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小説の中に広告を埋め込むことはできるのか?

小説版YouTubeはいつ現れる?

現在、『YouTube』の出現により、多くの映像コンテンツが無料で閲覧できる状況にある。本来はお金を出さないと見られない映像を閲覧できるYouTubeはまさに犯罪的革命的な存在だろう。
そしてYouTubeの出現は、映像コンテンツが正式に無料で提供される可能性があることをも示している。もちろん法律で無理やり抑制されるかもしれない。しかし、世の中が「コンテンツは無料」という方向に流れているのは確かだ。YouTubeの存在が認められれば、音楽版YouTube、ゲーム版YouTube、漫画版YouTubeの出現もありえないわけではない。あらゆるコンテンツが無料で提供されるようになるかもしれない…というのは楽観的に過ぎるだろうか。
一方、小説というのはおそらく最もデジタル化が難しいコンテンツであり、それだけに世の中の流れからは取り残されている。それは幸なのか不幸なのか。他のコンテンツが着々と新たな収益構造を作り上げているのに、小説だけはいつまでも旧来の構造にすがりついている…という情けないことになるかもしれない。Googleの動きなんかを見るに、いつまでぬるま湯に浸っていられるかも分からない。映像業界や音楽業界があたふたしているのを教訓として、いまのうちに出版業界はコンテンツ無料化について真剣に考えておくべきではないか。
…というのはまあ、実際のところどうでもいいんだけど。俺は出版業界の人間じゃないし。

小説に広告を埋め込む

というのは誰でも思いつくことだけど、実際にやるとなるとたぶん難しい。読者としてもあまり嬉しい気持ちにはならないんじゃないかと思う。ブログにたとえるならアフィリエイトを導入するようなものだ。どうしても本文に影響が出るだろう。そうすると表現の幅が狭まってしまうかもしれない。
たとえば作者or出版社が大塚製薬とスポンサー契約を交わしたとすると、

(前略)
それから俺は、夕日の見える土手の上で涙が出なくなるまで泣いていた。あまりにも涙を流しすぎたからかもしれない。俺の喉はカラカラだった。ちょうどポカリスエットを持っていた俺は、それを一口だけ飲み干した。ああ、いつの時代もポカリスエットの味は変わらない。俺の目には涸れたと思った涙が再び浮かんでいた。ポカリスエットは体液に組成が近いイオン飲料だから、身体に負担をかけることなくすばやく吸収されるのだ。すっきりとした爽やかな味に俺は癒された。それまでの暗い気持ちが洗い流された気分だった。気付けば俺は駆け出していた。俺の片手にはポカリスエット。どこまでも走っていける気がした。帰り道に新製品のイオンウォーターを買いにいこう。
(後略)

というような描写になるんじゃないか。…という危惧があるわけだ。

小説連動型広告

では、逆に考えてみてはどうだろう。スポンサーの都合で本文を書き換えるのではなく、あくまで本文にあわせて広告を選ぶのだ。
作者が「このキャラにポカリスエットを飲ませたいなぁ」と思ったなら、現状ではおそらく「スポーツ飲料」とか「スカリポエット」みたいな表記になるだろう。しかし、ここで大塚製薬とスポンサー契約をかわせば、堂々と「ポカリスエット」を出すことができるではないか。
こうすることにより、表現は狭まることなく、むしろ広がるのではないか。