書店に行ったとき、漫画とラノベの装丁は何が違うのか、ということをよく考えます。
やっぱりラノベは白背景多いよなあとか、タイトルロゴが明朝体だとラノベっぽい気がするなあとか、キャラを避けるようにタイトルロゴが配置されてるとラノベっぽいなあとか(※個人の印象です)、いろいろと考えるのですが。
そんな中、漫画とライトノベルのいちばん分かりやすい差異が、「背表紙」です。
漫画の背表紙は本当に千差万別で、同じレーベルでもまったくデザインが違ったり、タイトルもロゴのまま表記されていたりします。ええと、いま手元に漫画が無いので写真を貼れないのですが、「漫画 背表紙」とかで画像検索していただきたいと思います。
一方でラノベはこんな感じ。
これがどうにも野暮ったい感じがするんですよね。レーベル毎にデザインは統一。タイトルはすべてゴシック体。レーベルに統一感を持たせる意義はあると思うんですけどね。MF文庫Jの緑色の背表紙なんかは売り場ですごく目立ちますし。
こちらのブログによると、
オタクブックス ライトノベルとコミック装丁 その1
一般的にライトノベルと聞いて思い浮かべるのは文庫本ですね。
ですが文庫本は一般の上製本と違い、デザインにかなりの制限がかかってしまいます。
(中略)
具体的にどのような制限があるかあげてみると、背のデザイン・使用する紙・予算などが挙げられます。
背のデザインはそれぞれの出版社のテンプレートが存在するので容易に変えられません。
とのことで。
ライトノベルの「文庫」という出自が背表紙フォーマットを生んでいるのでしょうか。出版業界的には、豪華な装丁は「ハードカバー」や「ソフトカバー」でやればよくて、「文庫」はあくまで廉価版に過ぎないですもんね。海外のペーパーバックよりかは、日本の文庫は豪華な作りをしている、とは聞きますけども。
とは言え、ライトノベルは最初から文庫で刊行されるものなので、そこはもっと豪華にしてもいいと思うんですよ。
なにより、「デザインのフォーマットを打ち破る」と言えば、ライトノベルには前例があるのです。富士見ファンタジア文庫などで見られた「表紙フォーマット」ですね。
富士見ファンタジア文庫表紙デザイン変遷の現時点でのまとめ - 後天性無気力症候群
そろそろ富士見ファンタジア文庫の白枠が無くなる気がする - 平和の温故知新@はてな
富士見ファンタジア文庫、正式にデザインリニューアル - 後天性無気力症候群
いまではどのレーベルも枠なし表紙が当たり前になっています。「それに背表紙フォーマットも続こうぜ!」と思うのですが、やはり難しいのでしょうか。予算の問題もあるでしょうし。
漫画の装丁について、上掲のブログから再び引用すると、
オタクブックス ライトノベルとコミック装丁 その2
そして、ライトノベルよりも歴史の長い「コミック」なんですが、デザインの面で大きく変化が現れたのは以外にも最近で、これは勝手な推測になってしまいますが、最近のオタク文化の市場拡大なども影響し、さまざまなコミック誌が新しく新創刊されていく中で多くのコミックが刺激受け合い、オタク業界の中でのデザインが見直されはじめているのかも知れません。
とのことで、歴史の浅いライトノベルはまだまだこれからなんでしょうか。背表紙に限らず、どんな新しいデザインが出てくるか、どんな変わった表紙が見られるか、ということを楽しみにしたいですね。
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