「最近は多くのライトノベルが学校図書館に置いてあって、それがライトノベルを読みはじめるきっかけになっている」…というようなエントリをどこかで読んだ。ブクマし忘れたのでどこで読んだかわからない。どっかの2ch紹介ブログだったと思うけど。ともあれ、俺も学校の図書館にはお世話になりっぱなしだったので、そこからライトノベルに入門する人が多いという話はよくわかる気がする。
ここから少々脱線。
「アニメ」を観るきっかけになるのはテレビだろう。夕方から夜にかけては、毎日どこかの局がアニメを流しているので、物心付くころから身近な存在だった、という人も多いのではないか。ただし、いまのアニメは深夜放送が中心になっているので、入門者は減少傾向にあるのかもしれないが。
「漫画」を読むきっかけを考えると、コンビニに置いてある週刊漫画誌の影響が大きいと思う。コンビニには子どもでも入れるし、簡単に立ち読みができる。デパートとかのショーウィンドーみたいな役割を果たしている。もちろんアニメを観て原作に興味を持つパターンも多いだろうし、ほかにも、兄弟が読んでいるのを借りたとか友だちに勧められたとか、いろいろなパターンが考えられる。漫画の入り口はとても広いと言えるだろう。
対して、「エロゲ」の入り口は非常に狭い。18禁だし、パソコンが必要だし、家族には秘密にしておきたいし、身近な場所では売っていない。しかし男というものは、「エロ」に対して抜群の嗅覚を示し、また「エロ」のためなら多少の障害も平気で乗り越えるという性質を持っている。そのため、エロゲという言葉自体は多くの人が知っているし、「できるならやりたい」と思っている人は多いんじゃないかと思う。つまり、入り口が狭くても、積極的に入ろうとする人が多いのだ。
そして「ライトノベル」である。ライトノベルの入り口は極狭なんじゃないか。電撃hpやドラマガはコンビニに置いてないし、書店でのラノベの取り扱いも、最近は多くなってきたとはいえ、やはり漫画に比べれば少ない。つーか、そもそも知名度がない。最近のアニメ化ラッシュが、唯一にして最大の入り口になってるんじゃないかとさえ思う。
で、ようやっと最初の話に戻る。ライトノベルの入り口として学校図書館が影響力を持っているという。だったら、巨費を投じてアニメを作るより、学校図書館での宣伝に力を入れたほうがいいんじゃないか、と思ったわけですよ。学校図書館には漫画は少ないから(あっても『はだしのゲン』くらいじゃね?)、そっちのほうに人を取られたりしない。まさしくライトノベルの独擅場である。折りしも活字離れなどと言われているし、学校側に「活字を読んでくれるなら、不本意だがライトノベルでも…」と思わせればいいんじゃないかな。んで、学校図書館に新刊を優先的に配本してみたり。そしたら生徒が手に取ってくれる。知名度も上がる。うっはうは。いや、実際のところどうなのか知らんけど。
さて。
おまけとして図書室向きのライトノベルを考えてみる。基本的にエロエロなものは避けて、健全な作品、いや健全に見える作品が良いだろう。だとすると、『キノの旅』はかなり向いていると思う。基本的には寓話調の話だし、表紙イラストからも不健全な匂いはしないので、お堅い教師でも受け入れやすいんじゃないだろうか。勢いで『学園キノ』まで置いてくれれば完璧。あとは、『吉永さん家のガーゴイル』も、心温まるホームコメディだと言えばすんなり通ると思われる。この二作品は図書室向きライトノベルの双璧なんじゃないかな。
「図書室向きのライトノベル」という話題に関しては、高校の英語教師にしてマキシマム ザ ホルモンをこよなく愛し、そして図書室にラノベを入れまくっているというid:seiitiさんの意見などを聞いてみたいのですが。…迷惑でしたら完全スルーしてください。(あ、トラバ欄がないのか。気付いてくださるかな。)
http://d.hatena.ne.jp/seiiti/20060411#p2
id:seiitiさんの高校で貸し出された図書の2005年度のランキング。参考になります。