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2007年上半期ライトベルサイト杯 投票

こっちに書くのは超絶久しぶりなのです。ラノサイ杯投票のために一日だけ更新です。
レギュレーション等は「keyword:2007年上半期ライトノベルサイト杯」を見るといいです。ついでに2chライトノベル板大賞2007上半期にも投票するといいですよ。


BITTER×SWEET BLOOD (電撃文庫)

BITTER×SWEET BLOOD (電撃文庫)

【07上期ラノベ投票/単発/9784840238472】
吸血鬼物です。恋愛物です。平凡な少女とツンデレ美少年がイチャつく話です。少女漫画っぽいです。キャラのふとした仕草とか、台詞とか、いちいちツボすぎる作品です。幼女の吸血鬼が宇宙崩壊級の可愛さを誇っています。そういうのが(どういうのが?)好きな人はすぐに買いにいくべきです。まじで。


リヴァースキス (電撃文庫)

リヴァースキス (電撃文庫)

【07上期ラノベ投票/単発/9784840238908】
TS物です。性転換物です。主人公はナチュラルに悪女です。元は男ですが。男ですが、萌えます。やはり、身勝手でわがままなくらいでないと、性転換物の主人公はつとまりません。ある日突然、主人公が女の身体になってしまって、さんざん周囲の男を振り回して、最後はキスを迫る。そんな話です。素晴らしい。


バニラ A sweet partner (スーパーダッシュ文庫)

バニラ A sweet partner (スーパーダッシュ文庫)

【07上期ラノベ投票/単発/9784086303545】
百合です。ガチな百合です。二人の美少女が、連続狙撃事件を起こした挙句、校舎に立て篭もる話です。可憐な少女たちが死刑級の重犯罪を犯すという、背徳的な美しさに溢れた作品です。たしか、世間でちょうど立て篭もり事件が話題になってたころに刊行されたんだったと思います。超タイムリー。


ラビオリ・ウエスタン (ファミ通文庫)

ラビオリ・ウエスタン (ファミ通文庫)

【07上期ラノベ投票/単発/9784757733442】
美女&美少女の殺し屋二人組の話です。疾走感あふれる文体がグッドです。表面はポップでキュートだけれど、皮一枚めくればダークでシリアス、って感じです。単なるコメディだと思ったら裏切られるし、単にシリアスだと思っても裏切られる、そんな作品だと思います。


塔の町、あたしたちの街 (ファミ通文庫 お 4-4-1)

塔の町、あたしたちの街 (ファミ通文庫 お 4-4-1)

【07上期ラノベ投票/単発/9784757734234】
超能力で学園都市な話です。二人の少女の友情です。なんか『バニラ』といい『ラビオリ』といいヒロイン二人組の作品が多いなぁ。気のせいだろうたぶん。熱く口喧嘩するシーンが目白押し。素晴らしいです。このふつふつと煮え立つような感情描写が最高すぎる。大好きです。


ここまで単発部門。
続いて複数部門。


ぼくと魔女式アポカリプス〈3〉 (電撃文庫)

ぼくと魔女式アポカリプス〈3〉 (電撃文庫)

【07上期ラノベ投票/複数/9784840238830】
笑いあり涙ありエロあり鬱ありの魔法少女バトルロイヤル。まともな人ほど早く死んでいく恐ろしい作品。まともじゃない人もたくさん死んでいく恐ろしい作品。読者を暗黒の淵に叩き込みつつ、最後には感動的なシーンも描いてみせるとこが憎いですね。「売れれば続きが出る」という事実上の戦力外通告をされたそうなのですが…まあいつまでも続きを待ちますよ。


薔薇のマリア〈7〉SINBREAKER MAXPAIN (角川スニーカー文庫)

薔薇のマリア〈7〉SINBREAKER MAXPAIN (角川スニーカー文庫)

【07上期ラノベ投票/複数/9784044710101】
ダンジョン探索型RPG型ファンタジー小説。いまのスニーカー文庫の中では『ムシウタ』と並んで勢いがあるんじゃないかなーと思います。秘密のダンジョンに潜ったかと思えば街を二分しての大戦争。巨大モンスターが現れたかと思えば、マフィアと宗教集団の抗争に巻き込まれる。とにかく一冊ごとに趣向を変えて飽きさせない。今後にも期待です。


戦う司書と荒縄の姫君 BOOK6 (スーパーダッシュ文庫)

戦う司書と荒縄の姫君 BOOK6 (スーパーダッシュ文庫)

【07上期ラノベ投票/複数/9784086303521】
とりあえずノロティ票。
このシリーズは本当、第一巻からずっと高水準のクオリティを保ち続けている稀有な作品で、一気読みとかしたらすげぇだろうなぁと思っています。誰か試してみませんか。


神様のメモ帳〈2〉 (電撃文庫)

神様のメモ帳〈2〉 (電撃文庫)

【07上期ラノベ投票/複数/9784840238885】
迷ったけど投票。
なんとも説明に困る作品。ニートたちが集まって街の事件を解決する話。設定はちょっと突飛ですが、中身は正統派のつくりをしてるんじゃないかと思います。読む人を選びそうで選ばないんじゃないかなと。ニーソ探偵萌えー。


ゆらゆらと揺れる海の彼方〈8〉 (電撃文庫)

ゆらゆらと揺れる海の彼方〈8〉 (電撃文庫)

【07上期ラノベ投票/複数/9784840238892】
最後も迷ったけれど。
「ファンタジー銀河英雄伝説」ってな感じの作品です。過去話に2巻費やしてまだ続いているというグダグダな展開なんですが、しかし何故だかそれが妙に楽しくなってきたというか。最近は作者の頭のどこかが吹っ切れてるような感じがするんです。なんなんでしょう。単に好きな作品で言えば他にもいくつかあるんですが、とりあえず期待票ということで。

ケータイ向け電子書籍サイト『ちょく読み』でライトノベルを買ってみた


ケータイ向けのライトノベルというのが以前から気になっていたので、ついさっき一冊だけ買ってみました。そのときに気付いたこと・感じたことを、いくつか書いてみようかと。ケータイ向け電子書籍というものは初めて購入したので、何か見当違いのことを書く可能性もありますが、お気づきのことがあればコメント欄等で指摘していただけると嬉しいです。

良い点

とりあえず安いですね。ライトノベル一冊がだいたい300円です。リアル書店で今日買った某ラノベが620円でしたから半分以下ということになります。
また、ラインナップがちょっと良い。『三月、七日。』『ロクメンダイス、』といった少し前の話題作から、『ザンヤルマの剣士』『魔術士オーフェン』のような過去の名作、『HyperHybridOrganization』『Dクラッカーズ』などの渋いところまでが揃っていて驚きました。「ちょっと興味があるけど近所の書店じゃ手に入らないし…」というような作品を購入するのに最適なんじゃないかという気がします。
これらの作品を読むのに専用のビューワーが用意されているのですが、処理はそう遅くはないし(もちろんケータイの機種によって差があるでしょうけど)、ちゃんと「横書き/縦書きを切り替える」ことができたりして、サクサクと読むことが出来ました。表紙や口絵、あとがきまできちんと配信されているのも好ましいです。

悪い点

まず、「購入した作品を閲覧・再ダウンロードできるのは一年間だけ」です。まあ、一冊を読むのに一年もかけることはないでしょうが、ちょっと変な仕様だと思います。
それとドコモのケータイだと、「ビューワーを起動するたびに作品データを再ダウンロード」する仕様になっています。つまり、作品データをローカルに保存することができないのです。とりあえずパケホーダイは必須なので注意しましょう。auのケータイならローカルに保存することができるそうです。トラックバックやコメントなどでの指摘、ありがとうございました。
あとは「表紙・口絵・挿絵イメージの拡大表示」ができません。特に問題なのが口絵です。ライトノベルの口絵にはちょっとした短い文章や登場人物などが書かれていることが多いのですが、その文字を読み取ることができないのです。イラストも大きくして見たいし、なんとかしてもらいたいところです。
細かいところでは、「ルビを表示」すると字間と行間が開いてしまって、レイアウトが崩れてしまうのが残念です。知っての通り、ライトノベルというのは「重霊子殻獄瞋焔覇」と書いて「パー・イー・モーン」と読ませたりする作品が多いので、きちんとルビが表示されないのはちょっと問題でしょう。

よくわからない点

期間限定配信の書き下ろし作品とかあるんですか? ちょ、『鳥籠荘の今日も眠たい住人たち』の短編とかすげー読みたいんですけど。*1 長編でも「配信終了」になってるやつがあったり…。電子書籍に配信終了も糞もないだろうと思うんですけど、プレミアをつけて購入意欲を煽ろうって寸法ですか?

おまけ

現時点では「リアル書籍として出版したものを加工せずにそのまま配信している」という印象です。書式が携帯電話の狭いディスプレイに最適化されるといいのですが、改行の位置を変えるにしてもそれは作品に手を加えるということになりますし、現実的には難しいんでしょう。となると、やはり最初からケータイ向けに書き下ろすのが良いんでしょうか。まあ、「ケータイで本を読む」ということ自体は悪くないと思うので、これからの発展に期待です。


関連記事
携帯端末向けライトノベルについてまとめてみる - 平和の温故知新@はてな

*1:文庫に収録されるみたいです。良かった良かった。

はじめてのTS小説『オズの〜〜』

ふと思い出したのでメモ。私がトランスセクシャル(=性転換)好きになった原点は、子供の頃に読んだオズ・シリーズではなかっただろうか。あ、もしあなたが「俺はオズ・シリーズとは無縁の人生を送る予定だぜ!」という人でないなら、この先を読むのはお勧めしません。


ネタバレ全開に。


『オズの虹の国』を読んだのは小学生の頃だったので細かい部分を忘れてしまっているかもしれない。要するに、「何の取り柄もない平凡な少年の正体は実はお姫さまだった!」という話だったはず。貴種流離譚を2回捻って宙返りさせたような設定。


この作品の上手いところは、主人公のチップを本当に平凡な少年に設定している点にある。特に勇敢なわけでも、優しいわけでもない。いたずら好きで好奇心旺盛な、いかにも少年らしい少年。そんな、そこらにいそうな悪ガキが、いきなり清純で無垢な美少女に変身してしまう。口調から性格まで一瞬にして変わってしまう。なんというか、“浄化”って感じなのだ。卑俗な存在が神聖な存在に変わる。当時小学生の私は、その“浄化”に衝撃を受けたのだろう。あとはズルズルとTS物好きに。


でもさ、“萌え”という観点で見れば、はっきり言ってダメダメなんだよね。オズマ姫って完全に女性になっちゃうんだもん。TS物の醍醐味である恥じらいとか、そういうの一切無し。つまんない。たとえばだけど。ドロシーたちと遊んで一日が終わり、仲良く同じベッドで寝ることになって、そこではたと自分が男であったことを思い出して、すぐ隣に眠るドロシーたちを意識してドギマギする…ってシチュがあったら超絶萌えるんだけど。


TS物を語るとき、この『オズの虹の国』ってどんな風に語られているんだろう。ググってもあんまり見つからない。残念。そもそもオズ・シリーズ自体の立ち位置もよくわからない。ファンタジー小説でいいのかな。でもファンタジーを語るときに、『指輪物語』や『ナルニア国物語』を引き合いに出す人はいても、『オズの魔法使い』を引き合いに出す人は見たことない気がする。刊行時期が違うからかな。よくわかんないっすね。


で、このオズ・シリーズ、なんだか入手しづらいみたいですね。知らなかった。→「ƒIƒY–{‚ðŽè‚É“ü‚ê‚é‚É‚Í」。私の場合、『オズの魔法使い』『オズマ姫』『エメラルドの都』『グロリア姫』『ふしぎな事件』をポプラ社版で、『虹の国』と『つぎはぎ娘』はハヤカワ版で読んだんだっけな。わぉ、実は恵まれた小学生だったのか? こんど実家に帰ったら探してみよっと。捨てられてないといいなぁ。

ライトノベルサイト杯 VS 2chライトノベル板大賞 2006年下半期

ラノサイ杯の結果が出たようです。まずは平和さん、お疲れ様でした。


結果発表 - 平和の温故知新@はてな
さて、結果をまとめてみましょう。

シリーズ部門 単発部門
票数 シリーズ名 作者名 票数 作品名 作者名
30 “文学少女”シリーズ 野村美月 16 ラジオガール・ウィズ・ジャミング 深山森
15 化物語 西尾維新 15 空とタマ 鈴木大輔
15 銀盤カレイドスコープ 海原零 14 クジラのソラ 瀬尾つかさ
14 狼と香辛料 支倉凍砂 12 煌夜祭 多崎礼
11 空ノ鐘の響く惑星で 渡瀬草一郎 9 銀月のソルトレージュ 枯野瑛
10 GOSICK 桜庭一樹 9 暗闇にヤギをさがして 穂史賀雅也
10 カーリー 高殿円 9 TOY JOY POP 浅井ラボ
9 円環少女 長谷敏司 8 赤朽葉家の伝説 桜庭一樹
9 “図書館”シリーズ 有川浩 8 ヤクザガール・ミサイルハート 元長柾木
8 BRACK BLOOD BROTHERS あざの耕平 8 ボトルネック 米澤穂信
8 とらドラ! 竹宮ゆゆこ

個人的にはやはり単発部門一位の『ラジオガール・ウィズ・ジャミング』が驚き。「おもしろいけど地味」っていう渡瀬草一郎とか三上延の系譜に連なる作家だと勝手に思っていたので、まさかこんな形でスポットライトが当たるとは。地味に人気を集めていたんだなぁ。
シリーズ部門の方は、『“文学少女”』『化物語』『銀盤』あたりの本命と、人気シリーズに票が集まってて、まあなんというか予想通りという感じなんですが、そのなかでは『カーリー』の健闘が目に付いた。『“文学少女”』とあわせてファミ通文庫勢が頑張ってるなぁ。『狼と香辛料』が伸びなかったのは、「どうせ誰かが入れるだろう」的な日和見のせいなのか、それとも熱狂が冷めてきたのか。まあそれでも上位なわけですが。
追記:集計ミスがあったとかで順位が変動しました。というか…『“文学少女”』と『化物語』『銀盤』の差がダブルスコアになりました。「この文学少女は集計するたびに得票数がはるかに増すのよ。その集計を私はあと2回残しているの」的な展開ですね。この意味が分かるな西尾維新


では続いて、2chライトノベル板大賞との対比。といってもレギュレーションが違うので、さてどうしよう。とりあえずラノサイ杯の方の「シリーズ部門」「単発部門」を一本化して並べてみようか。ちなみにラ板大賞の結果は560の雑記が見やすくて最高。

ライトノベルサイト杯 2chラ板大賞
票数 シリーズ名 作者名 票数 作品名 作者名
30 “文学少女”シリーズ 野村美月 40 “文学少女”と繋がれた愚者 野村美月
16 ラジオガール・ウィズ・ジャミング 深山森 35 銀盤カレイドスコープ vol.9 海原零
15 空とタマ 鈴木大輔 30 空ノ鐘の響く惑星で (12) 渡瀬草一郎
15 化物語 西尾維新 21 化物語(下) 西尾維新
15 銀盤カレイドスコープ 海原零 19 狼と香辛料 III 支倉凍砂
14 クジラのソラ 瀬尾つかさ 17 煌夜祭 多崎礼
14 狼と香辛料 支倉凍砂 17 化物語(上) 西尾維新
12 煌夜祭 多崎礼 17 ネコのおと 新井輝
11 空ノ鐘の響く惑星で 渡瀬草一郎 16 ユーフォリ・テクニカ 定金伸治


“文学少女”』二冠達成おめでとーございます。これで「このライトノベルがすごい!」でも一位を取れば、上半期の『狼と香辛料』に続いてグランドスラム達成ですね。グランドスラムとか俺が勝手に言ってるだけだが。
富士ミスが総力を挙げて作り上げた自虐的パロディ作品『ネコのおと』が10位以内に入ってるあたりはラ板大賞らしいと思う。あと『ユーフォリ・テクニカ』はラノサイ杯でも6票を集めてましたね。『煌夜祭』もそうですが、わりとマイナーなレーベルの作品でこの健闘は素晴らしいです。
『タザリア王国物語』にあまり票が入ってない(というか10位以内にすら入っていない)のはリネア様の出オチだからだろうか…。


関連:
2006年上半期の比較はこちら
2006年上半期2chライトノベル板大賞の結果まとめ(とライトノベルサイト杯との比較) - WINDBIRD
2005年全体の比較はこちら
ラノリン杯 VS ラ板大賞 - WINDBIRD

『声で魅せてよベイビー』の作者はプログラマー?

ファミ通文庫からただいま発売中の『声で魅せてよベイビー』という作品、最初はまったく気にならなかったんですが、まいじゃーさんのが取り上げているのを見てちょっと気になりました。


http://maijar.org/?q=node/1107

「それじゃあ空回りだよね。君には一緒に考える相手がいるんだから、二人で考えればいいんだよ。二人で一緒に問題を考えることは馴れ合いなんかじゃないよ。ペアプログラミングだと良いものができることもあるじゃないか。うん、一緒に考えればいいと思うよ。……僕は空回りばっかりだったけどね」

このセリフ、本物のプログラマーみたい!*1


この作品、主人公は高校生ハッカーらしいのですが、そういうキャラクターを描くには、やはりプログラミングの知識がないとダメですよね。興味がバリバリ湧いてきました。この「木本雅彦」という作者はアルファでギークなプログラマーなんでしょうか? まいじゃーさんのところでは「作者直営サイト:なし」と書いてあるんですけど…?


作者名でググりました。トップに出てきました。


http://www.ohnolab.org/~kimoto/
なんというシンプルなサイトデザイン。トップページを見ただけでワクワクしてしまった。この作者は間違いなくプログラマー。


ちなみにブログもありました。
http://www.earthlight.jp/
文学フリマなどにも参加してらっしゃるようなので、名の通った方なのかもしれません。俺が知らないだけかも。恥ずかしい!


なんだか普通に面白そうなので、こんど『声で魅せてよベイビー』を買ってこようと思います。

声で魅せてよベイビー (ファミ通文庫)

声で魅せてよベイビー (ファミ通文庫)


プログラマーでライトノベル作家、と言えば有名なのが桜坂洋。いや、桜坂は元システムエンジニアでしたっけ。違いがわかりませんが。そっち系の人がライトノベル作家になるのが流行ってるんでしょうか。いまんとこ2人だけですが。是非、id:jkondoid:naoyaにも小説を書いてもらいたい!

*1:どこらへんがプログラマーみたいだと思ったのかは突っ込まないでくれ!

ケータイ的文章とライトノベル的文章は違う

いま電車に揺られて移動中なのだが、暇なので何か書いてみようと思う。


電車の中では、私はたいてい、ケータイからはてブにアクセスして注目エントリを眺めたりしている。はてブ中毒。そうしてケータイをいじっていると気付くことがある。ケータイの幅狭い画面では、ダラダラした長文が読みやすいのだ。PCの画面で見れば一瞬でウィンドウを閉じてしまうような文章でも、ケータイならスラスラと読めてしまう。なぜだろう。


まず一つに、ケータイだと大量の文字がいきなり目に飛び込んでくることがない、というのがある。最初から何十行も見えていると、「まだこんなに残っているのか」とうんざりしてしまうものだ。料理でも、いきなり巨大な丼が出てくるよりは、同じ量でも小さな皿に何回かに分けて出てくるほうが、気分的には楽だろう。


また、文章は一文が短く区切られたほうが読みやすい、というのもある。ライトノベルで改行が多用されているのと同じだ。ケータイの場合、画面が狭いせいで頻繁に文章が折り返されるのが、図らずもライトノベルにおける「改行の多用」と同じ効果を生み出しているのではないか。


ただしケータイで改行すると読みにくい。つまり、ケータイの狭い画面で、さらに改行が多用されると、相乗効果で文章が細切れになってしまうのだ。あまりに短すぎても逆に読みにくい、というわけだ。ケータイ向けの文章で大切なのは、改行よりも段落である。ざーっと改行なしで書いてあって、適当なところで一段落つける、というような文章が読みやすい。段落のあいだは空白行で区切られているとなお良い。


というようなことは、ケータイ向け文章業界(?)ではおそらく既に分析されているだろう。ただ一つ気になるのは、ライトノベルとケータイ小説の互換性についてだ。ライトノベル系の出版各社は、最近になってケータイ向け小説配信に力を入れているようだが、「ちょく読み」などを見るかぎりでは、その文章はケータイ向けに最適化されていない。原作からそっくりそのままコピペしているようだ。すごく読みにくい。


id:kanoseさんの記事によれば、ケータイ小説の文章作法は日々進化しているようだ。改行の一字下げはしないとか、主人公のセリフだけ『』を使うとか。私はケータイ小説はあまり読んだことがないのだが、絵文字が使われてたりもするんだろうなぁ。


しかし、このままケータイ小説の文章作法と、ライトノベルの文章作法が乖離していけば、その二つの互換性が無くなってしまうんじゃないか。ディスプレイと紙、という媒体の違い以上に、ケータイでは書籍の文体を再現できないし、書籍ではケータイの文体を再現できなくなる。


もしそうなれば、ケータイ向けライトノベルビジネスを展開しようとしてる人は困るんじゃないだろうか? ラノベ語からケータイ語へ“翻訳”しなきゃいけないから、手間も時間もかかってしまう。いやそれで「これからはケータイベースでいきまーす☆」となったら、今度は読者が困るよね。「従来の紙媒体愛好家は切り捨てまーす。ケータイの狭い画面と独自の文体を許容できる人だけついてきてね☆」みたいな。「ヒット作だけなら“翻訳”してあげるからそれで勘弁してちょ」みたいな。うげー。


と、いろいろ想像を羽ばたかせてきたけれど、もうそろそろ電車を下りなきゃいけないんで、ここらへんで終わっとくね。

ライトノベルのこれまでとこれからを妄想してみる

ライトノベルの歴史について書こうと思う。…正確にはライトノベルの歴史をネタにしようと思う。邪馬台国はハワイにあった、と同じレベルの話である。そうそう、こういうときのためにエントリを書いておいたんだった。ライトノベル版バカ歴史年表 - WINDBIRD。←この程度の歴史認識です。謝罪と賠償の要求には応じません。ひゃっほう予防線張りすぎでキモいぜ俺。


最初に書いておくけれど、「ブームの火付け役」というものは「ブームの火付け役だったから売れた」のではなく「売れたからブームの火付け役となった」ものだと思っている。それを踏まえたうえで、まずライトノベルの歴史を「ファンタジー以前」「ファンタジー」「学園物」の三つに分けてみる。


「ファンタジー以前」だが、ファンタジー以前にはSFがあったらしい。それは「ライトノベルと言えなくもない」くらいの代物だったようだ。俺にとっては神話の時代の話である。「イザナミは日本で最初のキモウト」とか言われても「へぇ、そう」くらいのリアクションしか返せないので、このあたりの時代は飛ばす。


まず、ブームの始まりには正統派の作品が出てきて、それがベタになる。ファンタジーの場合は『ロードス島戦記』あたりなのかな。ロードスは“売れていて”かつ“正統派”なつくりの作品である(はず)。
そして、ブームの終焉にはネタorメタな作品が出てきて、「このジャンルの鉱脈は掘り尽くしました」ということを告げる。ファンタジーの場合は『スレイヤーズ』。スレイヤーズはファンタジーのお約束を徹底的にネタにした作品だと認識している。
また、スレイヤーズがその売上げに比してラノベ界隈で語られることが少ないのは、スレイヤーズ自体が何かのブーム*1を作り出したわけではないからだ、と思っている。


ファンタジーブームの次にやってきたのは学園物ブーム。そのブームの火付け役が『ブギーポップは笑わない』である。もちろんブギーポップの前にも学園物はあっただろうけど、最初に売れたのはブギーポップなのだから、火付け役はブギーポップなのである。
最近になって、“売れている”かつ“メタ”な学園物が登場した。『涼宮ハルヒの憂鬱』である。であるからして、そろそろ学園物ブームも終わるんじゃないかなーとか思っている。


では“ポスト学園物”はなんだろう。妄想を働かせてみる。


候補1:セカイ系
定義にもよるけれど、セカイ系ラノベというと『イリヤの空、UFOの夏』くらいしか思い浮かばない。いちおう『ほしのこえ』のノベライズもあるけれど。セカイ系ブームは既に終わってしまった印象があるんだけど、これから復活することがあるんだろうか。


候補2:学園異能
学園異能”というのは、“学園(バトル)物”を公式化したもの、という風に捉えている。学園物2.0?w はじめからレールが敷いてある分、話は作りやすいけれど、逸脱することが難しい。あくまでサブジャンルの域を脱しないのではないかと思う。ただ、元祖学園異能の『灼眼のシャナ』がまだ頑張っているので、まだまだどうなるかは分からない。


候補3:SF
SFというと幅が広いけれど、いわゆる「リアル・フィクション」とか? このジャンルの走りは『マルドゥック・スクランブル』かな。現状はライトノベルの領内の出来事ではなく、あくまでSF領内での出来事、みたいなイメージ。「SFっぽいライトノベル」がもっと拡大してくれればいいなぁ。『よくわかる現代魔法』とか続きだしてよ。


候補4:ミステリ
ライトノベル内では、ミステリってなんだか根付いていない感じ。富士見ミステリー文庫も富士見ラブ文庫になってしまったし。「ミステリっぽいライトノベル」の中からどーんとヒット作が出てくればいいなぁ。戯言シリーズ電撃文庫あたりから出ていれば違ったんだろうけど。


候補5:ファンタジー
夢よもう一度、というわけで。『空ノ鐘の響く惑星で』とか『ゆらゆらと揺れる海の彼方』、『タザリア王国物語』、ちょっと違うけど『抗いし者たちの系譜』など、最近は戦記物っぽい作品が多くなっている気もする。純粋な「戦記物」とは言えない、いかにもライトノベル風にカスタマイズされた戦記物、という感じ。少なくともサブジャンルとしては定着している。


…とこうして考えてみたものの、ライトノベルの出版点数が増えている現在では、「猫も杓子も学園物」みたいなのは不健全なんだろうな。どのジャンルに分類していいのかも分からない作品が無数に存在するカオス状態が最善なんだろう。ポスト学園物とか考えた意味がないじゃん。

*1:スレイヤーズブーム」は除く

“学校”や“十代の若者”が出ないライトノベル

http://d.hatena.ne.jp/kazenotori/20070120/1169234659#c1169258656

ライトノベルというのは、読者対象を十代の若者と定めている場合が多い(多いというより全てそうなのかもしれませんが・・・)ようなのですけれど、そのためか、ふと世に出ているラノベ作品の内容を思い返してみましたら、圧倒的に、主人公や登場人物が十代の若者もしくは学生、異世界ファンタジーでなければ舞台として学校が出てくる、そういったものが殆どのようなのです。

というコメントがあったのをきっかけに、いろいろと考えてみた。


“学園物”というのは昔からある基本的なジャンルの一つだけれど、最近のライトノベルが学園物ばかりなのは、まず『ブギーポップは笑わない』の影響が大きいんじゃないかと思います。それ以前のライトノベルは『スレイヤーズ』を筆頭にファンタジー全盛なわけで、『ブギーポップ』のヒットで“学園(バトル?)物”が大幅に増加したっぽい。その頃の俺はラノベ読んでなかったので詳細はわかりません。現代に伝わっている話から当時の様子を推定するのみ、です。


“成人”が主人公のライトノベルというのは、まだライトノベルライトノベルと呼ばれていなかった頃、つまり一般向けのSF/ファンタジーとライトノベルとの境界が薄かった時代に多い、という印象*1。ラノベのオタク化が進行するにつれて、主役の低年齢化も進行していったのかな?


では最近はどうなのかということで、具体例として「十代の若者」「学校」が登場しない作品を思い出してみる。なるべく最近の作品で。


『HyperHybridOrganization』高畑京一郎
ひとことで言えば“逆仮面ライダー”。正義の味方に婚約者を殺された男が、悪の秘密組織に入る話。ひたすら男ばかりの話で、女キャラは数人程度。特に第二巻の男臭さは異常。外伝なんか完全に任侠小説だし。ただ、いわゆる“売れ線狙い”の筋立てでないのは、やはり作者がベテランであることが大きいんじゃないかな。新人だったら編集者に指導されそう。三巻(+外伝三巻)まで出ているけれど、ただいま絶賛停止中。amazonの書影からもわかりますが、帯の「萌え0%」がすごい。

Hyper hybrid organization (00-03) (電撃文庫 (1170))

Hyper hybrid organization (00-03) (電撃文庫 (1170))


A/Bエクストリーム高橋弥七郎
灼眼のシャナ』の作者のデビュー作。『シャナ』がどちらかと言えば“萌え”を前面に押し出した作品であるのに対して、こちらはかなり熱い作品。俺は三巻だけ読んだのだけれど*2、たしかに「命とプライドを懸けて戦う男たち!」みたいな感じの話でした。詳細はWikipediaに譲ります。→A/Bエクストリーム - Wikipedia

A/Bエクストリーム―CASE‐314エンペラー (電撃文庫)

A/Bエクストリーム―CASE‐314エンペラー (電撃文庫)


バッカーノ!成田良悟
B級ハリウッド映画っぽい雰囲気。禁酒法時代のアメリカ、とにかく大量のキャラが暴れて、狂って、馬鹿をやって、という話。登場するのはマフィアとか宗教組織とか製薬会社とかなので、当然ながらキャラの大半は成人です。舞台になるのは酒場とか豪華列車とか刑務所とかなので、学校なんてものも出てきません。あ、ちなみにアニメ化が決定していますね。


狼と香辛料支倉凍砂
若い商人が主人公、人の姿をした狼がヒロイン、その二人組が旅をする話。成人男性+美少女の組み合わせ。ヒロイン以外の登場人物はたいていが成人で、いずれもきわめて現実的な設定を持っている。つまりティーン向けでファンタジー的な要素は全てヒロインに集約されているわけです*3。主人公が成人男性である場合、ヒロインを低年齢に設定してバランスを取る、という作戦(?)は多いと思います。『円環少女』は低年齢過ぎだけど。

狼と香辛料 (電撃文庫)

狼と香辛料 (電撃文庫)


…なぜだか電撃文庫ばかりになってしまった。


自分の記憶だけを頼りに四作品を挙げましたが、探そうと思えばまだまだ出てくるでしょう。つまり、非“若者”・非“学校”のライトノベル自体は、わりとたくさんあるわけです。ただ、それらは“売れ線”ではありません。『狼と香辛料』はいま人気があるけれど、「これこそライトノベル!」とは言われないでしょう。「十代の少年少女が学校で青春する話」が大半を占める中で、カウンターパンチ気味に「おっさんが奮闘する話」みたいなのも出しているのが、いまのライトノベル界なのではないかと思います。

*1:これも印象だけ

*2:このシリーズは三巻だけが微妙に独立している

*3:厳密に言えば、ヒロインは人間ではないので、「少女」というより「少女の姿をした神様」だけど

ラノベの人気投票は始まったら即投票するのがいいよね

という記事を書こうと思ったんだけど、そういう自分が2chラ板大賞に投票するのが遅れてしまった時点で、俺の中でなんだか説得力がなくなってしまった感じが。


でもやっぱり、投票というのはできるかぎり早めに投票するのがフェアですよ。期限ギリギリまで粘りたいという人は、「○○(作品名)をまだ読んでないので、それを読んでから…」とかって事情があるんでしょうけど、そうやって焦って読んだら記憶には残らないものですし。それに、最近読んだものほど印象が強くなるのは当然で……ん? それならプラマイゼロか? …いやつまり、そうやって評価に影響するような要素は極力省くべきなんですよ。


しかし、ラノサイ杯やラ板大賞では、2006年下半期のベストを選ぶといっても投票は07年に入ってからやっているわけですが、なかには全く余裕を持たせずにやってる人気投票もありますね。


たとえば、『このライトノベルがすごい!』のウェブアンケートは「投票期間:06年9月10日〜06年10月10日」で「対象作品:05年10月1日から06年9月30日まで」というのを平気でやらかしてます。投票期間中に発売されたものも対象作品として含めちゃってるわけです。9月下旬に刊行される作品を読んでからだと投票は10月にズレ込んでしまう。「ギリギリ投票派」の陰謀でしょうか。明らかにアンフェアですよ。くそっ宝島社め、投票コメントの半分くらいはラノベ系ブロガーのものなのに、どうして俺のコメントは取り上げてくれなかったんだ! 明らかにアンフェアだ!


ともあれ、この時期のライトノベルサイト杯2chライトノベル板大賞の二つの人気投票は、忘れないように早めに投票しましょう、ということです。宣伝宣伝。

2006年下半期ライトノベルサイト杯 投票

2006年下半期ラノベサイト杯開催のお知らせ - 平和の温故知新@はてな
ラノサイ杯がはじまっていたので投票。
忘れないうちにね。


今回のラノサイ杯は「単発部門」と「シリーズ部門」に分かれているらしい。というわけで単発の一つめ。『鳥籠荘の今日も眠たい住人たち』。奇妙な人間が集まるアパートを舞台に、不良少女と芸術家の恋愛模様を描く。壁井ユカコ版「ROOM NO.1301」。ただし思い切り少女漫画風。とても雰囲気の良い作品。

【06下期ラノベ投票/単発/4840236054】


単発の二つめ。『クジラのソラ』。バーチャルでリアリティなSF戦略シミュレーションゲームに命を懸ける少年少女たちを描く。主人公の少女は、オールマイティが故に飛びぬけたものを持たず、それで仲間の天才少女に対してコンプレックスを感じたりとか…。ゲームだし、SFだけど、どこかスポ根っぽい。「命を懸ける」というのも比喩じゃないし。「萌え」というより「燃え」な作品。

クジラのソラ 01 (富士見ファンタジア文庫)

クジラのソラ 01 (富士見ファンタジア文庫)

【06下期ラノベ投票/単発/482911862】


単発の三つめ。『空とタマ』。古い倉庫の中で出会った少年と少女の、何とも形容しがたい不思議な関係を描く。最初は恐ろしいほど仲の悪かった二人も、丁々発止の大喧嘩を経て、少しずつ心を開いていく。しっとりと泣かせる作品…というよりは、大袈裟すぎるくらいの青春に浸る作品、かな。

空とタマ―Autumn Sky,Spring Fly (富士見ミステリー文庫)

空とタマ―Autumn Sky,Spring Fly (富士見ミステリー文庫)

【06下期ラノベ投票/単発/4829163615】


単発の四つめ。戦闘城塞マスラヲ。魑魅魍魎ひしめく巨大な武闘大会に出場した引きこもりの活躍を描く。ひとことで言うと、ノリがよすぎるギャグ小説。この主人公はまさにナイスガイ。何の力も持たないただの引きこもりのくせに、強運とハッタリだけで化け物たちを次々と撃破していく。かっこよすぎる。

戦闘城塞マスラヲ Vol.1負け犬にウイルス (角川スニーカー文庫)

戦闘城塞マスラヲ Vol.1負け犬にウイルス (角川スニーカー文庫)

【06下期ラノベ投票/単発/4044266115】


単発の五つめ。『Beurre・Noisette』。元いじめられっ子の主人公が、街宣車を走らせたりする少女たちと共に、校内宗教を潰滅させる様子を描く。とにかく主人公がクソ野郎で、周囲の人間も変な奴らばっかりで、それがとてもとても楽しい。見所は右翼系*1ツンデレ美少女でしょうか。とにかくおかしな作品です。

Beurre・Noisette 世界一孤独なボクとキミ (集英社スーパーダッシュ文庫)

Beurre・Noisette 世界一孤独なボクとキミ (集英社スーパーダッシュ文庫)

【06下期ラノベ投票/単発/4086303175】


単発作品の投票にあたってはこちらを参考にしました。id:deltazuleさんありがとうございました。…リストの最初から順に書いていったら『TOY JOY POP』を入れられなかった…。


続いてシリーズの一つめ。『タザリア王国物語』このラノサイ杯ではシリーズ全体への投票になるので、書影は第二巻の方になってますが、リネア様が活躍されるのは何と言っても第一巻の方ですね。ラノベ界最凶のヒロイン・リネア様の前では、どんなヒロインも(物理的に)消え失せてしまうでしょう。リネア様に栄光あれ。

【06下期ラノベ投票/複数/4840236070】


シリーズの二つめ。なんて言えばいいだろ、文学少女シリーズ? ドロドロした人間関係を楽しむもよし。“文学少女”が振るう熱弁に胸を打たれるもよし。作中で紹介された古典文学を読むもよし。ちなみにシリーズの順番は「死にたがりの道化」→「飢え渇く幽霊」→「繋がれた愚者」。

“文学少女”と繋がれた愚者 (ファミ通文庫)

“文学少女”と繋がれた愚者 (ファミ通文庫)

【06下期ラノベ投票/複数/4757730845】


シリーズの三つめ。これもシリーズ名がはっきりしないけど、『戦う司書』シリーズ。ハミュッツの凶悪な笑みと乳を見るに、リネア様とあわせて「凶悪ヒロイン」が(俺の中で)流行ってるんじゃないかと思ったり。対象期間中に刊行された『神の石剣』『追想の魔女』はもちろん、シリーズ第一作の『戦う司書と恋する爆弾』からずっとクオリティを保ち続けているのは驚異的。わりと速筆な人なのにね。こちらも刊行順を書いておくと「恋する爆弾」→「雷の愚者」→「黒蟻の迷宮」→「神の石剣」→「追想の魔女」。

戦う司書と追想の魔女 BOOK5 (集英社スーパーダッシュ文庫)

戦う司書と追想の魔女 BOOK5 (集英社スーパーダッシュ文庫)

【06下期ラノベ投票/複数/4086303337】


シリーズの四つめ。銀盤カレイドスコープ。これを入れないわけにはいかないでしょう。ラノベには珍しいスポーツ物、しかもフィギュアスケートを題材にして、それを見事に成功させた作品。最終巻を読み終わったあとは、まるで世界グランプリの生中継を観たような気分。その濃密な演技描写、心理描写は、素晴らしいの一言に尽きます。

【06下期ラノベ投票/複数/4086303310】


シリーズ物の五つめ、というか上下巻。化物語西尾維新作品の新たなスタンダード。ひたすら軽口の応酬に終始するも、それがとんでもなく心地良い作品。次々と登場するヒロインたちはどいつもこいつも変人すぎて可愛すぎる。「キャラクター小説」「キャラ萌え」とはこの作品のことを言うんでしょうね。

化物語(下) (講談社BOX)

化物語(下) (講談社BOX)

【06下期ラノベ投票/複数/4062836076】


さすがに10作品は疲れるな。何時間かかっただろ。


そういえば「もうずっと人大杉」も既に始まっていますね。今日まで気付かなかったんですけど。忘れず投票しなきゃ。こちらの投票期間は07/01/13 00:00:00 〜 07/01/27 23:59:59。

*1:ただし本人は右翼ではないと主張