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WINDBIRD

ライトノベルネタブログ

『熱血感想ライトノベラー』への投稿

book ライトノベル

というわけで自分の分。
あとから追加していくかも。

All You Need Is Kill (集英社スーパーダッシュ文庫)/桜坂洋

All You Need Is Kill (集英社スーパーダッシュ文庫)
謎の生物と人類の大戦争が起こっているという近未来が舞台であり、そういった部分は非常にライトノベル的です。主人公はふとしたことから戦場の数日間を何度もタイムループすることになり、同じ一日を何度も繰り返すことで、そのあいだに兵士としての経験を積み重ねていきます。また「戦場の牝犬」と呼ばれる戦闘の天才と出会い、彼女と魅かれあいます。そして、何百回目かのタイムループの後、ついに円環から抜け出すことになるのですが……。何度も何度も「やり直し」を重ねたからこそ、たった一つだけの結末の切なさと、その余韻を残すことに成功している作品です。こちらも一冊で完結しています。

きみとぼくの壊れた世界 (講談社ノベルス)/西尾維新

きみとぼくの壊れた世界 (講談社ノベルス)
ライトノベル的なミステリ。饒舌な文体や個性的なキャラクターが特徴的な作品です。メタ的な視点を意識して書かれており、「ミステリの入門書」「セカイ系と呼ばれることへの回答」などといったテーマが織り込まれています。そのため、途中ではミステリの解説に終始するなど、退屈な部分があるかもしれません。しかし要所要所での圧倒的な急展開は、退屈を吹き飛ばすに十分な衝撃を与えてくれると思います。読み込むほどに細部まで作者の意識が行き届いた作品だということがわかる傑作です。一冊で完結しています。

狼と香辛料 (電撃文庫)狼と香辛料〈2〉 (電撃文庫)/支倉凍砂

狼と香辛料 (電撃文庫)狼と香辛料〈2〉 (電撃文庫)
ライトノベルでは珍しい「経済」を扱った作品で、主人公の若い行商人と狼の化身であるヒロインの二人が共に旅をする話です。このヒロインが非常に魅力的で、花魁言葉(に似た変な口調)を操りながら老獪な知恵をめぐらせ、主人公や他の商人たちを手玉にとるのです。それでいて食い意地が張っており、蜂蜜漬けの桃を美味しそうに頬張る彼女の姿を容易に幻視できるほどです。それがまた可愛くて可愛くて。これほどキャラクターに惚れ込める作品はなかなかないと思います。いわゆるキャラクター小説を許容できるなら是非とも。これは2巻まで出ていて、以下続刊というやつです。

学校の階段 (ファミ通文庫)学校の階段2 (ファミ通文庫)/櫂末高彰

学校の階段 (ファミ通文庫)学校の階段2 (ファミ通文庫)
類まれなる青春小説です。なにせ主人公が所属するのが「階段部」であり、彼が情熱を燃やすのが「階段レース」なのですから。これは学校中の階段や廊下を走って回り、そのタイムを競うというもの。当然ながら通行人の顰蹙を買い、また生徒会からは目を付けられるのですが、「階段部」の部員たちは彼らなりの信念を持って階段を走り続けます。はじめは階段レースに否定的だった主人公も、やがてその面白さにのめりこむようになり、そして階段レースをやめさせようとする生徒会役員や教師たちと対決することになります。勝手に感情を爆発させる主人公は、たしかに自分勝手かもしれません。ですが、それこそ熱血、それこそ青春ですよ。非常に熱い物語です。こちらも2巻まで出ていて、以下続刊です。

ぼくと魔女式アポカリプス (電撃文庫)/水瀬葉月

ぼくと魔女式アポカリプス (電撃文庫)
ライトノベル的な要素をこれでもかと詰め込んだ作品です。これを読めばライトノベルを大好きになるかあるいは大嫌いになるか、二つに一つだろうというくらいに「濃ゆい」です。主人公は「日常」に飽きつつも「普通」に固執する高校生で、校舎裏に呼び出されて眼鏡っ子から告白されたかと思ったらいきなり死亡し、甦ったと思ったら美少女に変身できるようになっていて、眼鏡っ子は実は魔女で、天使がやってきて、そして他の魔法使いたちとバトルロイヤルをすることになって、妹が涎を飲ませてきて、幼馴染がドロップキックをかましてと、それっぽい要素がてんこ盛りです。そしてクライマックスでは急転直下の鬱展開に突入。これぞライトノベルの持つ最大の武器である「何でもあり」を体現した作品です。ある意味で一つの到達点であり、ライトノベルの究極と言っても過言ではないでしょう。これも一巻までしか出ていませんが、二巻はいつ出るんでしょうか…。

ユメ視る猫とカノジョの行方 (電撃文庫)/周防ツカサ


学園異能的な要素を含む青春小説です。漫画の『寄生獣』をご存知なら、あの作品から説教臭い部分を引いて、恋愛要素を詰め込んだような小説だと考えてください。ある日、謎の精神体が飼い猫と融合し、猫が美少女に変身してしまいます。しかも精神体の一部が主人公とも融合しているので、二人は一心同体、精神を共有する関係となります。と聞くとよくある萌え系ストーリーに思われるかもしれませんが、主人公が妙に達観した、悪く言えば斜に構えすぎた性格であるため、絶妙にシリアスな空気を漂わせることに成功しており、フィクションの甘さだけでなくリアルの痛切さをも見事に同居させた作品になっています。また、ヒロインのクールな性格も作者の得意とするところであり、まったく感情を伝えない声と表情で「私と恋愛をしてみないか」などと誘うのですから、もはや全てを超越した至高の領域に達していますよ。今年に入ってから読んだライトノベルで一番気に入っている作品です。まだ一巻しか出ていないのですが、二巻が出るのはいつになるやら…。