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もっとSFが読みたい! 俺もSFライトノベル10作品をオススメする!

今回の記事はこちらにインスパイアされております。
blog.livedoor.jp

ストライクフォール

円環少女』『BEATLESS』の長谷敏司の新作。
人型ロボットに搭乗し、宇宙空間を超高速で飛び回りながら戦う架空のスポーツ「ストライクフォール」、速度と慣性に支配されたこのスポーツに「慣性制御」という新技術が持ち込まれたら…? 野球でもサッカーでもバスケでも、既存の戦術を革新的な新戦術が打ち破る瞬間というのは何にも代えがたい興奮があると思いますが、それを架空のスポーツの架空の戦術で完璧にやりとげている、という点にこの作品の凄みがあるんですよね。

86 -エイティシックス-

86―エイティシックス― (電撃文庫)

86―エイティシックス― (電撃文庫)

「帝国」が開発した無人兵器が暴走し、人類を四分五裂に追い詰めている世界。サンマグノリア共和国は自国で開発した無人兵器によってそれに対抗していたが、実のところそれは「無人兵器」に「人でないもの」――エイティシックスと呼ばれる被差別人種の少年少女たちを搭乗させていたのだった。凄惨な戦争SFであると同時に、ニヤニヤが止まらないボーイ・ミーツ・ガールでもあります。

月とライカと吸血姫

現実の宇宙開発競争を下敷きにした清々しいボーイ・ミーツ・ガール。人類初の有人宇宙飛行を前に、ロケットに人間を乗せて安全性を確かめたい、そうだ「人でないもの」を乗せればいいじゃないか、というわけで「吸血鬼」の少女が連れてこられる。何故か『86』とネタが被っているという偶然の一致が面白いですが、ぜんぜん違う話なので読んでみてください。コミックDAYSに掲載されている漫画版もめちゃくちゃ出来が良い。

世界の果てのランダム・ウォーカー

世界の果てのランダム・ウォーカー (電撃文庫)

世界の果てのランダム・ウォーカー (電撃文庫)

超科学を誇る空中都市から、文明の未熟な地上へ派遣される「調査官」のコンビを描いた、『キノの旅』的な連作短編集。地上の都市の文明度はバラバラで、古代の宗教国家的なものもあれば、VRが発達した近未来的な都市もあり、それぞれのお話にゾクッとするようなアイディアがあります。破天荒な上司とそれをフォローする生真面目な部下、という主役コンビの掛け合いも面白い。

偽る神のスナイパー

偽る神のスナイパー (ガガガ文庫)

偽る神のスナイパー (ガガガ文庫)

蘇った死者「レヴナント」によって地上を追われ、海上に造られた都市でかろうじて暮らしている人類。主人公・吹芽は、少女のカタチをした超兵器と出会ってそのマスターとなり、レヴナントと戦う「埋葬官」と呼ばれる部隊の一員となる。極めて絶望的な状況で、少年少女たちがカッコいい兵器を振るって戦う、近未来バトルアクションです。

ハル遠カラジ

ハル遠カラジ (ガガガ文庫)

ハル遠カラジ (ガガガ文庫)

ほとんどの人類が消え去った世界で、生き残りの少女・ハルと、その保護者である軍用ロボ・テスタの旅路が描かれる。ちょっと流行ってる気がしますよねポスト・アポカリプス。人間と機械のあいだで結ばれる家族の絆。「精神病」に蝕まれる人工知能。遠くない将来に示唆される別れ。そして明かされる過去。心が熱く、切なくなる物語です。

ひとりぼっちのソユーズ

幼い少年は、隣の家に引っ越してきた少女と仲良くなり、「付随するもの」――スプートニクと呼ばれるようになる。人工衛星のようにいつも彼女と一緒にいて、わがままな彼女に振り回され、ときには喧嘩をして、遠く離れて、それでも自分にとって特別な少女のために、やがて少年は宇宙飛行士を目指すことになる。美しい物語です。これ絶対に新海誠監督でアニメ化してほしいんですよね。

暗殺拳はチートに含まれますか?

暗殺拳はチートに含まれますか? ~彼女と目指す最強ゲーマー~ (ファンタジア文庫)

暗殺拳はチートに含まれますか? ~彼女と目指す最強ゲーマー~ (ファンタジア文庫)

VRゲームものはSFでしょ? そうだSFだ。SFに間違いない。というわけで、VR格闘ゲームの有力プレイヤーである主人公が、「暗殺拳」を習得した少女と出会い、その恋人となってVR格ゲーの世界へと導いていくというアクション&ラブコメ。まあ恋人にしては奥手で初々しい二人なんですが、そのゲームにかける情熱、対戦相手との一瞬の駆け引きに費やされる熱量は本物です。

青春デバッガーと恋する妄想 #拡散中

青春デバッガーと恋する妄想 #拡散中 (電撃文庫)

青春デバッガーと恋する妄想 #拡散中 (電撃文庫)

AR(拡張現実)が普及した秋葉原。周囲にいるオタクたちの深層心理が、その拡張現実に干渉してバグを発生させることを知った主人公は、彼女らの悩みを解決するために奔走することになる。というわけで「青春デバッガー」なんですね。シュタゲを思わせるような賑やかで楽しくてちょっと切ない青春ストーリー。旭蓑雄といえばデビュー作からSFスメル溢れる奇作を連発している鬼才。他の作品もおすすめですよ。

ドリームハッカーズ コミュ障たちの現実チートピア

ドリームハッカーズ コミュ障たちの現実チートピア (電撃文庫)

ドリームハッカーズ コミュ障たちの現実チートピア (電撃文庫)

インプラント・デバイスによる電脳技術が普及した近未来。地の文では威勢のいいこと言いながらリア充にパシリにされてるクズ主人公が、イジメの復讐のために電脳をクラックしようとするという話。しかしこれは決してスカッと終わる復讐譚ではないのです。出てくるキャラはサイコばかり。エゲツない展開に読者はドン引き。電撃が生んだもうひとりの鬼才・出口きぬごし。この恐ろしさはもっと知られるべきだと思います。そして続編を!

以上、10作品でした。
みんなでどんどん買ってSFラノベを増やしていきましょう!

ライトノベルとエロ、そして表紙イラストについて。

前置き

ライトノベルで想定される読者年齢は中学・高校生である。漫画雑誌で言えば「少年ジャンプ」(小・中学生向け)と「ヤングジャンプ」(高校・大学生向け)の中間くらいのポジション。ジャンプのエロい作品、ヤンジャンにおけるエロい作品、それらと同等の割合で、ラノベにエロい作品が含まれていてもおかしくはない、という感覚だ。

そういう意味で、私はライトノベルの中に「エロい作品」があることを否定はしない。

私がこれから何かの反論めいた文章を書くのは、「ラノベはエロい作品ばかりだ」「ラノベにはエロい作品しかない」といった極端な言説を訂正するためである。*1

また、前提として、ここでは主に「少年向けラノベ」についての話をする。少女向けラノベライト文芸(青年向けラノベ)までは対象を広げない。

そんなんどうでもいいからエロくないラノベのオススメ教えろや、って人は『ストライクフォール』と『ウォーター&ビスケットのテーマ』と『ジャナ研の憂鬱な事件簿』と『錆喰いビスコ』と『七つの魔剣が支配する』を買っていってください。

エロの段階について

まず、「内容のエロレベル」と「表紙のエロレベル」を切り分けて考えてみる。

内容エロレベル0 エロくない。
内容エロレベル1 下着・入浴・ラッキースケベなどのお色気シーンが存在する。
内容エロレベル2 エロを売りとする作品。
ハイスクールDxD』や『魔装学園HxH』あたりを想定。
内容エロレベル3 明確にポルノとして作られている。いわゆる「ジュヴナイルポルノ」。

実際のところ、内容エロレベル0と内容エロレベル1は大差がないと思う。シリアスな作品だってシャワーシーンの一つくらいはあるものだ。ただしラブコメ的な作風で、内容エロレベル1のイベントが多用されたりすると、印象としては内容エロレベル2に近づいていくのだろう。

ジュヴナイルポルノは「広義のライトノベル」には含まれるが「狭義のライトノベル」には含まれないくらいの微妙なポジションにある。しかし文字通り「ポルノ」であるという点で、少年向けライトノベルと一線を画しているのは間違いない。仮にジュヴナイルポルノを指して「最近のラノベはエロい」と言われたら「いやそれはエロ本だし」となる。

表紙エロレベル0 エロくない。
表紙エロレベル1 露出度は低いが、身体のラインがはっきりと出ていたり、ふとももが露わになっていたりする。
表紙エロレベル2 きわめて露出度の高い衣装であったり、服が大きくはだけていたりする。
表紙エロレベル3 全裸。

表紙エロレベル1は、オタクならあまりエロいとは思わないだろうが(画風や構図にもよるけど)、非オタは拒否反応を示すことが多い。このあたりの認識の食い違いは摩擦の原因になっていそうだ。

自分としては、「萌え萌えしたイラストを好むオタクってキモい!」と「このイラストはエロすぎる!」は別の感情なのだが、この二つの感情が同一である人もいるんだろうなあ、と思ったりしている。

表紙エロレベル3については、以下のようなギャグ的なものも存在する。
https://www.shogakukan.co.jp/books/09451352
https://sneakerbunko.jp/product/misumaruka/321205000224.html

ジュヴナイルポルノとは?

大雑把に言えば「漫画・アニメ的なイラストを用いた官能小説」のことである。つまりライトノベルのポルノ版であり、「エロライトノベル」だとか「ライトアダルトノベル」だとか呼ばれることもある。ジュヴナイルポルノ自体は80年代から今に至るまで存在するもので、最近になって生まれたカテゴリではない。

小説に18禁はない。つまりジュヴナイルポルノは18禁ではない。イラストが過激な場合は18禁扱いになるが、文章だけでは18禁にはならない。なので、書店ではせいぜい違う棚に置かれるくらいで、場合によっては一般向けのライトノベルのすぐ隣に並べてあったりする。猥褻物頒布等罪との兼ね合いについては知らない。

「イラストが過激な場合」の実例としては、たとえば二次元ドリームノベルズがある。同じ出版社の二次元ドリーム文庫(こちらは非18禁)と比べると、表紙イラストで乳首が描かれていたりするが、そのあたりが一つの境界になっているのだろう。逆に言うと、二次元ドリーム文庫美少女文庫は、意図的に「過激でない表紙」にしているわけで、「最近のラノベは表紙だけ見たらジュヴナイルポルノと区別がつかない」と言われるのも、さして不思議ではないのかなと思う。とは言っても、ライトノベルのなかでエロめのイラストが、ジュヴナイルポルノでは標準的なエロさ、くらいの違いはあると思うが。

もう一つ。

小説投稿サイト「小説家になろう」では規約でエロが禁止されていて、エロ描写が含まれる作品は「ノクターンノベルズ」「ミッドナイトノベルズ」「ムーンライトノベルズ」に隔離されている。ノクターンは男性向けエロ、ミッドナイトは「エロが主目的ではないがエロ描写のある作品」、ムーンライトは女性向け、といった分類である。よって、「なろう」から書籍化された作品は基本的にエロ要素が薄く、表紙イラストも単行本サイズの大きさを活かして、背景が描き込まれた落ち着いたものが多くなっている。以下に主だったレーベルの新刊紹介ページを並べる。
http://mfbooks.jp/all/
https://kadokawabooks.jp/product/series/
http://hobbyjapan.co.jp/hjnovels/lineup/2018.html

一方で、先に述べた「ノクターンノベルズ」から書籍化するレーベルも最近は目立つ。こちらは分類としてはジュヴナイルポルノに近く、エロありバイオレンスありの大人向けレーベルといった趣きである。以下に主だったレーベルの新刊紹介ページを並べる。
http://ktcom.jp/bn/
http://www.takeshobo.co.jp/sp/tvn/
http://diverse-novel.media-soft.jp/?mode=cate&csid=0&cbid=2334468

繰り返すが、ジュヴナイルポルノは「18禁」ではない。つまり、たとえば電撃文庫美少女文庫や、MFブックスとビギニングノベルズが、隣同士の棚に並んでいることがあるということだ。そのため実際以上に「ラノベはエロい」「なろう作品はエロい」と勘違いされている可能性もある。

今月の新刊を確認しよう

百聞は一見にしかずということで実物をチェックしていこう。

電撃文庫の9月刊。
https://dengekibunko.jp/product/2018/09/
アクセル・ワールド』は全裸に近いので表紙エロレベル3(色気はないが…)。『境界線上のホライゾン』『賢者タイムが終わらない。』『異世界に間違った人材を〜〜』は表紙エロレベル2。『ゴスロリ卓球』も巨乳が強調されていて、場合によっては表紙エロレベル2相当と思われるかもしれない。

ただし内容でいえば『アクセルワールド』や『境ホラ』『ゴスロリ卓球』はレベル1相当だろう。『賢者タイムが終わらない』は未読だが、あらすじからすると下ネタっぽいので、内容エロレベル2相当の可能性はある。

スニーカー文庫の9月刊。
https://sneakerbunko.jp/product/2018/09/
『回復術士のやり直し』が表紙エロレベル2、『JK堕としの名を持つ男、柏木の王道』が表紙エロレベル1かな。

『回復術士』はエログロありの復讐ものらしいので、内容エロレベル2相当だろう。

MF文庫Jの9月刊。
https://mfbunkoj.jp/product/2018/09/
ブコメの多いレーベルなので表紙もそれらしいものが多い。『おまえ本当に俺のカノジョなの?』で胸の谷間、『サブヒロインだって攻略されたい!』『精霊使いの剣舞』でパンチラがある。露出度で言えばそれほどでもないにもかかわらず、非オタから「いかにもオタクっぽくてキモい」と思われそうな感じである。

全体的に内容エロレベル2は無さそうだが、「内容エロレベル1が多用されるラブコメ」はいくつかありそうだ。

富士見ファンタジア文庫の9月刊。
http://www.fujimishobo.co.jp/novel/fantasia.php
「2018年9月」を指定できないので、来月には内容が変わっているだろうが、とりあえず2018年9月の新刊を前提とする。『ハイスクールDxD』が貫禄の表紙エロレベル2、『非オタの彼女が〜〜』もレベル2、『いづれ神話の放課後戦争』『始まりの魔法使い』もレベル1はあるだろうか。

内容では『ハイスクールDxD』『いづれ神話の放課後戦争』がレベル2か。『非オタの彼女が〜〜』はわからん。

というわけで、私としては「ほら、エロばっかりということはないでしょ?」と言いたいところなのだが、これを見て「やっぱりどれもエロいね」とか「思った以上にエロいじゃん」ってなる人はいると思う。それはしょうがない。私としては「思ったよりエロくないな」となる人がいることを祈るのみである。

ここでは、内容のエロレベルと表紙のエロレベルに齟齬があることは多いのだ、ということだけは強調しておきたい。

昔のラノベは今より健全だったのか?

大して変わらんでしょ。
健全度も不健全度も。
http://ranobe-mori.net/label/dengeki-bunko/?page=28

ライト文芸と差別化を図るためにラノベはエロ特化している?

ライト文芸で多いイメージの青春もの・純愛ものなどは、むしろラノベでも増加しているところである。
なろう系の影響もあって、なろう発でなくともファンタジーが多く出てきているし、特に戦記ファンタジーはちょっとしたブームが長らく続いている。
全体として、ライト文芸やなろう系は、ラノベに負の影響を与えるというよりも、それぞれに影響を与えあって多様性を生んでいるし、単純な刊行点数の増加もあって、たとえば10年前と比べても、ラノベ全体のバリエーションは増えていると言っていいと思う。

終わりに

なんだか取り留めがなくなってきたが。

私だってラノベの表紙デザインが無謬であるとは思っていない。

ラノベ売り場のオタオタしい雰囲気」みたいなものの存在は否定できないし、それによる集客効果よりも、それによってラノベ売り場から遠ざかる読者のほうが多いだろうという印象は持っている。*2

「表紙では男主人公よりもヒロインを優先する」なども非合理な慣習だと思っているし、「エロくない作品にエロいイラストをつける」といったやり方には憤りさえ覚える。

それは「倫理的に問題がある」だとか「子供の教育に悪い」といった理由からではない。「エロくない作品にエロいイラストをつける」というのは、エロを期待した読者は期待を裏切られ、エロが嫌いな読者は(実際に読めば好きになるとしても)買おうとしないということで、誰も幸せにならないからだ。

イラストによって学校図書館に入れてもらえない、親に買ってもらえない、朝の読書などでも敬遠される、といったことがあるのは、さらに問題だ。未来のラノベ読者の育成をも阻害していることになる。

なぜ、そういった「内容のエロレベル」と「表紙のエロレベル」に齟齬が生まれるのかと言えば、これは完全に憶測で、失礼な物言いになるのだが、可愛くてエロい女の子を描きたいイラストレーターが多いからだと思っている。多くの(オタク系)イラストレーターはそういうイラストを描くのを好み、画風もそういう方向へ特化している。

また、作家や編集も可愛くてエロい女の子が大好きだから、可愛くてエロいイラストを良しとする。「読者サービス」的な意識はあるのだろうが、それも「自分たちが嬉しいのだから読者も嬉しいだろう」という発想なのではなかろうか。

念押しをするが、エロいラノベにエロいイラストを付けるのは別に良いのだ。

しかし、エロくないラノベにエロいイラストを付けるのを、本当に「読者サービス」程度の気持ちでやっているなら、それは止めてほしいと思うのである。

補足

*1:念のため言っておくが、「ばかり」や「しかない」といった表現は「すべてがそうだ」という意味であって、ごく少数の例外は除いたとしても8割9割はエロい作品で占められていなければ不適当であろう。

*2:それへの対策が、ガワだけ変えて一般向けの売り場にラノベを並べる、すなわちライト文芸であろう、とか。

絵本・児童書(児童文学)・YAを原作とした日本のテレビアニメ一覧

なんか立て続けに「昔は児童文学原作のアニメが多かったけど最近は無くなったね」みたいなツイートを見かけたので並べてみた。

アニメ開始 タイトル 原作開始 原作
1969年10月 ムーミン 1945年 ●海外
1972年1月 樫の木モック 1883年 ●海外
1972年1月 ムーミン 1945年 ●海外
1973年1月 山ねずみロッキーチャック 1920年 ●海外
1974年1月 アルプスの少女ハイジ 1880年 ●海外
1974年4月 小さなバイキング ビッケ 1963年 ●海外
1975年1月 フランダースの犬 1872年 ●海外
1975年4月 ガンバの冒険 1972年 □国内
1975年4月 みつばちマーヤの冒険 1912年 ●海外
1976年1月 ハックルベリィの冒険 1885年 ●海外
1976年1月 母をたずねて三千里 1886年 ●海外
1976年4月 ピコリーノの冒険 1883年 ●海外
1977年1月 あらいぐまラスカル 1963年 ●海外
1977年10月 家なき子 1878年 ●海外
1978年1月 ペリーヌ物語 1893年 ●海外
1979年1月 赤毛のアン 1908年 ●海外
1980年1月 ニルスのふしぎな旅 1906年 ●海外
1980年1月 トム・ソーヤーの冒険 1876年 ●海外
1981年1月 家族ロビンソン漂流記 ふしぎな島のフローネ 1812年 ●海外
1981年4月 愛の学校クオレ物語 1886年 ●海外
1981年4月 若草の四姉妹 1868年 ●海外
1982年1月 南の虹のルーシー 1982年 ●海外
1982年10月 みつばちマーヤの冒険 1912年 ●海外
1983年1月 アルプス物語 わたしのアンネット 1950年 ●海外
1983年7月 ピュア島の仲間たち 1976年 ●海外
1984年1月 牧場の少女カトリ 1936年 ●海外
1985年1月 小公女セーラ 1888年 ●海外
1985年4月 おねがい!サミアどん 1902年 ●海外
1986年1月 愛少女ポリアンナ物語 1913年 ●海外
1986年10月 ボスコアドベンチャー 1984 ●海外
1987年1月 愛の若草物語 1868年 ●海外
1988年1月 小公子セディ 1886年 ●海外
1988年4月 いきなりダゴン 1983年 ●海外
1988年10月 それいけ!アンパンマン 1973年 □国内
1989年1月 ピーターパンの冒険 1911年 ●海外
1990年1月 私のあしながおじさん 1912年 ●海外
1990年4月 楽しいムーミン一家 1945年 ●海外
1991年1月 トラップ一家物語 1949年 ●海外
1991年1月 おちゃめなふたご クレア学院物語 1941年 ●海外
1991年1月 ルドルフとイッパイアッテナ 1987年 □国内
1991年1月 おばけのホーリー 1978年 □国内
1991年11月 わたしとわたし ふたりのロッテ 1949年 ●海外
1992年1月 大草原の小さな天使 ブッシュベイビー 1965年 ●海外
1992年9月 おやゆび姫物語 1835年 ●海外
1992年10月 ノンタンといっしょ 1976年 □国内
1992年10月 フランダースの犬 ぼくのパトラッシュ 1872年 ●海外
1993年1月 若草物語 ナンとジョー先生 1871年 ●海外
1993年10月 楽しいウイロータウン 1908年 ●海外
1994年8月 学校のコワイうわさ 花子さんがきた!! 1994年 □国内
1995年1月 ロミオの青い空 1941年 ●海外
1996年1月 名犬ラッシー 1940年 ●海外
1996年9月 家なき子レミ 1878年 ●海外
1997年7月 はれときどきぶた 1980年 □国内
1997年9月 夢のクレヨン王国 1980年 □国内
1997年12月 ドリトル先生物語 1920年 ●海外
1998年4月 たこやきマントマン 1990年 □国内
1999年7月 バーバパパ 世界をまわる 1970年 ●海外
2002年11月 げんき げんき ノンタン 1976年 □国内
2004年2月 かいけつゾロリ 1987年 □国内
2004年4月 それいけ!ズッコケ三人組 1978年 □国内
2005年2月 まじめにふまじめ かいけつゾロリ 1987年 □国内
2005年4月 おでんくん 2001年 □国内
2005年5月 雪の女王 1844年 ●海外
2007年1月 レ・ミゼラブル 少女コゼット 1862年 ●海外
2007年4月 精霊の守り人 1996年 □国内
2008年1月 ポルフィの長い旅 1955年 ●海外
2008年6月 テレパシー少女 蘭 1999年 □国内
2009年1月 獣の奏者エリン 2006年 □国内
2009年4月 こんにちはアン 〜Before Green Gables 2008年 ●海外
2009年10月 怪談レストラン 1996年 □国内
2010年3月 はなかっぱ 2006年 □国内
2010年8月 学校のコワイうわさ 新・花子さんがきた!! 1994年 □国内
2011年7月 NO.6 2003年 □国内
2012年4月 黒魔女さんが通る!! 2005年 □国内
2013年4月 ぼくは王さま 1959年 □国内
2013年4月 RDG レッドデータガール 2008年 □国内
2014年10月 山賊のむすめローニャ 1981年 ●海外
2015年10月 探偵チームKZ事件ノート 2011年 □国内
2016年7月 バッテリー 1996年 □国内
2017年7月 DIVE!! 2000年 □国内
2017年7月 妖怪アパートの幽雅な日常 2003年 □国内
2018年1月 うちのウッチョパス 2018年 □国内
2018年4月 若おかみは小学生! 2003年 □国内
2018年5月 おしりたんてい 2012年 □国内

ついでに年毎の作品数。

1969年 1
1970年 0
1971年 0
1972年 2
1973年 1
1974年 2
1975年 3
1976年 3
1977年 2
1978年 1
1979年 1
1980年 2
1981年 3
1982年 2
1983年 2
1984 1
1985年 2
1986年 2
1987年 1
1988年 3
1989年 1
1990年 2
1991年 5
1992年 4
1993年 2
1994年 1
1995年 1
1996年 2
1997年 3
1998年 1
1999年 1
2000年 0
2001年 0
2002年 1
2003年 0
2004年 2
2005年 3
2006年 0
2007年 2
2008年 2
2009年 3
2010年 2
2011年 1
2012年 1
2013年 2
2014年 1
2015年 1
2016年 1
2017年 2
2018年 3
  • 91年・92年だけ多いけど、概ね1〜3作品くらいで推移している。
  • 「昔は多かった」というより「世界名作劇場のおかげで常に1作は確保できてた」くらいの話で良さそう。

Web小説が原作のライトノベルのWeb版・ラノベ版・アニメ版の開始時期

アニメを観た順番に「このすば→Reゼロ→幼女戦記という流れからすると異世界転生ものはこう変遷している!」とか言って、Web版の開始時期がまったく逆だったりしたら恥ずかしいなー、と思ったので、主だった作品についてざっくりと調べてみた。

タイトル Web開始 ラノベ開始 アニメ開始
ソードアート・オンライン 2002年11月29日 2009年4月 2012年7月
ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり 2006年4月12日 2010年4月 2015年7月
アクセル・ワールド 2007年10月9日 2009年2月 2012年4月
魔法科高校の劣等生 2008年10月12日 2011年7月 2014年4月
ログ・ホライズン 2010年4月13日 2011年3月 2013年10月
オーバーロード 2010年5月9日 2012年7月 2015年7月
ナイツ&マジック 2010年10月16日 2013年1月30日 2017年7月
幼女戦記 2010年12月5日 2013年10月 2017年1月
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 2011年4月1日 2013年1月14日 2015年4月
月が導く異世界道中 2012年1月30日 2013年5月28日 未定
賢者の弟子を名乗る賢者 2012年4月4日 2014年6月30日 未定
異世界チート魔術師 2012年4月6日 2013年6月 2019年7月
異世界迷宮でハーレムを 2011年4月12日 2012年12月21日 未定
Re:ゼロから始める異世界生活 2012年4月20日 2014年1月31日 2016年4月
戦闘員、派遣します! 2012年8月19日 2017年11月1日 未定
異世界居酒屋「のぶ」 2012年10月18日 2014年9月 2018年4月
盾の勇者の成り上がり 2012年10月29日 2013年8月 2019年1月
無職転生 2012年11月22日 2014年1月23日 2021年
この素晴らしい世界に祝福を! 2012年12月20日 2013年10月 2016年1月
異世界食堂 2013年1月4日 2015年3月 2017年7月
転生したらスライムだった件 2013年2月20日 2014年5月 2018年10月
デスマーチからはじまる異世界狂想曲 2013年3月3日 2014年3月 2018年1月
異世界はスマートフォンとともに。 2013年4月8日 2015年5月 2017年7月
八男って、それはないでしょう! 2013年6月1日 2014年4月 2020年4月
本好きの下剋上 2013年9月23日 2015年1月25日 2019年10月
ありふれた職業で世界最強 2013年11月7日 2015年6月 2019年7月
二度目の人生を異世界で 2014年1月3日 2014年11月 中止
ゴブリンスレイヤー 2014年1月4日 2016年2月13日 2018年10月
俺を好きなのはお前だけかよ 2014年1月23日 2016年2月 2019年10月
君の膵臓をたべたい 2014年1月25日 2015年6月 2018年9月
神達に拾われた男 2014年1月28日 2017年9月22日 2020年10月
精霊幻想記 2014年2月12日 2015年10月1日 未定
現実主義勇者の王国再建記 2014年7月4日 2016年5月 未定
乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった… 2014年7月6日 2015年8月20日 2020年4月
うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない 2014年8月1日 2015年2月 2019年7月
くまクマ熊ベアー 2014年10月13日 2015年5月29日 2020年10月
賢者の孫 2015年1月2日 2015年7月30日 2019年4月
蜘蛛ですが、なにか? 2015年5月27日 2015年12月10日 2021年1月
<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム- 2015年10月9日 2016年11月 2020年1月
私、能力は平均値でって言ったよね! 2016年1月14日 2016年5月 2019年10月
スーパーカブ 2016年3月1日 2017年5月1日 未定
聖女の魔力は万能です 2016年4月29日 2017年2月10日 未定
痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。 2016年5月4日 2017年9月8日 2020年1月
この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる 2016年6月4日 2017年2月10日 2019年10月
スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました 2016年6月23日 2017年1月13日 未定
チート薬師のスローライフ 2016年7月21日 2018年4月28日 未定
魔王様、リトライ! 2016年10月10日 2017年6月30日 2019年7月
回復術士のやり直し 2016年12月29日 2017年7月1日 2021年
俺だけ入れる隠しダンジョン 2017年1月5日 2017年8月1日 未定
ひげを剃る。そして女子高生を拾う。 2017年3月8日 2018年2月1日 未定
魔王学院の不適合者 2017年4月2日 2018年3月10日 2020年7月
真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました 2017年10月21日 2018年6月1日 未定

本当はソートできたら良かったんだけどブログだと難しいですね…見づらかったらExcelにコピーとかしてみてください。

「好きラノ 2018年上期」投票

lightnovel.jp

スカートのなかのひみつ。

スカートのなかのひみつ。 (電撃文庫)

スカートのなかのひみつ。 (電撃文庫)

【18上期ラノベ投票/9784048938280】

叛逆せよ! 英雄、転じて邪神騎士

【18上期ラノベ投票/9784048938310】

ファイフステル・サーガ

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ウォーター&ビスケットのテーマ

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我が驍勇にふるえよ天地

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いつかのレクイエム

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エートスの窓から見上げる空

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ジャナ研の憂鬱な事件簿

ジャナ研の憂鬱な事件簿 3 (ガガガ文庫)

ジャナ研の憂鬱な事件簿 3 (ガガガ文庫)

【18上期ラノベ投票/9784094517262】

インスタント・メサイア

インスタント・メサイアI (オーバーラップノベルス)

インスタント・メサイアI (オーバーラップノベルス)

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常敗将軍、また敗れる

常敗将軍、また敗れる (HJ文庫)

常敗将軍、また敗れる (HJ文庫)

【18上期ラノベ投票/9784798616926】

「チートが誤用されている」という誤解

現在、誤用だと言われているのは、「チートとは不正行為のことなのに褒め言葉として使われている」ということ、さらに「そういった誤用が生まれたのは『なろう』系のせいである」ということについてである。

はたして、これは誤用なのだろうか。

結論から言えば「誤用」とは言いがたいと私は思っている。それは、あるキャラの圧倒的な能力を目の当たりにして「反則だぜ…」と呟いたりするのと同じ。すなわち「チートしたみたいな強さ」という比喩的な表現にすぎないからだ。

「異常なほど」「ズルいくらい」「化物じみた」「悪魔のよう」「鬼のごとく」…

ネガティブな言葉をあえて褒め言葉として使う用例はたくさんある。ことさら「チート」だけを糾弾する理由が思いつかない。

と、話としてはここでほぼ終わりなのだが、おまけとして「比喩としてのチート」用法が広まる過程を追ってみよう。

以下、面倒なので「比喩としてのチート」用法のことを「チート比喩」と略す。


まず、英語の「cheat」には「いかさま」「ごまかし」「ずる」といった意味がある。これ自体はコンピュータやゲームに限らず使われる言葉である。

コンピュータゲームにおいては、ゲームを改造したりバグを利用したりするなどの不正行為が「チート」と呼ばれている。特にVRMMORPGやオンライン対戦ゲームにおいては、チートが使われると他のプレイヤーにも影響が及ぶため、非常に忌み嫌われている。

さらにそれが転じて、2000年代半ばからゲーマーたちのあいだで、ゲーム内で飛び抜けて強いキャラやアイテムなどが、「チートキャラ」「チート性能」などと形容されるようになる。

2007年6月19日。

ビオラ(前半で飛ばし過ぎて後半で伸び悩む典型例)
弓の使い勝手(操作が上下のみリバース、変更不能)が悪過ぎるのは評価上差し置いておきます・・・こりゃゲームシステムの方に入るだろうしね。
序盤はチートキャラ、中盤は強キャラ、後半で完全に伸び悩む、と「聖剣3のリースの成長過程を過剰にしたらこんな風になるんじゃね?」なキャラw

https://riesz.blog.so-net.ne.jp/2007-06-19-1

2007年10月22日。

実績の難易度としては楽でしたが、特定のイベントをクリアーして敵武将を倒してクリアーというのが基本パターンなので、その繰り返しによるマンネリで投げ出しそうになった事が何回もあったりしましたが、全部の本編ストーリーをクリアーして武将選択の制限が解除されてからは、チート的な強さを持つキャラを使用して一気に進め、何とか実績コンプさせましたw

http://d.hatena.ne.jp/seiba_86/20071022/1193060417

こうした用法は紛れもなく「チート比喩」と言えるだろう。


次に特筆すべきは、2008年ごろから「ハンス・ウルリッヒ・ルーデル」や「シモ・ヘイヘ」の事績が知られるようになったことである。

2008年2月24日。

各界よりコメント
「何だ?このチート属性は!?私もこんなチート人間を見たことが無いぞ!」
ハンス・ウルリッヒ・ルーデル について、オスカー・ワイルド

ハンス・ウルリッヒ・ルーデル - アンサイクロペディア

2008年7月14日。

こいつチートだろ、っていう歴史上の人物と何したか書いてけ

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/07/14(月) 21:59:15.52 ID zWUhfMBaO
いるのかな

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/07/14(月) 21:59:32.25 ID NrudcwmN0
↓シモヘイヘ

46 名前:JACK ◆JACK/BJa3c [] 投稿日:2008/07/14(月) 22:13:25.80 ID b17t2NE10
>>2がチートMAXでFA?

暇人\(^o^)/速報 (旧) こいつチートだろ、っていう歴史上の人物と何したか書いてけ

2008年8月11日

スポーツ選手なんかをみていると身体能力的にチートしてね?とか思うことも多々あります。

また歴史上の偉人もチート疑惑がわきますよね。(スゴイ記録があったからこそ名が残るとも言うけど)

という事で、キング・オブ・チートっぽい人のご紹介。

狙撃手 シモ・ヘイヘ

人類チート列伝 その1: カゲッチのぶろぐ

ルーデルやシモ・ヘイヘの事績が「チート」という形容とともに広まったことで「チート比喩」もこのあたりから人口に膾炙していったものと思われる。ルーデルやシモ・ヘイヘがゲームとは無関係であることにも注目しておきたい。

ちなみに、ログ速で検索するかぎり、最初期に立てられたチート比喩と思われるスレタイはこのあたりだろうか。

B'zってチート使ってんの?(2007年12月21日)
ポケモンで一番チートな道具って(2008年4月28日)
米飯に焼肉のタレってチートじゃね?(2008年7月6日)
ガンダム世界最強のチートMSは?(2008年7月26日)


さて、もう一つ書いておかねばならないのは、なろう系における「チート」についてである。なろう系(あるいはその元となった二次創作SS)の「チート」には、実は二種類がある。すなわち「転生チート」と「知識チート」である。

転生チート。

主人公が神から貰った能力(チート)で無双したり原作蹂躙したり恋愛関係を築いたりとご都合主義的内容が多いため(いわゆる俺TUEEEEやニコポやナデポ、二次創作小説であればメアリー・スーなど)人によって好き嫌いが大きく分かれるジャンル。
(中略)
神様が主人公に能力(特典とも呼ばれる)を与える。(通称「チート」。桁外れに強力だったり、主人公以外の登場人物は誰も持っていない特別な能力だったり)

http://dic.nicovideo.jp/a/%E7%A5%9E%E6%A7%98%E8%BB%A2%E7%94%9F

つまり、転生チートとは「単純に強い能力」というだけではなく、誰も持っていないような能力を特別に与えてもらうから「チート」なのである。

知識チート。

内政チート
トリップや憑依、転生もののSSによく見られる、ファンタジー世界や過去の時代に現代の知識・技術を持ちこみ、主人公の支配下または所在している地域の内政面を向上させる行為を指す。
(中略)
これを用いるとき、主人公はさながらウィキペディアをリアルタイムで見ているように正確に知識を思い出し、なおかつウィキペディアに載っている程度の情報を基にして、本職顔負けの内政手腕を発揮してしまう。

http://dic.nicovideo.jp/a/ss%E7%94%A8%E8%AA%9E%E4%B8%80%E8%A6%A7

こちらも本来であれば存在しないはずの知識を特別に持ち込むから「チート」と呼ばれるものである。チートシート=カンニングペーパーに近い用法である。

いずれも「自分だけ特別に能力を高めている≒自分だけズルをしている」という認識があるからこその「チート」なのである。むしろ本来の「チート」の意味に近いとさえ言えるのではなかろうか。

二次創作SSの総本山Arcadiaを検索してみるかぎり、こういった二次創作における「チート」表記は2009年ごろから流行りはじめたようである。さらに、「小説家になろう」の作品が大々的に書籍化され、衆目にさらされるようになったのは2011年ごろからとなる。であれば2008年ごろから広まったチート比喩用法を「なろう」のせいにするのはお門違いであろう。

ちなみに、「チートの誤用はSAOのせいじゃね?」という声もあるが、SAOの書籍化は2009年、アニメ化は2012年であり、やはり時系列的にはかなり遅い。またSAO内では「チーター」は蔑称であり、褒め言葉としては使われていないという点でも、SAOのせいにはできないだろう。


以上から「チートがなろう系のせいで誤用されている」といった認識は誤解であると言いたい。「チートを褒め言葉として使う」のは誤用とは言いがたいし、百歩譲って誤用だとしても、そういった用法を最初に使いはじめたのはゲーマーたちなのである。

変な八つ当たりはやめよう!

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少年向けラノベっぽいライト文芸を見かけると「なぜラノベで出さないのか」と言い、ライト文芸っぽい少年向けラノベを見かけると「なぜライト文芸で出さないのか」と言うbotです。違います。
ハヤカワや講談社ノベルス、あるいはメディアワークス文庫のようなライト文芸といわれる方面に強いアカウントで、秋野さんが「ラノベクラスタ」の話題を拾う人なら、nyapoonaさんは「ラノベクラスタの外縁」の話題を拾ってくださるようなイメージです。
観測範囲の狭さに悩んでいる人にオススメです。
ただし特撮とかハイローとかアメコミとかバーフバリとかそういう話題も多いので、純粋にラノベの話題だけ知りたい方は注意してください。

某書店のラノベ担当さん&関東隅のラノベ担当さん

https://twitter.com/honyasannohito
https://twitter.com/linove_sell
ラノベ担当の書店員として名を知られたお二方です。
書店員という立場からラノベをどう売り伸ばしていくかを常に考えておられる。
好きなラノベを熱くオススメしてくださいます。
誠実かつ積極的に活動されている印象です。

本山らのさん

https://twitter.com/Motoyama_Rano
5月10日から活動を開始されたラノベクラスタ待望のラノベバーチャルYouTuberです。
一同、初孫ができたように大喜びしております。
いちおうラノベ系Vtuberは他にもいるんですが、らのさんは最も精力的に活動されており、今後のブレイク間違いなし。
いまのうちにフォローしておけば、のちのち自慢できるかもしれません。
完全個人での運営で、紹介するラノベもかなりガチめ。
これからの活躍が楽しみです。
YouTubeのチャンネルはこちら。
Rano Ch.本山らのチャンネル - YouTube

ラノベ天狗さん

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Twitterの闇を抉り出す暗黒の使者。
もといラノベについて雑なことを言ってる人を探し出してRTしていく妖怪です。
天狗さんをフォローすればあなたのTLに糞みたいなラノベ批判が溢れるようになるでしょう。
あなたがまだ純真な人間であればフォローしてはいけませんが、十分にネット擦れしているならフォローしてみるのも一興だと思います。
天狗さん自身も決して正義のヒーローといった感じの人ではないのでご注意を。
まあ、いろいろなツイートを見ていると「自分も発言には気をつけよう」と思えるようにはなります。


ここから編集者のターン。
個人的には作家さんをたくさんフォローすると収拾がつかなくなるので、レーベル公式や編集さんをフォローするほうが好きですね。
レーベル公式は検索すれば探せると思うので編集さんのほうを紹介してみます。

電撃文庫土屋さん

https://twitter.com/t_tsuchiya_PR
電撃文庫では「SAO」や「86」などの担当だそうです。イケイケですね。
作品のPRも含めて、Twitterを積極的に活用されている編集さん、という印象です。

講談社ラノベ文庫シゲタさん

https://twitter.com/shigetayuu
最近、質問箱を使って読者からの質問に積極的に回答されている編集さん。
わりと率直で飾らない回答が多くて好感が持てます。だが会社から怒られたりしないのだろうか。

講談社ラノベ文庫庄司さん

https://twitter.com/ss_editor
講談社ラノベ文庫といえば忘れてはいけない名物編集者。人呼んでラノベ王子。
ええと…とにかく強烈なキャラクターの持ち主です。

GA文庫サトさん

https://twitter.com/GA_SATO
GA文庫は編集者が全員個別にTwitterアカウントを持っており、精力的に宣伝ツイートをしながらも、ときどき業界の裏話もしてくれます。
サトさんは最近だと「ゴブリンスレイヤー」などの担当で知られており、ラノベ界を代表する編集者のひとりと言ってよいでしょう。

HJ文庫あしがらさん

https://twitter.com/HJ_Ashigara
HJ文庫の名物編集者さん。
サトさんと同じく、ときどき業界について語ってくださいます。
「あしがら‐METAL」のスクリーンネームどおりヘヴィメタルの話題も多いです。

インフィニット・デンドログラム公式さん

https://twitter.com/dendro_hj
特定作品の公式アカウントとは思えないフリーダムさを見せる編集さん。
もはやデンドロとは関係のない話題のほうが多いですが…新刊発売時に見せるデンドロ愛は熱いです。


こんなところでしょうか。
あとは紹介した方々のフォローをさらに辿っていったりしてみてください。
ラノベクラスタなんて狭いもんですからね…TLを眺めているうちにだいたい目立ったアカウントは覚えちまいますよ、へっへっへ。
それでは楽しいラノベTwitterライフを!

時代はいま「サブタイトル付きラノベタイトル」なのか!?

長文タイトルだ!

いや当て字タイトルだ!

異世界タイトルだ!

君僕タイトルだ!

あやかしタイトルだ!

と盛り上がってきたラノベタイトルに新たなトレンドが!

というわけで「サブタイトル付き」、最近多くないですか?

サブタイトルというと、昔は『C3 -シーキューブ-』『SH@PPLE -しゃっぷる-』『H+P -ひめぱら-』のような読み仮名系や、『キノの旅 -the Beautiful World-』『空とタマ -Autumn Sky, Spring Fly-』『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or A Bullet』のように英題系などは散見されましたが、近年のサブタイトルはそれらとは異なる傾向にあるように思います。

  • 無職転生異世界行ったら本気だす~
  • 本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~
  • 転生賢者の異世界ライフ ~第二の職業を得て、世界最強になりました~
  • 英雄の隠し子の英雄譚 ~村人の俺に最強スキルが継承された~
  • 回復術士のやり直し ~即死魔法とスキルコピーの超越ヒール~
  • 転生者殺し ~チートを奪うチート能力で悠々自適な異世界生活!?~
  • 田中 ~年齢イコール彼女いない歴の魔法使い~
  • 異世界テニス無双 テニスプレイヤーとかいう謎の男がちょっと強すぎるんですけど!
  • ゼロの大賢者 ~若返った最強賢者は正体を隠して成り上がる~

新刊リストから適当に拾ってみました。各巻ごとの副題じゃないですよ。作品タイトルにサブタイトルがついているんです。

ラインナップから見るに、基本的には「なろう系の長文タイトル」の派生だと思われます。メインタイトルが短めでサブタイトルが長め。短いのと長いのの良いとこどりをする狙いでしょうか。

ちなみに、長文タイトルの流行には「ラノベ由来の長文タイトル」と「なろう由来の長文タイトル」の二種類があり、それぞれ流行時期もズレていると思っているのですが、そこを語ると長くなるので割愛させていただきます。

現状ではまだまだ長文タイトルの勢力が強いラノベタイトル界。サブタイトルはこのままプチブームで終わるのか、それとも一気に主流となるのか、これからもラノベタイトルから目が離せませんよ!

ラノベサイト昔語り

‪まず個人サイト期。ブログ以前から個人サイトを持っていた人たち。特に、まいじゃー推進委員会の極楽トンボさん、ニュースサイト・モノグラフの草三井さん、いまでも「好きラノ」主催してるいちせさん、ぎをらむさん、白翁さん、安眠練炭さんなど、いわゆる「ラノベサイト御三家」(誰が三家かは諸説あり)の人たち。オフでも交流があり、ライトノベルファンパーティーとかの企画も立てていた、ウェブ黎明期のバイタリティある方々という感じ。長老。重鎮。‬

‪ブログブーム期。平和さん、でるたさん、舞風のゐんどさん、うーぱーさん、愛咲さん、REVさん、megyumiさん、hatikadukiさん、ラノベの杜のMatsu兄さん、それとmizunotori、まあ挙げるときりがない。どの時期から活動してたかとか具体的にチェックしてないんで、思ったより昔からサイトやってたんだという人もいるかもしれない。折からのラノベ本ブーム、その後のハルヒブームもあり、盛んにブログを更新しつつ、クネクネと馴れ合って、「ライトノベルサイト管理人連合」などと揶揄され、それが自称としても定着した。「ラ管連」である。

‪補足。はてなダイアリーがオタクに強かったので、なんとなくラノベブログもはてなが多かった。はてなのオタクブログって、エロゲ論壇からの流れで長文記事を投稿する評論系と、ファック文芸部あたりが代表格(ほんとにござるか?)の創作系、という漠然とした二極があり(と俺が勝手に思っており)、海燕さんとかsirouto2さんとかは評論寄りのイメージだし(いや創作もやってるけど)、sunagiさんとか魔王様(14歳)とかは創作寄りのイメージで(いや評論もやってるけど)、ラ管連をコアとするラノベ特化のブログ群からはやや離れていた印象。‬

Twitter期。ラノベに限らずオタクたちの活動の中心がTwitterに移行し、感想は読書メーターにアウトソースされ、いまさら新しくブログやろうだなんて物好きな奴だぜ気に入った、という感じの昨今。ラノベから離れた人も多いし、「ラ管連」は最早死語だ。とはいえ何だかんだで「物好き」は少なくなく、なんか今日もラノベ読みでオフ会やってるらしい。ラノベ作家や編集者のTwitterが当たり前になったのも大きな変化だ。いままで観測範囲外だった人々が可視化され、ネットで文章を書く行為は特別なことではなくなった。これもラノベに限らないけど、閉鎖的な「界隈」から、緩やかな繋がりと広がりを持つ「クラスタ」へと変化したのだろう。‬

追記。俺は昔からオフ会とかにも一切参加してない引きこもりだから、誰がいつごろからどういう活動しているとか、誰と誰が仲良いとか、ぜんぜん詳しくないからね。なにか間違いがあれば平和さんが訂正してくれる予定。というかさらに詳しいラノベサイト史を書いてくれることを期待。

「ゲームを題材にしたライトノベル」の分類

暗殺拳はチートに含まれますか? ~彼女と目指す最強ゲーマー~ (ファンタジア文庫)

暗殺拳はチートに含まれますか? ~彼女と目指す最強ゲーマー~ (ファンタジア文庫)

という作品を読んだわけです。おもしろかったです。一子相伝暗殺拳を学んだヒロインと一芸特化でプロゲーマーやってる主人公のボーイ・ミーツ・ガール。VR格ゲーで恋人同士が手に手を取り合って強敵に挑む青春ゲーマー小説です。

さて、ラノベは昔からゲームと親和性が高く、それを題材とした作品も数多いです。ましてや昨今は「VRMMORPGもの」が流行っていて、バーチャルリアリティで再現されたゲーム世界を舞台にした作品が急激に増加しています。そんなわけで、


と書いたんですが、これだとさすがにまとまらないのでもう少し大雑把に括ってみます。

現実世界を中心に話が進んでいくが、重要なアイテムとしてゲームが登場するタイプ。

ゲーマーズ!』や『僕と彼女のゲーム戦争』など。『ゲーマーズ!』は「ゲーマー」に注目しているぶんゲームそのものの描写は薄いですが、『ゲーム戦争』は各話ごとにプレイレポートのようにゲーム描写があります。『さくら荘』や『冴えカノ』のようなゲーム制作系の話もこの分類になるでしょうか。漫画で言うと『ゲームセンターあらし』とか『東京トイボックス』とか…。

[asin:4048705547:detail]

現実世界に軸足を置きつつも、ゲームのプレイ描写がメインとなっているタイプ。

スラムオンライン』『アクセルワールド』『ソードアート・オンライン』など。最初に紹介した『暗殺拳』もこのタイプです。ゲーム描写が見せ場を占めつつ、現実世界の描写もしっかりと行っている、という感じでしょうか。『.hack』みたいに、逆にゲームの中の出来事が現実に影響を与えたりする展開とか。VRであることが重要かというとそうでもなく、『スラムオンライン』はVRではなかったですし、『ソリッドファイター』や『俺より強いあの娘を殴りに行く』のようなゲーセン小説もここに含めていいんじゃないかと思います。でもそうすると『ゲーム戦争』とかけっこう境界線上なんだよなー微妙だなー。いちおう「単一の架空のゲームを題材にしているかどうか」で感覚的には区別できるんだけど。

[asin:4047308021:detail]

ゲーム世界を中心に話が進んでいくタイプ。

『インフィニット・デンドログラム』『オーバーロード』など。さらにその中で、『デンドロ』はゲーム世界が実体化していないパターン、『オバロ』はゲーム世界が実体化したパターンとなります。『クリス・クロス』なんかもこのタイプに入るのでしょうか。たとえば『デンドロ』は、特に実体化していないしログアウト不能でもないごく普通のVRMMORPGとして描かれているんですが、ログアウトしたあとの描写が極端に薄いんですよね。そういう作品は「小説家になろう」でも意外に多かったりするので特に『デンドロ』が特殊なわけでもないとは思いますが。

<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム- 1.可能性の始まり (HJ文庫)

-インフィニット・デンドログラム- 1.可能性の始まり (HJ文庫)

クリス・クロス―混沌の魔王 (電撃文庫 (0152))

クリス・クロス―混沌の魔王 (電撃文庫 (0152))


と、ここまで書いて「これってローファンタジー/ハイファンタジー(+往還型)と同じ構造じゃねえか…」と気付いたので、ここは「ローゲーム/ハイゲーム」でいいんじゃなかろうか。ファンタジーのほうを知っていれば初見でも意味が分かりそうだし。うん。

ここでこういう呼称を広めておけば、数十年後には「SAOのような高尚なVRMMORPG作品でなければハイゲーム小説とは名乗れない!」とか言って暴れる奴が出てくるかもしれないので楽しみにしていよう。

www.bookoffonline.co.jp