注:ネタバレがあります。
ある作家の、その最も濃い部分がぎゅっと凝縮されたような作品が、不意にぽろっと産み落とされることがある。たとえば桜庭一樹の『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』や、谷川流の『絶望系』などがそうだろうか。いま最も勢いのあるラノベ作家の一人、十文字青にとって、この『ぷりるん。』がそうなるのかもしれない。正式タイトルは『ぷりるん。〜特殊相対性幸福論序説〜』。精神的性的不能者の主人公・ユラキくんが、どこかがおかしい少女たちから好意を寄せられ、セックスし、懊悩し、肉体的にも性的不能者になって、そして最後に幸福を掴むというストーリーだ。
- 作者: 十文字青,ま@や
- 出版社/メーカー: 一迅社
- 発売日: 2009/07/18
- メディア: 文庫
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書店で見かけてスルーした人は、もういちど手に取ってみて欲しい。誰にとっても面白いとはさすがに言えないけれど、とにかく凄い作品であることは間違いないから。