ライトノベルの歴史について書こうと思う。…正確にはライトノベルの歴史をネタにしようと思う。邪馬台国はハワイにあった、と同じレベルの話である。そうそう、こういうときのためにエントリを書いておいたんだった。ライトノベル版バカ歴史年表 - WINDBIRD。←この程度の歴史認識です。謝罪と賠償の要求には応じません。ひゃっほう予防線張りすぎでキモいぜ俺。
最初に書いておくけれど、「ブームの火付け役」というものは「ブームの火付け役だったから売れた」のではなく「売れたからブームの火付け役となった」ものだと思っている。それを踏まえたうえで、まずライトノベルの歴史を「ファンタジー以前」「ファンタジー」「学園物」の三つに分けてみる。
「ファンタジー以前」だが、ファンタジー以前にはSFがあったらしい。それは「ライトノベルと言えなくもない」くらいの代物だったようだ。俺にとっては神話の時代の話である。「イザナミは日本で最初のキモウト」とか言われても「へぇ、そう」くらいのリアクションしか返せないので、このあたりの時代は飛ばす。
まず、ブームの始まりには正統派の作品が出てきて、それがベタになる。ファンタジーの場合は『ロードス島戦記』あたりなのかな。ロードスは“売れていて”かつ“正統派”なつくりの作品である(はず)。
そして、ブームの終焉にはネタorメタな作品が出てきて、「このジャンルの鉱脈は掘り尽くしました」ということを告げる。ファンタジーの場合は『スレイヤーズ』。スレイヤーズはファンタジーのお約束を徹底的にネタにした作品だと認識している。
また、スレイヤーズがその売上げに比してラノベ界隈で語られることが少ないのは、スレイヤーズ自体が何かのブーム*1を作り出したわけではないからだ、と思っている。
ファンタジーブームの次にやってきたのは学園物ブーム。そのブームの火付け役が『ブギーポップは笑わない』である。もちろんブギーポップの前にも学園物はあっただろうけど、最初に売れたのはブギーポップなのだから、火付け役はブギーポップなのである。
最近になって、“売れている”かつ“メタ”な学園物が登場した。『涼宮ハルヒの憂鬱』である。であるからして、そろそろ学園物ブームも終わるんじゃないかなーとか思っている。
では“ポスト学園物”はなんだろう。妄想を働かせてみる。
候補1:セカイ系
定義にもよるけれど、セカイ系ラノベというと『イリヤの空、UFOの夏』くらいしか思い浮かばない。いちおう『ほしのこえ』のノベライズもあるけれど。セカイ系ブームは既に終わってしまった印象があるんだけど、これから復活することがあるんだろうか。
候補2:学園異能
“学園異能”というのは、“学園(バトル)物”を公式化したもの、という風に捉えている。学園物2.0?w はじめからレールが敷いてある分、話は作りやすいけれど、逸脱することが難しい。あくまでサブジャンルの域を脱しないのではないかと思う。ただ、元祖学園異能の『灼眼のシャナ』がまだ頑張っているので、まだまだどうなるかは分からない。
候補3:SF
SFというと幅が広いけれど、いわゆる「リアル・フィクション」とか? このジャンルの走りは『マルドゥック・スクランブル』かな。現状はライトノベルの領内の出来事ではなく、あくまでSF領内での出来事、みたいなイメージ。「SFっぽいライトノベル」がもっと拡大してくれればいいなぁ。『よくわかる現代魔法』とか続きだしてよ。
候補4:ミステリ
ライトノベル内では、ミステリってなんだか根付いていない感じ。富士見ミステリー文庫も富士見ラブ文庫になってしまったし。「ミステリっぽいライトノベル」の中からどーんとヒット作が出てくればいいなぁ。戯言シリーズが電撃文庫あたりから出ていれば違ったんだろうけど。
候補5:ファンタジー
夢よもう一度、というわけで。『空ノ鐘の響く惑星で』とか『ゆらゆらと揺れる海の彼方』、『タザリア王国物語』、ちょっと違うけど『抗いし者たちの系譜』など、最近は戦記物っぽい作品が多くなっている気もする。純粋な「戦記物」とは言えない、いかにもライトノベル風にカスタマイズされた戦記物、という感じ。少なくともサブジャンルとしては定着している。
…とこうして考えてみたものの、ライトノベルの出版点数が増えている現在では、「猫も杓子も学園物」みたいなのは不健全なんだろうな。どのジャンルに分類していいのかも分からない作品が無数に存在するカオス状態が最善なんだろう。ポスト学園物とか考えた意味がないじゃん。