】

「メロディ・リリック・アイドル・マジック」石川博品

【16下期ラノベ投票/9784086311281】

「七日の喰い神」カミツキレイニー

【16下期ラノベ投票/9784094516449】

「弱キャラ友崎くん」屋久ユウキ

弱キャラ友崎くん Lv.2 (ガガガ文庫)

弱キャラ友崎くん Lv.2 (ガガガ文庫)

【16下期ラノベ投票/9784094516319】

2016年ライトノベル個人的ベスト10

1. この恋と、その未来。

六巻で完結。この作品に関しては、もう本当に「ありがとう」を何度でも言いたい(→ ライトノベル『この恋と、その未来。』の打ち切りについて - WINDBIRD)。叶わぬ恋、望まぬ体、どうしようもなかった苦悩を、しかし年月をかけてなんとか消化して、新しいパートナーとともに未来に向かって歩いていく。読み終わったあとに人生に思いを馳せてしまうような。もちろんエンターテインメントとしても素晴らしい。やはりこれは完結すべき作品でした。本当にありがとうございました。

2. 「青春ブタ野郎」シリーズ

引きこもりの妹との絆を描いた「おるすばん妹」。現在の恋人と難病の少女とのあいだで残酷な選択を迫られる「ゆめみる少女」「ハツコイ少女」。いずれも神がかった出来栄えでした。『この恋』の主人公は年相応の少年ですけど、『青春ブタ野郎』の主人公はちょっと老成ぎみのナイスガイなので、だからこそ飄々としている彼が死に物狂いに行動するところに心が揺さぶられるんですよね。『この恋』とともに、2016年のみならず2010年代を代表する青春ラノベとして並び称されていくでしょう。

3. 七日の喰い神

四巻で完結。カミツキレイニーという作家の覚醒を目の当たりにした気持ちです。人を喰う付喪神「マガツカミ」を、元・祈祷師の男とマガツカミの少女のコンビが退治していく、一種の退魔ものなんですが、架空の日米大戦の直後という時代設定で、今なお戦争の記憶に囚われた怪人たちが策謀を巡らせる伝奇的な魅力もある。そしてなによりヒロインのラティメリアちゃんが可愛すぎるんですよね。「んまぁい!」。

4. SとSの不埒な同盟

二巻で完結。読んだのは今年なので。サディスティックな嗜好を持つ男女二人が、清純な異性に取り入っては騙して虐めて自らの欲望を満たすという、馬鹿馬鹿しくも耽美で背徳的な青春ラブコメ野村美月作品というと「清純なヒロイン」と「変人なライバル」のイメージで、自分は常々「俺は良い子ちゃんなんかに興味はねえ、もっと変態を出してくれ!」と訴え続けていたのですが、その望みがようやく叶いました。個人的には野村美月の最高傑作だと思っています。

5. ヒマワリ:unUtopial World

ヒマワリ:unUtopial World3 (角川スニーカー文庫)

ヒマワリ:unUtopial World3 (角川スニーカー文庫)

ハッタリとケレン味に溢れたいつもの林トモアキのノリながら、その最大の特徴はなんと言っても「主人公が眼鏡っ娘」であること。ズボラで引きこもりで最高にバイオレンスな眼鏡っ娘ですよ。素晴らしいですね。個人的に眼鏡っ子ラノベ・オブ・ザ・イヤーの称号を与えましょう。最新の第三巻でひとまず大きな謎が明かされ、次巻から新展開だそうなので、いまのうちに追いついておくことをオススメします。

6. 絶対ナル孤独者

いまさら紹介するのもはばかられる現代最高の売れっ子作家のひとり川原礫……の『SAO』でも『AW』でもない第三のシリーズ。過去の事件から心を閉ざした主人公。トラウマから生み出される異能力。闇夜に蠢く秘密組織。そして日常との別れ。これですよ。これこそが異能バトルですよ。徐々に明らかになる敵組織も(意外に所帯じみていて)魅力的。一年一冊ののんびりペースでの刊行ですが早く続きを読みたいですね。

7. 剣と炎のディアスフェルド

剣と炎のディアスフェルド (電撃文庫)

剣と炎のディアスフェルド (電撃文庫)

大帝国に侵攻されつつある小国の二人の王子を主役としたエピック・ファンタジー。兄王子は和平の代償として帝国に赴きその各地を漫遊し、弟王子は即位して帝国との対決を決意する。刃を通さぬ身体を持つ男、兄弟を殺すたびに強くなる一族、長い髪に神秘的な力を蓄えるアマゾネス……まさにジークフリートヘラクレスかといった英雄叙事詩を、すっかりベテランの貫禄を身に着けた佐藤ケイが確かな実力で描き出しています。

8. さよなら、サイキック

祝・清野静復活。かの名作『時載りリンネ!』から幾年、ついに刊行された新作です。ひねくれた性格の、しかし熱い心を持った少年。彼のガールフレンドである天真爛漫な魔女。そこに現れる謎めいた美しき発火能力者。児童文学風の『リンネ!』とモダンな異能バトルを独自の感性で組み合わせたような、素敵な青春ストーリーに仕上がっていました。この年末に発売の第二巻をまだ読んでいないので期待も込みではありますが、絶対的に面白いことは間違いありません。

9. 弱キャラ友崎くん

ゲームオタクの主人公が、学校一のリア充の指導のもとでリア充のハウツーを学んでいく青春ラブコメです。とはいえ脱オタするわけではなく、むしろ「人生」をゲームとして攻略していこうという、極まったゲーマーたちの物語なんですね。二巻では「リア充を描いたラブコメ」としての側面がより強まり、もはや同レーベルの看板作品『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』のアンチテーゼといっても過言ではなくなりつつあります。これからどう展開していくのか楽しみですね。

10. きみの分解パラドックス

きみの分解パラドックス (富士見L文庫)

きみの分解パラドックス (富士見L文庫)

これは入れるかどうか迷ったんですが……何というか「面白い」よりも「好き」という作品ですね。何でも「分解」してしまうサイコパス気味な少女と、その彼女の幼馴染をやっている少年が、謎の連続殺人事件に巻き込まれていくという、つまりは壊れた少年少女たちによる青春ミステリなのです。他人の苦しみがわからない、嘘をつくのに良心が痛まない、倫理的なブレーキが効かない……まあ、そういうの大好きですよね。


今回は迷いに迷ったあげく、去年のベストに挙げた作品を泣く泣く除外したのですが、このあたりはもう同率同順位みたいなものですから、どれもこれもオススメなんですよ。というわけで選定にあたってリストアップした作品を載せておきますね。

続きを読む