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ライトノベルが馬鹿にされがちな三つの理由

理由1「小説と漫画」

ライトノベルは、小説の中のサブカテゴリであると同時に、漫画・アニメ・ゲームなどと並ぶオタク向けコンテンツの一つでもあります。なので、ある時は小説の側から「低俗で幼稚な読み物である」と貶され、またある時は漫画の側から「バリエーションが少なくてつまらない」と叩かれてしまうのです。

低俗だ何だという批判の鬱陶しさについては、これまでさんざんそう言われてきた漫画の読者が、いちばんよく分かっていることと思います。

それに、考えてみてください。漫画より多様なコンテンツを抱えている業界なんて、他にどのくらいあるでしょうか。この市場規模で、バトルにファンタジーにラブコメに青春モノにSFにミステリに…各種取り揃えているラノベを、むしろ少しくらい褒めてあげても罰は当たらないと思いますよ。

理由2「ライト」

ラノベをあまり読まない人って、ライトノベルの「ライト」にこだわるんですよね。「ライトと称するからにはライトな作品が多いに違いない」。「作者もライトさを意識して作っているに違いない」。そして「ライト」という曖昧な言葉に様々な偏見が仮託されるわけです。

ほとんどのラノベ読者は「ラノベはライトでなければいけない」なんて考えていないと思います。だって普通に読んでいればいくらでも「ライト」でない作品に行き当たりますから。文字がみっちり詰まっているのも。鬱展開なのも。ページ数が多くて鈍器みたいなやつもね。

たとえて言えば、ライトノベルの「ライト」は、スマートフォンの「スマート」程度のもの、みたいな。「スマート」であることはスマホアイデンティティじゃないでしょ、という感じ。

まあ「ライト」という言葉にあまり惑わされないようにしていただければと思います。

理由3「規模感」

漫画原作アニメをいくつか観ただけで「最近の漫画は〜〜」と講釈を垂れる人はいませんよね。それは漫画全体の規模感を分かっているからです。

逆に言うと、ラノベ原作アニメをいくつか観ただけで「最近のラノベは〜〜」と言ってしまう人たちは、ライトノベルの規模感を過小に見積もっているのではないでしょうか。

ライトノベルは、月に150冊以上の新刊がコンスタントに刊行されつつも、その読者はかなり少ないです*1。そのくせ、「ライトノベル」の知名度だけが高まり、アニメなどを通して間接的にラノベに触れる人、そしてラノベに物申したい人が爆発的に増加している状況。

木を見て森を見ず、なんて言いますが、ラノベの森の中に踏み入って探索している人よりも、「アニメ」という小さな窓越しに森を眺めている人たちのほうが遥かに多い、つまり外から適当なことを言われやすい環境になっているのが、いまのライトノベルなのでしょう。なんてこったい。

追記。
アニメ化されてないけど評価の高いライトノベルを読んでみたいという人は「ライトノベルツイッター杯」や「好きなライトノベルを投票しよう!」などの結果を参考にしてね。
ライトノベル三大人気投票のランキング結果(2014年下半期) - 好きなら、言っちゃえ!! 告白しちゃえ!!

あとこっちもついでに。
2014年ライトノベル個人的ベスト10 - WINDBIRD

*1:まあ、少ないというのも漫画やゲームの側から見た話であり、出版不況に喘ぐ小説側からすれば稼ぎ頭のひとつなのですが