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交響詩篇ユユサマセブン EPISODE01「ライトニング・ブラック・サン」

私立ライトノベル女学院――。
プリーツも乱れないはずの淑女の園に、いま、嵐が巻き起ころうとしていた。
「ゆゆこ様! 大変です!」
たらこスパ(二百グラム)を巻き巻きしていたゆゆこは、フォークの動きを止めた。生徒会長であるゆゆこは、その特権を生かし、ゆったりと昼食をとっているところだった。生徒会室は教師ですら手が出せないゆゆこの聖域だ。
そこに駆け込んできた女生徒は、ゆゆこのよく知った顔だった。極真空手初段の、肉体とともに精神もよく鍛えられた女傑だ。彼女をしてこうも慌てさせるとは、いったい何事だろう。
思わず、ゆゆこは目を細めて手乗りタイガー
「いったいどうしたというのだ?」
「こ、こんなものが投書箱に!」
差し出された白い紙切れを受け取り、ゆゆこはそれに目を通した。そこに書かれた内容は、きわめて簡潔なものだった。

これより鬱とグロをお届けに参ります。


――電撃の黒い太陽

ゆゆこは身震いした。
ついに、来るべき時がやって来たのだ。
「……有川浩壁井ユカコを呼べ」
「! 彼女たちを……?」
驚くのも無理はない。有川浩は図書委員でありながら常に戦場の気構えを忘れない戦士であり、壁井ユカコは神に死を宣告した背徳者である。両名とも、普通の人間の手に負えるような人種ではない。
けれど、ゆゆこは頷いた。
「そうだ。彼女たちの力が必要となろう」
「……わかりました、すぐに!」
女生徒が飛び出していくのを見送ってから、ゆゆこはゆっくりと息を吐いた。
「ついに動くか……全日本暗黒ライ斗ノベル連合……!」
その事実を噛み締めるように呟き――
ゆゆこは、再びたらこスパ(二百グラム)を巻き巻きし始めるのだった。
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全日本暗黒ライ斗ノベル連合襲来の余韻覚めやらぬ中、ひとりの転校生がやってくる。しがない"女性ライター"だという彼女の秘密とは……。
次回、「エッグプラント・マッシュルーム」。


つづかない。