WINDBIRD::ライトノベルブログ

ライトノベルブログ

饒舌な小説は壮絶

http://d.hatena.ne.jp/kazenotori/20060526/1148570661
http://d.hatena.ne.jp/kazenotori/20060527/1148660175
http://d.hatena.ne.jp/kazenotori/20060528/1148746304
http://d.hatena.ne.jp/kazenotori/20060529/1148865679
http://d.hatena.ne.jp/kazenotori/20060530/1148953073
の続きみたいなエントリ。
今回はちょっと方向性を変えて文体の話。


敢えて言う必要はないと思いますがいちおう断っておくと、俺は作家でも作家に近い人間でもないので、あんまりまともに受け取っちゃダメですよ。自分の納得できる部分だけをちゃんと選び取ってくださいね。


さて。


小説にはどうしても「読み飛ばし」の問題が付きまとうものです。斜め読みとまではいかなくても、こう何文字か読み飛ばしたり、一行くらいスキップしちゃったりするわけですね。俺もよく飛ばしますし。で、読者がそうやって読み飛ばすと、作者にとってはなんか嫌な感じですよね。そういう「読み飛ばし」を防ぐ方法を、いくつか挙げてみる。

  • ストレートに強調

どうしても読んでもらいたい部分に、たとえば傍点をつけるとか、「――」を挿入するとか、そこだけ改行するとか、文字を大きくするとか、見開きで二文字だけ大写しとか、そういうことをするわけですね。傍点をつけるのが趣味のようなラノベ作家もいますけど、そういうの、個人的には大好きです。

  • 回りくどく強調

具体的にどうすればいいのかわかりませんが、なんかいろいろな技巧とかを駆使して強調したい部分を強調しているんだと思います、たぶん。単純なところでいえば、強調したい語句を文頭に持ってきたり、倒置法で文末にもってきたりすると、ある程度は強調できますね。

  • 切り詰める

無駄な部分を全部省いちまえばいいんじゃーん。とばかりに、一文の文字数を減らしていく。それに改行を組み合わせれば効果的。当然、ページの下は真っ白ですよ。

  • 還元濃縮

切り詰めるのとは逆のパターン。やたらと濃密な文章を書いて、一文でも読み飛ばしたら意味が分からなくなるようにする。読む方は疲れるだろうなー。

  • 一文だけ表示

というのはゲームのやりかた。画面上には一文(というか数文)しか表示されないので、どうやったってその一文を読まざるを得なくなる。結果、読み飛ばしが減る。俺はこれを凄いと思っていて、たまにブログとかに「凄いよね!」って書くんですが、あんまり賛同を得たことは無いです。「いちいちクリックするのめんどいじゃん」とか言われたことはありますが。これ使えば電子書籍とかも読みやすくなると思うんだけどなぁ。…賛同してください。

  • 文体自体が面白い

というのが谷川流の場合。ふう、やっと本題に入ったな。


つまりですね、その言い回しや表現自体が面白かったならば、読者はそれを読み逃さないようにしようと思うわけですよ。美味しい料理ができないなら盛り付けを派手にする……みたいな感じ? いや、もちろん『ハルヒ』は味も良いわけですけどね。この点において、谷川流の文体は非常に面白い。俺はもう奇妙な比喩とかを読むだけでエクスタシーを感じるのですよこの変態め。


…本題短い。


まあ、真剣に文体について知りたいなら↓のエントリが良いですよ。
http://ameblo.jp/amebabooks-book/entry-10012565447.html


いまのライトノベル作家で、「文体を獲得している」作家はいるんでしょうか。読者である俺には文体のある・なしなんて全くわからないんですが、偉い作家先生ならそういうのもわかるんでしょうね。…ってちょっと皮肉っぽいな。要するに、ジャンクフードばっかり食べてると日本食の淡い味付けがわからなくなる、ってことなのかな?