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ライトノベルって議論のネタがあんまりないよなぁ

と思うことがある。たまに。


たとえば漫画オタクなら作家の画力について、アニメオタクなら作画について語ることができるけど、ラノベオタクが挿絵について語ると単なるイラストレーターの話になってしまう。そこに「ラノベ読みならではの視点」みたいなのはあんまりない。いくら「ラノベはイラストが命」と言っても、イラストこそがメインである漫画とかと比べると、ラノベの挿絵は重要度が低い(誤解を招きそうな表現)んだろうな。「文章がダメだから途中で読むのやめた」はあっても、「イラストがダメだから途中で読むのやめた」なんてことは、たぶんないだろうし。


文章については、ラノベというジャンル自体が「文章の正しさ」をあまり気にしないということもあって、「てにをは」が明らかにおかしいというくらいでないと批判されないように思う。画力と違って文章力はパッと見では分かりにくいという理由もあるかも。
あと、ラノベに対する(外部からの)批判として、「ラノベは会話文が多い」「改行が多い」「擬音・擬態語が多い」というものがあるけれど、これらもいまでは「ラノベはそれでいいんだよ」みたいな空気になっているので、あんまり議論にはならない。あ、最近は「ラノベの文章はくどい」というイメージが生まれつつあるようなので、そちらは議論のネタになるかもしれない(誰か語ってみませんか?)。
ちなみに「会話の多用」については、こちらのコラム新城カズマ著『ライトノベル「超」入門』にて、「そんなことないよ!」という指摘がなされている。


刊行点数が中途半端に多いために一つの作品についてとことん語ることが少ない。ラノベサイト界隈において「話題になる」とは、「その作品を(好意的に)紹介する感想ブログが多い」というのに過ぎない。それだって一ヶ月もすればまた別の「話題作」に取って代わられてしまうし。
ジャンプの看板漫画のように「誰もが知ってる超ヒット作」があれば、それについて語る人も増えてくるだろうけど、そこまでのヒット作は最近では『涼宮ハルヒ』シリーズくらいしかないし。そのハルヒだってジャンプのように毎週話題が提供されるわけでもないしなぁ(それどころか一年以上新刊出てないよ!)。


ちょっと前のエントリだけど、こちらではエロゲ語りにおける論点がまとめられている。
はてなダイアリー
「処女と非処女」「寝取られ」「泣きゲーの是非」「ゲーム性」「業界論」「主人公の有能/無能性」「ボイスの有無」「エロ不要論」「美少女という造形」「エロゲ論壇不要論」が挙げられているけど、この中でラノベにも当てはまるのは「業界論」「ラノベ論壇不要論」くらいじゃないだろうか。「主人公の有能/無能性」も当てあまるかもしれないけど、でもエロゲほど主人公にこだわることはないよなぁ、たぶん。ちょっとヘタレだからってここまでネタにされるなんて、ほんと恐ろしい世界ですよ。


というわけで、ラノベサイトではライトノベル定義論が延々と繰り返されているという話。老若男女問わず盛り上がれる唯一の話題が「ライトノベルって何?」だなんて何だか悲しい話だけど、まあそれくらい話題がないということで。ブログが1ヶ月半も更新されないのも仕方がないですよね。