「ラノベってファンタジー小説のことだよね?」と言う人がいまだにいるくらい、一昔前はライトノベル=ファンタジーという印象が強かったのではないかと思いますが*1、いまやライトノベルでは学園物や異能バトル物が主流となり、ファンタジー物は一時期の人気をすっかり失ってしまいました。最近の話題作を思い浮かべれば、『フルメタ』に『シャナ』に『ハルヒ』と、現代学園物がずらりと揃っていますしね。
ところが最近は、ファンタジー物の新作が多かったり、その新作が売り上げランキングの上位に入っていたり、また今月などは電撃文庫が3シリーズもの戦記物を送り出したりして、実はわりと勢いが出てきているんじゃないのかファンタジー、という感じがします。読者層が入れ替わって逆に新鮮になったのかどうなのか、来年あたりファンタジー物の復権があるのかもしれません。
というわけで最近のファンタジー物を紹介してみるの巻。
戦記ファンタジー
いまファンタジー系の中で最も勢いがあるのではないかと思われるジャンル。特に電撃文庫は『タザリア王国物語』『烙印の紋章』『ゆらゆらと揺れる海の彼方』など複数の戦記ファンタジーを抱えており、なんだか知らないけど妙に力を入れている印象。
- 作者: 杉原智則,3
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2008/05/10
- メディア: 文庫
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また、富士見ファンタジア文庫では『火の国、風の国物語』が、スニーカー文庫では『ミスマルカ興国物語』が、ともに準エース級の人気を獲得しています。
- 作者: 師走トオル,光崎瑠衣
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2007/10
- メディア: 文庫
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- 作者: 林トモアキ,ともぞ
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2008/02/01
- メディア: 文庫
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冒険ファンタジー
少し前までライトノベルの主流だったジャンル。特に富士見ファンタジア文庫からは『スレイヤーズ』『魔術士オーフェン』『エンジェル・ハウリング』『スクラップド・プリンセス』『伝説の勇者の伝説』など、数多くの冒険ファンタジー作品が輩出されてきました。ただ、さすがの富士見Fもいまではすっかり非ファンタジーに重心を移していて、冒険ファンタジー系は『伝説の勇者の伝説』に任せきりという感じも。
- 作者: 渡瀬草一郎,碧風羽
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2007/11
- メディア: 文庫
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学園ファンタジー
学園物+ファンタジーという黄金の組み合わせ。『ゼロの使い魔』を筆頭に、『黄昏色の詠使い』や、ちょっと雰囲気違うけど『鋼殻のレギオス』とか、けっこう人気作品が多いジャンル。
- 作者: 平坂読,じろう
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2008/07/23
- メディア: 文庫
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んで
ファンタジー作品のいちばんの問題点は「アニメ化されることが少ない」ということではないかな、と思います。最近のラノベ原作アニメの中でファンタジー物って『ゼロの使い魔』と『スレイヤーズ』くらいだし、なんかアニメ化しづらい空気になってるんじゃないかなぁ。
そういえば、『スレイヤーズ』が今頃になってアニメ化されたのは『伝説の勇者の伝説』アニメ化前の露払いなんじゃないかと勘ぐったりもしたんだけど、どうやら企画がポシャってしまったようで。いま猛烈にプッシュされてる同作者の新シリーズ『いつか天魔の黒ウサギ』は、どうやら学園異能系のようだし、やっぱりまだまだ異能バトル物が強いのだろうか。