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WINDBIRD

ライトノベルネタブログ

2012年ライトノベル個人的ベスト5

ベスト

今年はもう本当にぜんぜん読んでおらず、とてもじゃないですが10冊も選ぶことなどできないので、とりあえず5冊だけ挙げておきます。そのうち加筆するかもしれません。


追記:
2013/1/2 『丘ルトロジック4』追加しました。

1. 『サイハテの救世主 PAPER I : 破壊者』岩井恭平

沖縄に引っ越してきた自称天才「沙藤葉」と、地元の人々とのズレたやりとりがコミカルに描かれつつ、その裏で密やかに世界の危機が進行していくという話。葉の記憶はあまりにも曖昧で、真実は掴みどころがない。はたして彼は何者なのか。本当に天才なのか。そして「破壊者」とは誰なのか。『消閑の挑戦者』で描かれる「天才」、『ムシウタ』で描かれる「英雄」、あるいは『サマーウォーズ』の「田舎と家族」、それら全てを注ぎ込んだ、岩井恭平の集大成とも言える傑作。

2. 『丘ルトロジック4 風景男のデカダンス耳目口司

いよいよ世界征服にむけて動き出す丘研代表「沈丁花桜」と、それを止めようとする主人公「咲丘」たち。といっても、別に咲丘が正義に目覚めたとかではなく、単なる美学の違いでしかないのが丘ルトらしい。どちらも悪の首領なんだよなあ。咲丘と江西陀の喧嘩、丘研からの追放と反抗、引き起こされる大惨事、そして代表と咲丘の狂気に満ち満ちた対決、ラストに至るまで、すべてが完璧。すべてのキャラが見せ場を作り、それぞれの物語を見せてくれたという感じがします。最高でした。

3. 『俺はまだ恋に落ちていない4』高木幸一

シリーズ最終巻。初恋にひとまずの決着をつけて一息つき、そろそろ迫りつつある進路の決定に悩む中、今度は田所姉妹に財閥の御曹司とのお見合いが持ち上がる。主人公の「赤井公」はいかにしてお見合いを阻止するのか、という話。公は、優柔不断で押しに弱いが、決して怯懦ではない。好感が持てる主人公である。そして、嫉妬まみれ修羅場づくしなヒロインたちの魅力的なことと言ったら。会話をただ読んでいるだけでひたすらニヤニヤできる、素晴らしき青春ラブコメでした。

俺はまだ恋に落ちていない 4 (GA文庫)

俺はまだ恋に落ちていない 4 (GA文庫)

4. 『パラダイスレジデンス 1』野梨原花南 / 原作 藤島康介

藤島康介の漫画が原作ということで、実にアフタヌーン的な空気に満ち溢れた作品。舞台は山の上の古い女子寮。元気な新入生と、それを歓迎する先輩たちの、ちょっと特別な一日。優雅でも耽美でもない、たくましくも愛らしい少女たちの寮生活が描かれる。いいですよね、女子寮。

パラダイスレジデンス1 (講談社ラノベ文庫)

パラダイスレジデンス1 (講談社ラノベ文庫)

いま気付いたんですが普通に2011年発売ですねこれ。まあいいか。

5. 『ボンクラーズ、ドントクライ』大樹連司

自主制作の特撮映画を撮りたいと言うものの、技術がないので口だけになっている「カントク」と、その親友である主人公「肇」。そんな二人の前にあらわれた、見事な撮影技術を持った男装の少女「桐香」。最初から桐香と気の合った肇は、やがて彼女に想いを寄せるようになる。一方、喧嘩ばかりしていたカントクと桐香は、しかし映画の撮影を通して互いを意識しあっていく。これぞ理想的な三角関係。素晴らしい青春小説でした。

ボンクラーズ、ドントクライ (ガガガ文庫)

ボンクラーズ、ドントクライ (ガガガ文庫)

6. 『ボイス坂 〜あたし、たぶん声優向いてない〜』高遠るい

ニコ動に歌ってみたとか投稿してちょっと再生回数が伸びたからって調子に乗って声優を志したアニメ声優オタの「藤林沙絵」の一念発起と挫折の重苦しい展開が続いたあと、そこに容赦なく打ち込まれる漫画的フィクション的超展開、クマー! という話。漫画家自らのノベライズ、と言っても、そこは高遠るいですので、完成度は非常に高いですし、声オタ的にもディープなネタが盛りだくさん。面白かったです。