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ライトノベルネタブログ

どこから来て、どこへ行くのか

http://d.hatena.ne.jp/kazenotori/20060403/1144004155の続き。
というか、↑のエントリを読み返していて思いついたこと。


「少女小説」への越境、「ファンタジー」への越境、「ゲーム」への越境は未だ存在しない、ということについて。


「少女小説」
少女向けのコンテンツというのは、男性は女性の方へ入りにくいが女性は男性の方へ出やすい、つまり「入りにくく出やすい」構造になっている。それは鎖国だ。そこから飛び出ている『マリみて』などは、いわば長崎の出島だ。少女小説の周囲には、明確な「境」がある。
「境」がある以上、「越境」も存在する。とはいえ、少女たちの中だけで完結している少女小説は、これからも少年向けライトノベルの方へ「越境」してくることはないだろう。少年側からの冒険者は増えるかもしれないけど。


「ファンタジー」
国産のファンタジーは、もはや児童文学とライトノベルしか残っていない。日本のファンタジーは、その衰退とともにライトノベルに吸収されてしまったのではないか。「境」の内側にあるから、「境」を「越」えることがないのではないか。
TRPGはシラネ。


「ゲーム」
ゲームライターがライトノベルに入ることはあっても、ライトノベル作家がゲームライターに転身することは少ない。少女小説とは逆で、「入りやすく出にくい」構造となっている。これは「ゲームよりライトノベルの方が儲かるから」なのだろうか。実際のところどうなのかは知らないけど。
ライトノベルとゲームは「オタク」的な観点で同類とみなせるのではないか。ライトノベルのアニメ化やコミック化が「越境」とは呼ばれないように、ライトノベルとゲームの間にも「境」がない。


「一般文芸」は言うに及ばず、では「ミステリ」や「SF」はどうか。
たしかにライトノベルの中にはミステリ色やSF色の強いものがあるが、それはあくまで「借り物」であるような印象がある。
それはおそらく、ミステリやSFは遥か昔から完成されているからではないだろうかファンタジーのように衰退さえしなければ、彼らはライトノベルとは別の独立した勢力を保てる。まあ、SFあたりはポックリいってしまいそうな状況らしいけどさ。
ともあれ、独立を保つ「ミステリ」や「SF」とライトノベルのあいだには「境」が出来て、だから「越境」も可能になる。


要するに、ライトノベルは(「少女小説」)「ファンタジー」「ゲーム」から来て、「ミステリ」「SF」「一般文芸」へ行こうとしているのではないだろうか、ということだ。