アニメ『千歳くんはラムネ瓶のなか』(以下『チラムネ』)がなかなかの苦境に陥っているようで、ラノベクラスタでも敵味方に分かれての泥仕合が盛り上がっております。
私は『チラムネ』を読んでいないし、アニメを観てもいないので、作品内容については触れません。ただ、Twitterなどで「これがこのラノ殿堂入り?」「なんでこのラノで1位を獲れたの?」みたいな声を見かけたので、そのあたりについて解説できればと思います。
『このラノ2021』において、『チラムネ』はWebランキングで6位、協力者ランキングで1位となり、総合ランキングで1位を獲得しました。
簡単に説明すると、「Webランキング」というのは誰でも回答できるWebアンケートに基づくもので「すでに人気がある作品」が上位に来ることが多いです。一方の「協力者ランキング」は選ばれたラノベマニアからのアンケートに基づくもので「まだ人気のない作品」が上位に来ることが多いです。そして「Webランキング」と「協力者ランキング」をごにょごにょしつつ合算したのが「総合ランキング」になります。
ということを考えれば、未アニメ化作品がWebランキング6位というのもわりとすごいのですが、しかし総合1位の原動力となったのが協力者票だということは間違いありません。
この点について「協力者のゴリ押し」「組織票」などと批判されることもあります。しかし、『このラノ2021』における協力者81人のうち、『チラムネ」を1位に選んだのは7人しかいませんでした。5位以内に投票したのも15人だけです。
協力者の投票先は意外とバラバラで、だからこそ何人かの投票先が重なるだけでもランキング上位に入ってしまうのです。
(そもそも協力者だの何だの変な集計をしてること自体に問題があるんじゃねえの、ということについては以下の記事で語っているので今回は割愛します)
kazenotori.hatenablog.com
さらに重要なポイントとして、『このラノ2021』では新規の「協力者」が参加したということが挙げられます。
実に9年ぶりに協力者の募集が行われ、若い「協力者」がどっと入ってきました。つまり『このラノ2021』から投票傾向が大きく変わったわけです。
実際に、『チラムネ』を1位に選んだ協力者7人のうち、少なくとも6人が「その年に初めて協力者になった人」でしたので、その傾向の変化は明らかだと思います。
なお『このラノ2022』では『チラムネ』が連覇したわけですが、Webランキングで2位、協力者ランキングで4位でしたので、支持率が逆転していることになります。
協力者は96人に増えたにもかかわらず、『チラムネ』を1位にしたのは5人、5位以内に投票したのも12人、と漸減しています。これはもちろん協力者が飽きやすいとかではなく、先述のとおり協力者は「まだ人気のない作品」に投票することが多く、いちど投票した作品を避けがちだからでしょう。
逆に言えば、『このラノ2021』で協力者が『チラムネ』をプッシュした結果、『このラノ2022』ではWeb投票者にしっかり評価された、という流れが見て取れます。
そもそも『チラムネ』は若年層を中心に支持されている作品です。『このラノ2021』の「年代別ランキング」を見ると、『チラムネ』は10代で4位、20代で5位ですが、30代・40代では10位以内にも入っていません。
もっと言えば「青春ラブコメ」というジャンル自体が若者受けするもので、同じガガガ文庫の『俺ガイル』や『友崎くん』を支持していた読者が、その系譜に連なる『チラムネ』を支持するのは自然なことでしょう。
そうした流れが「新規募集で若い協力者が増えた」タイミングと重なって顕在化した、というのが『チラムネ』の『このラノ』1位だったのではないでしょうか。
このように『このラノ』は細かく投票データを開示してくれており、たとえ「総合ランキング」が参考にならないと思っても、「Webランキング」「協力者ランキング」「新作ランキング」「文庫ランキング」「単行本ランキング」「年代別ランキング」あるいは「新作ガイド」「ジャンル別ガイド」などを参考にすれば、必ずや素晴らしいライトノベルに出会えるものと思います。
折しも『このライトノベルがすごい!2026』が発売される季節ですね。
今回の『このラノ』は、これまで長らく編集を担当されていたマイストリートの岡田さんが退任し、代わって太田さんが率いる新興のオリミナートが編集を担当しているので、また一味違った誌面になるのではないかと思われます。
みなさん、買いましょう。
\🎊表紙公開!!!🎊/
— 宝島社単行本/このラノ編集部 (@konorano_jp) October 30, 2025
『このライトノベルがすごい!2026』
巻頭特集は『転生したらスライムだった件』
伏瀬先生やリムル役・岡咲美保さんのインタビューを収録!
表紙イラストはみっつばー先生描き下ろし!
✅11月27日(木)発売!
どんなランキングになるのか、ぜひお楽しみに🥳!#このラノ2026 pic.twitter.com/ESa8MGbBQq