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ラノベ天狗 VS アリュージョニスト作者

(たぶん多くの人は全く興味がないと思いますが)おなじみラノベ天狗ことsrpglove氏と、カルト的な人気を誇るWeb小説「幻想再帰のアリュージョニスト」の作者homiya氏の世紀の一戦について、自分なりに論点を整理してみたいと思います。

経緯についてはこちら(srpgloveさん自身が書いているので細かい記述を鵜呑みにしないように)。

とりあえずの発端であるsrpgloveさんの発言について。

「アリュージョニストは気に食わない人間を無断で作中に登場させて揶揄するような作品である」という命題を分割すると

(1) homiyaさんにとってsrpgloveさんは気に食わない人間である
(2) 作中に登場した『天狗』とはsrpgloveさんのことである
(3) homiyaさんは『天狗』を揶揄的に描いている

の三点になります。

とりあえず(2)について、

  • 「天狗」といえばラノベ天狗=srpgloveさんが連想されるのは界隈では自明だった
  • ただしラノベ天狗をもじって(srpgloveさん以外を)「○○天狗」と呼ぶ用法は当時から存在していた
  • そのあたりの機微はhomiyaさんも把握していた

といった点はほぼ確実だと思っています。

それに対してアリュージョニスト読者が「srpgloveの自意識過剰だ」的な見当違いな批判をしてしまったことで、論点として(2)だけが先走ってしまったわけですけど、本来的には他二つの論点が重要なはずです。

(1)について、homiyaさんは最初に「srpgloveさんを中傷する意図はない」と明言しています。これはそうだろうと思います。homiyaさんはむしろsrpgloveさんに好意的な立場だろうという印象が個人的にもあります。こちらに関しては、なぜsrpgloveさんが「自分は気に食わない人間だと思われている」と思っているのかを聞いてみたいところであります。

(3)についても、

  • srpgloveさんに限定した記述ではない
  • 「○○天狗」的な行為そのもののパロディにすぎない

といったhomiyaさんの抗弁に嘘はないと思いますが、ただその箇所を書いているときにsrpgloveさんのことを意識はしていたでしょうし、「パロディ」という行為自体に揶揄や風刺のニュアンスが混じるものではあるので、「○○天狗のパロディ」に「○○天狗の代表格たるラノベ天狗」が不快感を抱くことは決して不当ではないと思います(この「不当ではない」は「まあ不快に思うこともあるだろう」「不快だという主張も理解はできる」というニュアンスです)。

以上からして、srpgloveさんが提起した(1)(2)(3)の論点については、イチャモンくさいけど一理はある、といったくらいのものであると思います。

あとはhomiyaさんの落ち度がどの程度のものかを見定めて、問題の解決を「要求」するというのが筋でしょう。

ところでsrpgloveさんは何の「要求」もしていません。

その凶暴性のわりに、srpgloveさんの殴り方はアウトボクシング的というか、レトリックを駆使して自身の正当性をアピールしつつ、ネチネチと迂遠な皮肉を連ねていくというものとなっています。

(1)(3)をあまり論点にせずにひたすら(2)の真偽に問題を絞っているのもそうですし、homiyaさんが「srpgloveさんに限定した記述ではない」と言ったのを「srpgloveさんをまったく意識していない」にすりかえているあたりも厄介ですね。

ともあれ、落としどころが用意されていないのですから、問答を重ねてもいたずらに問題が大きくなっていくだけです(というか大きくなってしまいました)。問題が大きくなってから、homiyaさんは落としどころを探っていたようですが、落としどころなんて無いので、単純に引き下がったほうが良かったと思います。とりあえずついさっき問題となった記述が修正されたようなのでなんとなく解決したように見えますが、srpgloveさんは納得していないようなので折に触れて蒸し返されていくのでしょう。

というわけで今回の件でいちばん悪かったのは「ラノベ天狗なんて知らねえよ!」という程度の認識しかないくせに迂闊に突っ込んでいって天狗の怒りに火をつけたアリュージョニスト読者だと思います。

追記。後日談です。

 大前提として、homiyaさんはラノベ天狗を昔から知っているし、魔王14歳さんあたりとのつながりから距離的にも近いというのがあって、だから「ラノベ天狗なんて知らねえよ!」という人とはまったく立場が違うんですよ。
 srpgloveさんと「ラノベ天狗を知らないアリュージョニスト読者」のあいだでは「作中の描写は本当にラノベ天狗と関係があるのか?」が論点になっている(これについては明確に「関係がある」が答えで「srpgloveさんの自意識過剰」というのは間違いです)。
 対して、srpgloveさんとhomiyaさんとのあいだでは「作中の描写はsrpgloveさん個人を揶揄しているのか?」が論点になっているんです。だからhomiyaさんは「特定個人を攻撃しているのではなくsrpgloveさんを含む全体の状況をネタにしたんです」と答えている。
 ここでsrpgloveさんは、ア読者とhomiyaさんをひと括りにして、homiyaさんの回答を「関係があるか?」問題のほうにズラした。つまり「homiyaさんが『自作とラノベ天狗は関係ない』って主張してる」というふうに捉えてしまった。だから拗れているのだと私は考えています。

いまのところこういう整理です。

星を目指せ!銀河を駆けろ!宇宙を舞台にしたSFラノベ5選!

なんだかんだ言って宇宙を舞台にしたラノベって少ないんですよねってことで直近五年くらいのオススメを五作品ほど挙げることで今後益々の発展を祈念していこうという記事です。

漂流英雄

宇宙漂流ボーイ・ミーツ・ガール・ラブコメディ! 戦闘中に遭難して敵軍の異性と二人きり、というある意味でロマンチックな状況で、しかもどっちの子もめちゃくちゃ優しくてずっとお互いのことを気遣っていて、惹かれ合う二人の気持ちが盛り上がっていくのは当然で……もう主役の二人がとにかく純朴で可愛らしいんですよ。なんだか90年代の夕方アニメっぽさを感じるんですよね。スカッと笑えて爽やかな気持ちになれる作品です。

無双航路

無双航路 1 転生して宇宙戦艦のAIになりました (レジェンドノベルス)

無双航路 1 転生して宇宙戦艦のAIになりました (レジェンドノベルス)

目覚めたら何故か遥か遠い未来の宇宙戦艦になっていて、しかもまさに戦争中でボロ負け中、なにがなんだか分からないまま敵の包囲網を脱出して撤退しなければならない…というプロローグから、さらに想像もつかない激動の展開を見せていくスペースオペラ。なお二巻くらいで既に「おまえ無双でも転生でも戦艦ですらないやんけ!」みたいな感じになります。もちろん超面白いので文句はありません。

ストライクフォール

人型機動兵器を用いて宇宙を駆け戦うスポーツ「ストライクフォール」。そのプロ選手を目指す少年が、ある出来事から実態以上の注目を集め、そのために敗北や挫折を味わいながらも、決して心が折れることなくひたむきに努力し成長していく、最高のスポ根ロボットラノベです。この全く想像からつくられた架空のスポーツの描写が本当に楽しいんですよ。まさにSFの醍醐味をあじわえる傑作ですね。

アウトロー×レイヴン

アウトロー×レイヴン (電撃文庫)

アウトロー×レイヴン (電撃文庫)

宇宙船をかっ飛ばして銀河を股にかけ、ビームブレードを振り回してお姫様をお助けする、伝説の賞金稼ぎとその弟子を描いたコッテコテの宇宙西部劇です。少年の成長を描いた冒険活劇として最初から最後まで王道を踏襲しているので、そういうのを期待している人には絶対的にオススメできます。そうでない方には『無双航路』をオススメしておきますね。

ドウルマスターズ

魔法科高校の劣等生』の佐島勤が描く本格的なロボットアクション。こちらの人型機動兵器は「超能力」の増幅器として扱われるため描写としてはスーパーロボット的なイメージですね。とはいえ世界設定としては『鉄血のオルフェンズ』のような感じ、主人公が入るのはエリート部隊であり、裏主人公とでも言うべきキャラがテロリストに属すあたりの対比が面白いところです。

「小説家になろう」の読者層は「10代20代が過半数」!

小説家になろう」読者にはオッサンが多い――という噂は、その意外性もあってかよく広まっているのですが(ググってみると「なろう系ラノベの読者層は30代~40代」や「異世界転生ものの読者層は40代の中年男性が殆ど」といったページが引っかかります)、反面、「なろう」運営が実際の利用者データを発表していることはあまり知られていません。

というわけで、こちらが2019年の数字です。

──ユーザーの年齢層や性別の割合はいかがでしょうか。

平井 ユーザー登録されている方々のデータしかないので、実際に利用されている層とは少々異なるかもしれませんが、割合としては男性が6割くらい。女性は確実なのが3割で性別を入力していない方が1割くらいです(※1)。

年齢層は20代が44パーセントで半分近く、10代が14パーセント、30代が24パーセントと、これでほぼ8割を占める計算になります。あとは40代が12パーセント、50代以上が6パーセントくらいでしょうか。

※1「小説家になろう」はユーザー登録とログインを行わなくても、アップされた作品を閲覧することができる。

「40代がほとんど」どころか20代が半数近く、10代と合わせると過半数を占めています。もちろん彼らがわざわざ人気作品を避けるとも考えづらいですから、いわゆる「異世界転生もの」は20代を中心に幅広い年齢層に人気があると言っていいでしょう。

「なろうは男性中心」なんてことを言う人もいますが、女性読者もかなり多いですね。「悪役令嬢もの」の人気を体感していれば言わずもがなというところですけど。

でも、実態にそぐわない噂がなぜ広まっているのでしょうか。

そもそも「なろうユーザー」と「書籍化されたなろう作品を買う人」と「なろう原作アニメのファン」はかなり傾向が違います。

たとえば中高生なら、無料で観られるアニメから入って、無料で読める原作のWeb小説を読んで、特に気に入った書籍だけを小遣いの範囲内で購入する、といった行動が自然だと思います。つまり若い読者は人気作品に集中するわけです。

逆に、アニメ化されてもいない新作を率先して購入するような層は、懐に余裕のある大学生以上が中心になるので、平均年齢は高めに出るでしょう。特にWeb小説は大判の単行本で出版されることが多く、それらは一冊1000円〜1500円くらいします。中学生や高校生が気軽に購入できる値段ではありません。

このような「新刊書籍を買っているのは大人が中心」という話が独り歩きして「なろう読者は実はオッサン」と面白おかしく語られているのだと思います。

ラノベに対する「もはや一般文芸だ」は褒め言葉なのか?


こちらの記事に対して、

ここまで典型的な「褒めてるつもりの雑語り」を久々に読んだ。

とコメントしたところ、某王女様らしき人に、
https://marshmallow-qa.com/system/images/f1eb09cc-1bdc-4325-92b8-75f3ba4cad70.png
と言われたのでぐだぐだと書きます。先に言い訳しておくとそんな明快に解答しているわけではありませんのでご了承ください。


まず「雑語り」というのはちょっと捉えどころのない言葉ですよね。「嘘」でも「偽」でも「誤」でもなく「雑」という形容ですから。まあ「当てはまる部分もあるが多くの補足が必要でそのまま採用するには問題がある言説」といったところでしょうか。

そのうえで当該記事について簡単にまとめてみましょう。

  • 私はあまりラノベを読まない
  • 昨今のラノベは萌えを前面に出したものだと思う
    • 主人公が異様にモテる
    • 魔法を使う強力な敵が出てくる
    • 装丁やタイトルのライトノベル
    • などの特徴を備えている
  • この作品は上記の特徴に当てはまらない
  • よってライトノベルらしくない
  • もはや一般文芸だ
  • と言えるくらい面白かった

この「ラノベらしくない」「もはや一般文芸だ」みたいな微妙な褒め方、ラノベ以外でもけっこう見かけますよね。「エロゲーとは思えないくらい面白い」とか「大人の鑑賞に堪えるアニメだ」とか。

そのジャンルに通暁している人が他作品との差異を細かく分析していくのならいいですが、往々にしてリンク先の記事のように「そのジャンルを知らないから細かい認識ができていないだけ」だったりするわけです。

ラノベとはこういうものだがこの作品は違う」。

本当に「ラノベとはそういうもの」なんですか?

本当に「その作品」だけが違うんですか?

もちろん「主人公が異様にモテる」とか「強力な敵が出てきて魔法を使う」といったイメージは全くの誤りではないですよ。とはいえ、そのイメージに当てはまらないからラノベではない、というのは明らかに言い過ぎですよね。

主人公がモテないラノベだって、魔法や異能が出てこないラノベだって、異世界転生しないラノベだって、タイトルが長くないラノベだって、いまでもたくさん出ていますし、それらが「ラノベと見なされない」なんてこともありません。

つまり「当てはまる部分もあるが多くの補足が必要でそのまま採用するには問題がある言説」だと思うわけです。

なんでしょうね。「ラノベじゃなかった!」ではなく「こんなラノベもあるんだ!」でいいと思うんですけど。

いっそ「そもそもハヤカワ文庫はラノベでしょ」みたいなところから始めたほうが面白くなったりして。

とりあえず去年書いたSFラノベのオススメ記事を貼っとくね!

「好きラノ 2019年上期」投票

lightnovel.jp

無双航路

無双航路 2 転生して宇宙戦艦のAIになりました (レジェンドノベルス)

無双航路 2 転生して宇宙戦艦のAIになりました (レジェンドノベルス)

【19上ラノベ投票/9784065136720】

やがてはるか空をつなぐ

やがてはるか空をつなぐ (ファミ通文庫)

やがてはるか空をつなぐ (ファミ通文庫)

【19上ラノベ投票/9784047354708】

ジャナ研の憂鬱な事件簿

ジャナ研の憂鬱な事件簿 (5) (ガガガ文庫)

ジャナ研の憂鬱な事件簿 (5) (ガガガ文庫)

【19上ラノベ投票/9784094517743】

世界の闇と戦う秘密結社が無いから作った(半ギレ)

世界の闇と戦う秘密結社が無いから作った(半ギレ) 1 (オーバーラップ文庫)

世界の闇と戦う秘密結社が無いから作った(半ギレ) 1 (オーバーラップ文庫)

【19上ラノベ投票/9784865544497】

僕は何度も生まれ変わる

僕は何度も生まれ変わる2 (角川スニーカー文庫)

僕は何度も生まれ変わる2 (角川スニーカー文庫)

【19上ラノベ投票/9784041065204】

絶対ナル孤独者

絶対ナル孤独者5 ―液化者 The Liquidizer― (電撃文庫)

絶対ナル孤独者5 ―液化者 The Liquidizer― (電撃文庫)

【19上ラノベ投票/9784049123821】

学園者!

学園者!: ~風紀委員と青春泥棒~ (ガガガ文庫)

学園者!: ~風紀委員と青春泥棒~ (ガガガ文庫)

【19上ラノベ投票/9784094517903】

前略、殺し屋カフェで働くことになりました。

【19上ラノベ投票/9784094517927】

スイレン・グラフティ

スイレン・グラフティ わたしとあの娘のナイショの同居 (電撃文庫)

スイレン・グラフティ わたしとあの娘のナイショの同居 (電撃文庫)

【19上ラノベ投票/9784049124590】

原始時代からその6000年後の現代までを描く大河ファンタジー『始まりの魔法使い』の打ち切り回避を祈る

『始まりの魔法使い』というライトノベルがあります。

異世界にドラゴンとして転生した男を主人公とするファンタジーです。

そう、ドラゴンです。ドラゴンなので長命です。ほとんど不老不死です。物語は数十年単位で進んでいきます。第一巻は主人公が生まれた年――竜歴0年から始まり、最新の第五巻では竜歴1350年まで来ています。もはや、とてつもない時間が経過しているように思えますが、シリーズ冒頭で示される「現代」は竜歴6050年の彼方にあるのです。なんとも驚くべきスケールではないですか。

主人公は、その長い長い歴史のなかで、さまざまなことを行います。人間たちと共に暮らします。学校を建てて教育を施します。世界の仕組みを研究し、新しい魔法を生み出します。人間以外の種族とも交流します。主人公の教え子たちはやがて主人公を超えるほどの能力を身に着けていきます。ときには恐ろしい敵を生み出してしまいます。戦います。結婚もします。そして愛する人間を失います。

石之宮カントは、そんな壮大な物語を、軽妙な筆致で描いていきます。

「面白そう」と少しでも思ってくれたなら、ぜひとも購入をよろしくお願いします。

始まりの魔法使い1 名前の時代 (ファンタジア文庫)

始まりの魔法使い1 名前の時代 (ファンタジア文庫)

さて、ところが、そんな『始まりの魔法使い』が打ち切られるらしいのです。

ちょっと、それはないんじゃないかと思うんですよ。

もちろん、ラノベ業界だって売上が厳しい昨今ですから、どんな作品がいつ打ち切りになってもおかしくはないと思います。これが他の作品だったら、どんなに面白くても、「またか」「しょうがないか」で済ませていたでしょう(いや済まさねえけど)。

しかし『始まりの魔法使い』ですよ。

あらかじめ定められた6000年分の物語ですよ。

それを途中でぶった切って終わらせちゃあいけないでしょう。

語弊を恐れずに言えば、これは「面白さ」の問題じゃないんですよ。この作品が「最後まで刊行してこそ意味のある物語」だということなんですよ。このコンセプトで途中下車は許されませんよ。というか、そんなの最初からわかってたはずじゃないですか。富士見ファンタジア文庫はその覚悟をもって書籍化したんじゃないんですか。ほんとがっかりだよ。

これで『ファイフステル・サーガ』まで打ち切ってたら絶対に許さなかったからな富士見

というわけで『始まりの魔法使い』、一冊でも多くの既刊が売れて、シリーズが再開されることを祈るものであります。


追記。

買いたくなるほどのアピールがまだ足りない。もっと推して - Fushiharaのコメント / はてなブックマーク

基本的にはコンセプトどおりの作品なんですよ。ただ主人公はけっこう間が抜けているので、人類を教え導くというよりは「一緒に成長していく」という印象が強いかなと思いますね。全体的にほのぼのとしているんですが、作中でほぼ唯一の「悪意を持った敵」は、『ガンバの冒険』のノロイを彷彿とさせてかなり怖いです。あとは、そうですね、推しになるか分かりませんが、この作品の章題はマジック:ザ・ギャザリングを意識したもので、フレーバーテキストまでついていて楽しいです。たとえばこんな感じです。

第12話 かくれんぼ / Hide and Seek
エルフに森で追われたとき、木の陰に隠れるっていうのはそんなに悪い手段じゃないよ。
全く意味のないその行為に何の意味があるのか、数秒くらいは考えてくれるさ。

第14話 度量衡 / Metrology
1メートルは、1秒の299792458分の1の時間に誘導呪物による通信魔術が伝わる行程の長さである。
――第22回国際度量衡総会決議1、竜歴5463年

第19話 穴 / Hole
良いことを教えてあげる。
あんたのその作戦とドーナツには、共通点があるわ。
――緑の魔女、ニーナ


面白さの問題じゃない、とか言われたら、さすがに読んでみようかなとは思わないな…。まあでもカクヨムで連載続くみたいですよ。 - yuatastのコメント / はてなブックマーク

語弊を恐れず書いたら語弊を招いたようですが、もちろん「そんなに面白くないよ」と言っているわけではなく、「面白いのは当然としてそれだけでなくこのコンセプトは最後まで刊行してこそじゃないか」と言っているのです。それと、作者に「続きを書いてくれ」とお願いしているのではなく、出版社に「続きを出してくれ」とワガママ(ワガママでしかないことは自覚しています…)を言っているのであって、Webで続きが読めるからいいという問題ではないんですよね…。

せっかくだし平成を代表するラノベを30作品ほど選んでみる

「なんか平成にちなんだこと書くか」と思うたびに思うんだけど平成って長すぎる。1990年代・2000年代・2010年代の三十年間をほぼ内包している。ライトノベル史の大半がこの三十年間に収まってしまう。「平成のベストラノベ」とかほとんどオールタイム・ベストじゃねえかって感じだし、「平成のラノベを振り返る」とか言ってもラノベ全史みたいなもんじゃねえかって感じだ。それでもなお振り返ろうとしても俺は90年代にはラノベに触れていなかったので伝聞でしか振り返れなかったりする。あとなんか90年代って昭和扱いされてる感があるよな。いや、ともかく、そういうわけで、1990年代・2000年代・2010年代のそれぞれでなるべく客観的にその年代を代表する10作品を選んで、合計して30作品。この方向性でいこうと思う。

1990年代

1989 無責任艦長タイラー
フォーチュン・クエスト
1990 スレイヤーズ
1991 ゴクドーくん漫遊記
1992 十二国記
1993
1994 魔術士オーフェン
1995 セイバーマリオネットJ
1996
1997
1998 ブギーポップは笑わない
マリア様がみてる
フルメタル・パニック!
1999

ラノベ史を語るのは目的じゃないので簡潔にまとめると、90年代の開幕を飾るは『スレイヤーズ』、前後して『フォーチュン・クエスト』『ゴクドーくん漫遊記』などのファンタジーの隆盛、やや遅れて『魔術士オーフェン』、90年代に猛威を振るったあかほりさとるも忘れずに、そして1998年の特異点っぷりがすごい、という感じ。

さらに、この中から特に三つ選ぶとしたら、やはり『スレイヤーズ』『オーフェン』『ブギーポップ』かな?

2000年代

2000 キノの旅
2001 イリヤの空、UFOの夏
2002 戯言シリーズ
2003 涼宮ハルヒの憂鬱
2004 とある魔術の禁書目録
ゼロの使い魔
2005
2006 図書館戦争
2007
2008 生徒会の一存
俺の妹がこんなに可愛いわけがない
2009 ソードアート・オンライン

ようやく俺の知ってる時代なので、ちょっと饒舌になるぜ。西尾維新は、知名度的には『化物語』なんだろうけど、ことラノベにおける影響力という点では『戯言』が飛び抜けてるでしょう。異能バトル系では『シャナ』も入れたかったけど、まあどちらかしか入れられないとしたら『禁書』で仕方ない。『ハルヒ』『シャナ』『ゼロ魔』が一時期のラノベの代表格だったんだなあ。で「越境」の象徴『図書館戦争』。『生徒会の一存』は萌え四コマ的な「日常系ラノベ」を作り上げたという点でもっと評価されるべき。『生存』を優先したので『はがない』は泣く泣く落選。『俺妹』はシーンの雰囲気をガラッと(いろいろな意味で)変えたということで、90年代における『ブギーポップ』みたいな立ち位置だと思う。

さらに、この中から特に三つ選ぶとしたら、やはり『ハルヒ』『禁書』『SAO』かな?

2010年代

2010 まおゆう魔王勇者
2011 魔法科高校の劣等生
ビブリア古書堂の事件手帖
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。
2012
2013 ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか
この素晴らしい世界に祝福を!
2014 転生したらスライムだった件
2015 りゅうおうのおしごと!
君の膵臓をたべたい
2016
2017 86 -エイティシックス-
2018
2019

「なろう系」と「ライト文芸」の時代っすよねー。『まおゆう』はSAOからなろう系の隆盛へとつながるなかで重要な立ち位置を占めていると思っているので入れてみた。なろう系の頂点『魔法科』とライト文芸の精華『ビブリア』が同年。Web発の人気作『ダンまち』『このすば』『転スラ』、さらに加えるなら『オバロ』『幼女戦記』『Reゼロ』『盾の勇者』あたりか。「なぜかこのラノでやたら強い枠」としての『俺ガイル』と『りゅうおう』。なろう出身でライト文芸として大ヒットした『君膵』は象徴的。2010年代後半はまだ評価が固まっていないと思うけど、次世代のホープ『86』は入れておきたい。

さらに、この中から特に三つ選ぶとしたら、…難しいな。なろう系から『魔法科』、ライト文芸から『ビブリア』、文庫ラノベから『俺ガイル』、って単なる2011年組じゃん。

まとめ

さらにさらに、この中から特に三つ選ぶとしたら?

スレイヤーズ』『ハルヒ』『SAO』

でいいんじゃないかと思うんだけど、どうだろう?

君も好きな作品を選んで、自分だけの平成ラノベデッキを作ろうぜ!

おまけ

ラノベ史ざっくり振り返りということではこちらのTogetterがオススメだよ。
togetter.com

最近のライトノベルは「共和国」をどう描いているか?

togetter.com
ここ数日、「共和国なのに王様が統治しているラノベがあって嘆かわしい」という話題が盛り上がっておりまして、「ラノベならさもありなん」とか、「考えなしに共和国って名前だけ使ってるんだろ」とか、あるいは「そもそもラノベに共和国とか出てこなくね?」とか、好き勝手に言われていましたので、最近のラノベで「共和国」がどのように描かれているか、というところを軽く紹介してみたいと思います。

『86 -エイティシックス-』のサンマグノリア共和国

86―エイティシックス― (電撃文庫)

86―エイティシックス― (電撃文庫)

ラノベ 共和国」でググったら真っ先に出てきました(2019年4月現在)。ラノベ業界において次世代のホープと見なされている人気作品でございます。

「サンマグノリア共和国」は第一巻の舞台となる国で、自由・平等・博愛・正義・高潔を旨とする誇り高き民主主義国家です。……が、作中ではそんな素晴らしい理念も見る影はなく、「人間以下の被差別民がパイロットだから実質的に無人兵器www」とか言って主人公たちを死地に追いやるクソ野郎どもとして描かれています。というと、いかにも「分かりやすい悪役」だと思われるかもしれませんが、全体としては「おまえらだってこんなクソ野郎になるかもしれないぞ」と読者にナイフを突きつけてくるような作品になっておりますので、ご安心ください。

もうひとつ、ちょっとしたネタバレになってしまいますが……『86』には「ギアーデ連邦」という共和国も登場します。こちらは「ギアーデ帝国」で革命が起きて生まれた国で、そのギアーデ帝国の「最後の皇帝」が密かに匿われていたりします。すなわち「共和国に皇帝がいる」ことになりますね。

天鏡のアルデラミン』のキオカ共和国

主人公たちの属する「カトヴァーナ帝国」が斜陽の大帝国として描かれるのに対して、その最大の敵である「キオカ共和国」は上り調子の新興国家として登場します。主人公は帝国の腐敗にほとほと嫌気がさしており、いずれキオカに滅ぼされることを予測していますが、その意に反してどんどん出世していき、帝国の元帥としてキオカと戦うことになっていくのです。とはいえ、キオカもけっこうキナ臭い感じに描かれており…やはり一方だけを単純に持ち上げるわけではありません。

主人公・イクタは「常怠の智将」、ライバルであるキオカの司令官・ジャンは「不眠の輝将」という、完全に銀英伝をパロった二つ名を持っていてギャグにしか見えないのですが、実のところ、この二人の名将のありかたが「権力を分散する共和制」と「名君に依存する君主制」の対比になっているんですよね。イクタとジャン、カトヴァーナとキオカ、「帝国」と「共和国」が激突するクライマックスは必見です。

幼女戦記』のフランソワ共和国

幼女戦記 (1) Deus lo vult

幼女戦記 (1) Deus lo vult

第一次・第二次大戦期のヨーロッパをモチーフとして、「帝国」とその周辺諸国の一大戦争を描く、異世界転生系架空戦記ファンタジーです。というわけで「フランソワ共和国」は完全に史実のフランスそのまま、国名や人名を変えただけ、というタイプの描かれ方ですね。ゆえに共和制を変に解釈しているということもないでしょう。

史実を下敷きにしていると言えば、冷戦時代の宇宙開発競争をモチーフに「吸血鬼の少女」という一摘みのフィクションを加えて描かれる『月とライカと吸血姫』の当初の舞台も共和国、すなわち「ツィルニトラ共和国連邦」でした。やはりソ連そのものなので、王様やお姫様は登場しません。「吸血姫」とありますが、本当の姫ではありませんし、神魔を狩ったりしませんし、十七分割されたりもしません。

『剣と炎のディアスフェルド』のアルキラン共和国

剣と炎のディアスフェルド (電撃文庫)

剣と炎のディアスフェルド (電撃文庫)

こちらの「アルキラン共和国」は、主人公たちの住む小王国群「ディアスフェルド」を侵略せんとする超大国です。主には共和政ローマがモチーフだと思いますが、ローマ帝国イスラム帝国モンゴル帝国といった歴代の巨大帝国の要素も混ぜ込まれており、なんとも独特な国家として描かれています。

まず、内政・軍事・外交のそれぞれの部門に、「三皇」と呼ばれる最高責任者がいます。「おっ、共和国の皇帝!?」と思いきや、彼らは選挙によって選ばれ、政策を執行するにも議会の承認を得ているようなので、古代ローマの執政官をアレンジしたような存在と言えるでしょうか。また、アルキランには「戦争で得られるものを労働で得てはいけない」という国是があり、そのため対外戦争を継続して領土拡大しなければ経済を維持できないという自転車操業状態に陥っています。特に森林資源の枯渇が深刻化しており、三皇のひとりが「そろそろ植林しない?」と提案するも、国是に反すると人気が落ちて選挙で負けちゃうし…ってな感じで、森深きディアスフェルドに侵攻せざるを得なくなるわけです。

「共和国」ながら独自の政体が描かれているパターンということで、他の作品に比べるとマイナーですけど紹介してみました。神話や伝説のエッセンスがぎゅうぎゅうに詰め込まれた、本当に面白い作品ですよ。

そもそも「王様が共和国を統治しているラノベ」って実在するの?

実は有力候補を見つけています。
ずばり『いちばんうしろの大魔王』です。

マリン
海の中にある共和国の国王の青年で皇帝の血を引いている。

いちばんうしろの大魔王 - Wikipedia

ちょっと記述がわかりづらいですが、「帝国」の皇帝の血を引きつつ、海中にある「共和国」の国王を務める青年、らしいです。私は実物を読んでいないので、もしかすると作中で何らかのエクスキューズが示されているかもしれません。情報募集です。

ちなみに、この作品は藤子不二雄作品のパロディが多く、「マリン」というキャラも藤子不二雄の『海の王子』がモチーフではないかと言われています。その『海の王子』では「海底王国」らしいので、それをあえて「共和国」に変えた意図というのは何かしらあるのかもしれません。

とはいえ

これだけ探しても「王様が共和国を統治しているラノベ」がほとんど見つからなかったことは事実なので、この話題の発端となった教授には「言うほどそんな作品ばかりじゃないから大丈夫ですよ」と申し上げたいところです。

続きを読む

エロゲが衰退したのはラノベのせいなのか?

ヨッピー:ちなみにこの辺が全盛期として、だんだん売り上げが下がってしんどくなって来るのってどれくらいからですか?

野嶋さん:うーん、2010年くらいからかな……。

ヨッピー:どういう要因で売れなくなるんですかね?

にゃるらさん:諸説あると思うんですが、「泣き」とか「物語」を求めるオタク層が、ライトノベルに流れたのが要因として大きいんじゃないかと思うんですよね。

「平成のエロゲ」を振り返ろう【令和にも伝えたい】 | オモコロ

ラノベがエロゲに取って代わった」――というエロゲ衰退ラノベ原因説。
けっこうあちこちで見かけるんですが、個人的にはちょっと疑問に思っているんですよね。

まずエロゲが衰退しはじめたのはいつごろでしょうか?
実は市場規模のピークは2002年だそうです。

アダルトゲーム:ユーザー人口増加も、不正利用の増加や、参入事業者及びコンテンツの減少等により、2002年をピークに市場規模縮小が続く。

矢野経済研、「オタク市場」に関する調査……4人に1人がオタク、2010年成長は「オンラインゲーム」 1枚目の写真・画像 | RBB TODAY

2003年ごろにCD-ROMからDVD-ROMへの移行があって大幅に減少。
2004年には『CLANNAD』『Fate/stay night』の発売があって多少戻しますが、そこからは漸減が続いているようです。
広くとっても2000年代前半が最盛期と考えていいのではないでしょうか。

一方で、ライトノベルのアニメ化が急増したのは2006年以降。
アニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』が大ヒットしたのも同じく2006年です。

ライトノベルのアニメ化作品一覧 - Wikipedia

2003年に6作品、2004年に3作品、2005年に8作品と推移していたのが、2006年には18作品まで膨れ上がります。
市場規模について言えば、何をラノベと見なすかで大きく変動して扱いづらいのですが、とりあえず最盛期は2010年代前半あたりになると思います。

エロゲ衰退ラノベ原因説を唱えている人って、「エロゲが衰退しはじめたのは2000年代後半」と思っているから、2000年代後半に流行したもの=ラノベをその原因として挙げているのだと思うのですが、「エロゲが衰退しはじめたのは2000年代前半」という前提を採用すると、その仮説は一気に怪しくなりませんか。

「エロゲライターからラノベ作家に転身した人が多い」というのも傍証とされていますけど、「エロゲ時代のファンを引っ張ってきて大成功!」みたいな事例って実はそれほど思い浮かばないんですよね。エロゲ時代にはあまり活躍していなかった人とか、逆にエロゲでは知られていたけどラノベでは売れなかった人とか、あるいは作風をエロゲ時代からガラリと変えている人も多くて、「ラノベさえ読んでいればエロゲに求めていたものを補給できる」という感じがしないというか。

ちなみに、エロゲ原作アニメが最も多かったのも2005〜2007年頃で、ラノベ原作アニメが増えはじめた時期と一致します。

エロゲが原作のアニメ作品の一覧とは (エロゲガゲンサクノアニメサクヒンノイチランとは) [単語記事] - ニコニコ大百科

ときどき「昔はラノベアニメよりエロゲアニメのほうが多かったのにな」と言っている人がいるのですが、数字の上では「エロゲアニメのほうが多かった」という時期は無さそうです。ただし、2000年代前半のラノベアニメはWOWOWで放送されることが多かったので、体感的にはエロゲアニメのほうが多いように感じられたのでしょう。

もちろん、テレビアニメ全体からすればエロゲ原作アニメもラノベ原作アニメもごく一部にすぎない、ということは言うまでもありません。

Category:2006年のテレビアニメ - Wikipedia

なぜラノベもエロゲも2006年にアニメ化が増えたのか?
それは深夜枠が定着してテレビアニメの本数自体が増加したからです。

年度別テレビアニメ・アニメ映画の本数 - 人生reject

つまりラノベブーム自体が、極論すれば「深夜アニメブーム」に内包されるわけで、「漫画も読むしラノベも読むしアニメも観るしエロゲもやる」というオタクの生態を前提とした上で、「エロゲだけが衰退した」ことの理由を考えるのであれば、ラノベよりもアニメの影響のほうがよほど大きいのではないかと思うのですが、どうなんでしょう。

エロゲの衰退理由、誰かガチで研究してくれ。


追記。
エロゲの衰退理由について各所の意見をまとめると、

  1. ラノベ・深夜アニメ・ソシャゲ(あるいはスマホゲー)など他のメディアに客を奪われた。
  2. ファイル共有ソフトなどにより海賊版が蔓延して購入者が減った。
  3. CDからDVDへの移行、スマホの普及、光学ドライブのつかないノートパソコンの普及など、周辺環境の変化によりプレイヤーが減った。
  4. エロゲの大長編化による制作コストとプレイコストの上昇。

といったあたりに整理できるかなと。たぶんこれらの複合的な理由なんでしょうけど。

まあエロゲ衰退の理由を解き明かすのは本記事の目的ではないので詳しい人に任せます。

角川系出版社の統廃合の年表(ラノベ中心)

右にスクロールできます。


角川書店富士見書房メディアワークスアスキーアスキーエンターブレインメディアファクトリー
前史1945年に設立される。1972年に角川書店の子会社として設立される。 1977年に設立される。
1986 リクルートの子会社としてリクルート出版が設立される。
1987「角川文庫・青帯」創刊。 ベストロン・ピクチャーズの子会社としてベストロン映画が設立される。
1988 富士見ファンタジア文庫」創刊。
1989青帯が「角川スニーカー文庫」に改名して独立創刊。
1990 アスキーの子会社に。
1991 角川書店へ吸収合併(事業部として存続)。 アスキーの子会社としてアストロアーツが設立される。 メディアファクトリーに社名変更。
1992スニーカー文庫から「角川ルビー文庫」が独立創刊。 角川書店から追放された角川歴彦によって設立される。
1993角川春樹逮捕。 電撃文庫」創刊。
角川歴彦角川書店へ復帰。
1994
1995
1996
1997
1998 ファミ通文庫」創刊。
1999
2000 富士見ミステリー文庫」創刊。 アスキーのエンタメ出版部門(含・ファミ通文庫)を引き継ぎエンターブレインに社名変更。
2001角川ビーンズ文庫」創刊。
2002 角川書店の子会社に。メディアリーヴスに社名変更。アスキーに社名変更。 MF文庫J」創刊。
2003角川ホールディングスに社名変更。
2004 角川HDの子会社に。
2005 再独立して角川HDの子会社に。
2006角川グループホールディングスに社名変更。 ビーズログ文庫」創刊。
2007
2008 アスキー・メディアワークスに社名変更。 メディアワークスへ吸収合併。
2009 メディアワークス文庫」創刊
2010 エンターブレインへ吸収合併。
2011 角川グループHDの子会社に。
2012
2013KADOKAWAに社名変更。KADOKAWAへ吸収合併。KADOKAWAへ吸収合併。 KADOKAWAへ吸収合併。MFブックス」創刊。
KADOKAWAへ吸収合併。
2014ドワンゴ経営統合
KADOKAWAKADOKAWA・DOWANGOの子会社に。
富士見L文庫」創刊。
富士見書房ノベルス」創刊。
2015KADOKAWA・DOWANGOがカドカワに社名変更。富士見書房ノベルスを「カドカワBOOKS」に改名して新創刊。
2016 「ノベルゼロ」創刊。
2017
2018
2019ドワンゴKADOKAWAの子会社に。

カドカワKADOKAWAの事業を吸収してKADOKAWAに社名変更。
KADOKAWAKADOKAWA Future Publishingに社名変更。

2013年のKADOKAWA大統合後、各出版社は「ブランドカンパニー(社内カンパニー)」として扱われ、2015年にブランドカンパニー制が廃止された後も、角川書店富士見書房・AMW・エンターブレインメディアファクトリーなどはブランドとして残り、各ラノベレーベルもそのままのかたちで現在まで存続している。ただし、カドカワBOOKSやノベルゼロなどの新しいレーベルは「KADOKAWA」ということを前面に出していて、実際にどこの部署が担当しているのか分かりづらくなっている。

あと省略したけど「角川書店」は、初代・角川書店→初代が「角川HD」に変わったあとに作られた二代目・角川書店→二代目が「角川グループパブリッシング」に変わったあとに作られた三代目・角川書店→三代目がKADOKAWAに吸収されたあとのブランドカンパニーとしての角川書店→ブランドカンパニー制廃止後の単なるブランドとしての角川書店(←いまここ)という感じらしいので、ご理解のほどよろしくお願いします。

2019年3月現在の組織構成をまとめるとこんな感じっぽい。

https://info.kadokawadwango.co.jp/corporate/group.html