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ライトノベルのイラストは売上アップの特効薬ではない

昨日今日で話題になっている以下の騒動。

炎上作家、でした : 世界に愛を心には萌を
15分でわかった気になれる幾谷正氏の非公式宣伝活動と艦これ圧力の話 - Togetterまとめ

単純に言えば、作家がイラストレーターに販促を頼んだら断られた、という話なんですが、作家がものすごく精神的に追い詰められていて、それで事態が悪化・拡大してしまった、という印象を受けました。同情するけど擁護はできないという感じ。悲劇的ですね。


騒動の原因の一つとして「幾谷氏がイラストレーターに期待しすぎている」ということが挙げられると思います。

イラストレーターのファンが少しでも買ってくれたら」くらいの気持ちだったら分かるんですけど、ブログを読むかぎり、「有名イラストレーターでないとまったく勝機がない」というほどまで思い詰めていて、その考えを編集者やイラストレーターに押し付けてしまったようです。

ライトノベルはイラストがすべて」みたいな話はよく聞きますよね。ライトノベル板のデフォルト名無しさんは「イラストに騙された名無しさん」ですし、最近のラノベの表紙がどうだという話題もたびたび目にします。

幾谷氏がイラストレーターのネームバリューに頼るしかないと考えたのも、「ライトノベルはイラストがすべて」と言われていることが影響したのだろうか、と思うわけです。


ライトノベル読者からすれば、あんなものは単なるネタというか、大袈裟に言っているだけなんですよ。

そりゃあ、イラストに惹かれて本を手に取ることはありますよ。「いい表紙だな」と思えば作品への興味も湧きます。イラストが作品の重要な要素の一つであることは確かです。でも「イラストさえ良ければ内容は気にしない」とか「表紙がダメなら買わない」だなんて、そんなことはまったくありません。

「有名イラストレーターが表紙を描けば売れる」というのもよくある偏見で、有名なイラストレーター、上手いイラストレーターが担当していたって、ぜんぜん売れなかった作品はいくつもあります。

ラノベがアニメ化されると「ストーリーはつまらないけどイラストは好き」「イラストの力で売れただけだろ」などと揶揄する奴らが湧いてきますが、同じイラストレーターの別のラノベには見向きもしないんですよ、あいつら。「イラストが良いから」で売れるなら、あの作品だって、あの作品だって、あの作品だって、打ち切られずに済んだはずなのに…うごごご!


安易なラノベ叩きに対しては猛反論するラノベ読者ですが、この「ライトノベルはイラストがすべて」という言説については、あまり強くは反論されてこなかったように思います。それが今回のような事態につながったのなら不幸なことです。

というわけでここではっきりと告白しておきます。

ぶっちゃけそこまでイラストにこだわってません。