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ケータイ向け電子書籍サイト『ちょく読み』でライトノベルを買ってみた


ケータイ向けのライトノベルというのが以前から気になっていたので、ついさっき一冊だけ買ってみました。そのときに気付いたこと・感じたことを、いくつか書いてみようかと。ケータイ向け電子書籍というものは初めて購入したので、何か見当違いのことを書く可能性もありますが、お気づきのことがあればコメント欄等で指摘していただけると嬉しいです。

良い点

とりあえず安いですね。ライトノベル一冊がだいたい300円です。リアル書店で今日買った某ラノベが620円でしたから半分以下ということになります。
また、ラインナップがちょっと良い。『三月、七日。』『ロクメンダイス、』といった少し前の話題作から、『ザンヤルマの剣士』『魔術士オーフェン』のような過去の名作、『HyperHybridOrganization』『Dクラッカーズ』などの渋いところまでが揃っていて驚きました。「ちょっと興味があるけど近所の書店じゃ手に入らないし…」というような作品を購入するのに最適なんじゃないかという気がします。
これらの作品を読むのに専用のビューワーが用意されているのですが、処理はそう遅くはないし(もちろんケータイの機種によって差があるでしょうけど)、ちゃんと「横書き/縦書きを切り替える」ことができたりして、サクサクと読むことが出来ました。表紙や口絵、あとがきまできちんと配信されているのも好ましいです。

悪い点

まず、「購入した作品を閲覧・再ダウンロードできるのは一年間だけ」です。まあ、一冊を読むのに一年もかけることはないでしょうが、ちょっと変な仕様だと思います。
それとドコモのケータイだと、「ビューワーを起動するたびに作品データを再ダウンロード」する仕様になっています。つまり、作品データをローカルに保存することができないのです。とりあえずパケホーダイは必須なので注意しましょう。auのケータイならローカルに保存することができるそうです。トラックバックやコメントなどでの指摘、ありがとうございました。
あとは「表紙・口絵・挿絵イメージの拡大表示」ができません。特に問題なのが口絵です。ライトノベルの口絵にはちょっとした短い文章や登場人物などが書かれていることが多いのですが、その文字を読み取ることができないのです。イラストも大きくして見たいし、なんとかしてもらいたいところです。
細かいところでは、「ルビを表示」すると字間と行間が開いてしまって、レイアウトが崩れてしまうのが残念です。知っての通り、ライトノベルというのは「重霊子殻獄瞋焔覇」と書いて「パー・イー・モーン」と読ませたりする作品が多いので、きちんとルビが表示されないのはちょっと問題でしょう。

よくわからない点

期間限定配信の書き下ろし作品とかあるんですか? ちょ、『鳥籠荘の今日も眠たい住人たち』の短編とかすげー読みたいんですけど。*1 長編でも「配信終了」になってるやつがあったり…。電子書籍に配信終了も糞もないだろうと思うんですけど、プレミアをつけて購入意欲を煽ろうって寸法ですか?

おまけ

現時点では「リアル書籍として出版したものを加工せずにそのまま配信している」という印象です。書式が携帯電話の狭いディスプレイに最適化されるといいのですが、改行の位置を変えるにしてもそれは作品に手を加えるということになりますし、現実的には難しいんでしょう。となると、やはり最初からケータイ向けに書き下ろすのが良いんでしょうか。まあ、「ケータイで本を読む」ということ自体は悪くないと思うので、これからの発展に期待です。


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*1:文庫に収録されるみたいです。良かった良かった。