「奇書」っていいですよね。響きがいい。「良書」とかだと優等生チックで嫌な感じ。「奇書」というと白衣で眼鏡のマッドサイエンティスト美少女を思い浮かべます。「奇書」というのは「あやしい書物」ではなく「世に稀なほど卓越した書物」という意味らしいですが*1、どう考えても現代日本では「世に稀なほど卓越してあやしい書物」という意味です。本当にありがとうございました。
というわけでライトノベル三大奇書というのを考えてみたいと思います。「奇書」の定義は上に書いたように「世に稀なほど卓越してあやしい書物」というやつ。モデルはミステリの三大奇書です。だって、ミステリには奇書があってラノベにはないってズルいじゃないですか。羨ましいというか、妬ましいです。
それで、こういうのは古い本にものすごいのがありそうなんですけど、残念ながら私はそれほど昔のライトノベルには手を出していないので、自分の貧弱なラノベ遍歴から選んでみたいと思います。…地雷リストじゃないですからね?
えっと、まずは『ロクメンダイス、』(著:中村九郎)。これは鉄板でしょう。ひとりの天才が好きなようにパソコンのキーを叩いて小説を書き上げたらこの作品になった、という感じですかね。異次元の文章センスです。ぶっ飛び具合では『黒白キューピッド』の方が上だけど、『ロクメンダイス、』の方が通りが良いのでとりあえず。
そして『絶望系 閉じられた世界』(著:谷川流)。これも鉄板。劇薬というより毒薬。読んだら死にたくなります。「ライトノベル」というシステムを徹底的にグロテスクな方向に突き詰めたらこの作品になった、と考えればいいでしょう。これもまた異次元ですね。『涼宮ハルヒ』シリーズと併せて読んだら面白いです。
で、残りの一つなんですが、これ!というのが思い浮かばないんですよね。『ホーンテッド!』や『陰陽師は式神は使わない』あたりもいいんですけど、あと一歩足りないように思います。『されど罪人は竜と踊る』も巻によって浮き沈みがあるし…。
というわけで皆さんのオススメのラノベ奇書を知りたいな。「こいつの存在を忘れてもらっちゃ困るな」とか「この作品なら『ロクメン』や『絶望系』なんてメじゃないぜ」とか「ラノベ創成期にはこのような暗黒の書もあったのだよフフフ…」といったようなご意見お待ちしております。
あ、投票所作りました。
ライトノベル三大奇書を選ぶための投票所
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