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ライトノベル三大奇書の選考基準

このエントリに対する反応として、三大奇書の選考理由をいっちょ気合入れて書いてみっか、と思って書き始めたはよかったものの、途中で疲れて放置してたんだけど、極楽トンボさんにまで突っ込みを入れられるに至り、こりゃあやっぱり書いとこうと思ったので、眠いけど書いてみる。スーパー言い訳ターイム。


今回の選考基準は「異端で、怨念がこもっていて、完成度の高いライトノベル」です。


「異端」の説明は省きます。「怨念」というのは、感覚的な話なので説明が難しいですが、要するにオーラのようなものでしょうか。「完成度が高い」というのは、「小説として出来がいい」と言い換えていい(んだろうか?)。たとえば、ラリった脳から垂れ流される文字を適当に並べたら、そりゃ変なものが出来上がるに決まってるわけですよ。でも、そういうのはあまり「奇書」っぽく感じられません。きちんと体裁が整っていなければ。


そして上の3つの条件に「ライトノベル」というのを被せるわけです。どんなに変でも奇妙でも、ライトノベルから逸脱したら「ライトノベル三大奇書」ではありません。


たとえば『絶望系』は、徹底的にライトノベルを客観視していながら、それでいてちゃんとライトノベルであるところが、「ライトノベル三大奇書」に相応しいと思います。もちろん、『絶望系』以上に奇を衒い、もっともっとメタ的な小説だって、誰かが書こうと思えば書けるでしょう。けれどそれは、小説としてみればその完成度は低いはずですし、ライトノベルの領域からも逸脱しているでしょう。


陰陽師は式神を使わない』という変な作品がありますが、あの作品が変なのは、その内容が学研のひみつシリーズだからです。でも、学研のひみつシリーズは別に奇書ではありませんね。だから『陰陽師』も奇書ではありません。一方で、『絶望系』の内容はあくまでライトノベルであり、そして異端でもあります。


http://d.hatena.ne.jp/kazutokotohito/20060912#p1

確かに、一般的なライトノベルとは異質です。
展開の唐突さ、全編に流れる冷めた空気、どれも最近のライトノベルではあまり見かけないような気がします。
かといって、これが別のジャンルの小説か? と問われれば、否と答えるしかできなく。
未だ定義の定まらぬライトノベルなれど、これはやっぱりライトノベルとしか言いようのないものなのかなぁ、と。

おそらくミステリ三大奇書を念頭に置いたコメントなのでしょうけど、私はそのいずれも読んでいないので、それとは切り離して考えていただきたいです。「やっぱりライトノベル」だからこそ選んだ……ということにしておいてください。


http://maijar.org/?q=node/652

絶望系に関しては、奇書にふさわしい内容であると思いますが砂糖菓子は普通に傑作で、別にかわった作りになっているわけではなく、さすがにこれを三大奇書に入れるのはあまり適当ではないですね。ロクメンダイス、はふさわしいといえばすごくふさわしいですがうーむ。

『砂糖菓子』については、わりと異端であるし、かなり怨念がこもっているし、とても完成度が高いので、それほどおかしいチョイスではないと思っています。はてブのコメントだったか、「『推定少女』の方を推す」という声がありましたが、たしかに『推定少女』の方が奇妙な話であるものの、完成度からいえば『砂糖菓子』の方が断然高いと思っております。というか、『推定少女』には怨念がこもってません。感覚的な話ですけど。