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知らない作品を知らないなりに評価してみる

http://d.hatena.ne.jp/hakuoh/20060912#p5

(前略)
結局のところウィンドバードさんの好みでまとめられてしまっていて、アンケートをやった意味がほとんどないように思う。
いやいや、企画起こして投票までやったのだから、そのあたりはもうちょっと公平にまとめてもらえないだろうか。知らない作品だってネットで調べればそれなりに感想だの書評だのは見つかるのだし、サイトの閲覧者だってそういうのを期待しているんじゃないかと思う。
まぁ、そうすると三つに収めるのは大変になってしまうだろうけど、でもやはり上位の作品の紹介をして欲しかったなぁ。知らない作品でも知らないなりに紹介してもらえると、たぶん面白い見方になっていいと思うのだが。
(後略)

というわけなので、知らない作品を知らないなりに評価して、それがいかに「三大奇書」に相応しくないかを語ってみたいと思います。*1


関連:ライトノベル三大奇書ついに決定! - WINDBIRD


ミッションスクール

投票所のコメントから引用。

「下痢のため一刻も早く排便したい……」なんて書き出しで始まる小説は、ラノベとかそういうジャンルを超越したレベルの寄書というしかない。

このコメントが印象的だったので、このまえ書店に行ったとき、この作品を数ページめくってみました。私が見た限りでは、たしかに書き出しは「下痢のため一刻も早く排便したい……」でしたし、途中のページでも排便ネタが見受けられました。無作為に選んだページに排便ネタが散見されたとなると、確率から考えれば、かなりのページに排便ネタが書かれていることになります。なるほど。推測するに、この作品は「排便」をテーマにした連作短編集なのでしょう。「排便」をテーマにした連作短編集……普通に面白そうじゃないですか。普通に面白い作品は「奇書」じゃないですよ。奇妙に面白い…というか、面白くないのに面白いのが「奇書」でしょう。あくまで私の中だけの定義ですけど。というわけで却下です。

ミッションスクール (ハヤカワ文庫JA)

ミッションスクール (ハヤカワ文庫JA)

食前絶後!!

amazonのカスタマーレビューから引用。

まずなんといっても本書の特色は調味魔導の斬新な設定にあります。
そして味についての描写、弁当の肉ソボロの味が「さっぱりとしたアスファルト味」って……アスファルトを食べたことのある人でなければ想像できないかもしれませんが、不味いソボロって文章で表現するならば本当にそんな味ですからね。なんとなく納得してしまいます。

…この人はアスファルトを食べたことがあるんでしょうか。うーむ。逆に言えば、そんな人でも納得するような味覚描写がされているということなのでしょう。推測するに、料理を食べることで魔法効果が発揮されるような設定なのでしょう。そして、その魔法的な料理に秘められた空前絶後の味覚が、見事にシャッキリポンと表現されているに違いありません。…残念ながら、それは「奇書」ではなく「奇食」です。というわけで却下です。

食前絶後!! (富士見ファンタジア文庫)

食前絶後!! (富士見ファンタジア文庫)

激突カンフーファイター

amazonのカスタマーレビューから引用。

まずストーリーがありません。キャラクターの描き込みも、まあ無いようなもんです。とにかくひたすらギャグの連続。

この作品に関しては冒頭の数ページを読んだことがあるのですが、たしかにひたすらギャグのオンパレードでした。きっとあのテンションが最後で続くのでしょう。ストーリーがなくギャグだけが存在するという構成は、かなり「奇書」に近いのではないかと思いますが、しかし『すごいよ!!マサルさん』『ギャグマンガ日和』を挙げるまでもなく、ギャグ漫画の世界ではそれが当たり前なんですよね。つまりこの作品の「奇」たる点はギャグ漫画をそのまま小説に持ち込んだことだけであり、それでは少し新鮮味に欠けるのではないでしょうか。というわけで却下です。

激突カンフーファイター (富士見ファンタジア文庫)

激突カンフーファイター (富士見ファンタジア文庫)

東京忍者

いまamazonで検索をかけたらシステムエラーが発生しました。

どういうことでしょう。まさか誰の目にも触れないように封印指定を受けているとでも言うのでしょうか。『東京忍者』にはドラッグ的な効果があって、あらすじを読むだけで、その人は異常なほどシャツをズボンの中に入れたくなってしまうのでしょうか。あまりにも危険すぎます。これでは「奇書」ではなく「危書」ですよ。というわけで却下です。



以上、投票で上位に入りながらも三大奇書に採用されなかった4作品の印象を書いてみました。


えーとこんなんじゃ怒られるかもしれないから、最後にちょこっと真面目に考えてみますと、上記の4作品からは「シュールなギャグ」の匂いを感じるんですね。でも、最初に私が挙げた『絶望系』と『ロクメンダイス、』からは「シュールなギャグ」の匂いはしませんよね。そこらへんで方向性が違うというか、統一感に欠けるなぁという感じがします。お粗末さまでした。

*1:いちおう断っておきますが、すべてネタなので真面目に読まないでくださいね。