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ライトノベル2.0

を、考えてみよう。


一般的な小説、特に純文学の権力構造を考えると、

作者

読者

編集者

と、なっているように思われる。実際には読者と編集者の地位に差はないわけで、まさに作者絶対主義ともいえる体制になっている。
これは、一般的な小説が「作者の書きたい小説」であるからだ。作者が「んー、なんか書く気しねーなぁ」と言ったら、編集者は必死で作者のご機嫌を取らねばならない。
…実際、編集者の地位って、そこまで低いのかなぁ。
まあいいや。そういうイメージ、という話。


んで、ライトノベルの権力構造を考えるに、

読者

編集者

作家

と、なっているように思われる。
これはライトノベルがエンターテイメント小説であることに由来する。ライトノベルは「作家の書きたい小説」ではなく「読者が読みたい小説」であるのだから、自然、読者が最も強い権力を握るようになるのだ。
また、ライトノベルにおいては作家のエゴは抑えられねばならないが、その役割を編集者が担うため、編集者には作家よりも強い権力を与えられる。


ライトノベル2.0では、この権力構造が、

読者

作家

編集者

となるのではないか。


その要因は二つある。


まず、ネットの普及。
作者がやってるブログは編集者にチェックされてるらしいけど、それでも以前よりは作者が不満を発信しやすくなったことは確かだろう。例えば、先の清水文化の件でも、日記の文章は既に削除されているにもかかわらず、トラブルの内容は明るみに出てしまっている。それで絶対権力者である読者様が騒ぎ出すと、編集者にとっては都合の悪いことになってしまうのだ。


もう一つは、新規参入レーベルの増加。
これまでは、「不満があるならこのレーベルから出て行け」と編集者が言えば、作者は逆らうことが出来なかった。出て行ったところで、受け入れ先が限られていたからだ。ただでさえ、ライトノベル業界は角川グループの寡占状態だしな。
しかし、新たにいくつかのレーベルが参入して作家の需要が拡大したことで、レーベルの移籍先には困らなくなった。つまり、作者の方から「待遇を改善しないならこのレーベルから出ていくぞ」と言えるようになったわけだ。


よって、作者と編集者の立場が逆転する。
しかし、そうなると作者のエゴが過剰に露出してしまわないだろうか。無能な編集はいらないが、編集の仕事自体はライトノベルには必要不可欠である。編集者が作者を抑えられなくなったとき、ライトノベルもまた変質してしまう可能性がある。


どう考えても、はいはい考えすぎ考えすぎ、ですが。


まあ、そうならないための対抗策も考えてみよう。
…そうだ、編集者もブログとかやればいいんじゃね?


つーかよく考えたらこれ、ライトノベル業界2.0じゃねぇか!
俺の馬鹿、馬鹿!