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はじめてのTS小説『オズの〜〜』

ふと思い出したのでメモ。私がトランスセクシャル(=性転換)好きになった原点は、子供の頃に読んだオズ・シリーズではなかっただろうか。あ、もしあなたが「俺はオズ・シリーズとは無縁の人生を送る予定だぜ!」という人でないなら、この先を読むのはお勧めしません。


ネタバレ全開に。


『オズの虹の国』を読んだのは小学生の頃だったので細かい部分を忘れてしまっているかもしれない。要するに、「何の取り柄もない平凡な少年の正体は実はお姫さまだった!」という話だったはず。貴種流離譚を2回捻って宙返りさせたような設定。


この作品の上手いところは、主人公のチップを本当に平凡な少年に設定している点にある。特に勇敢なわけでも、優しいわけでもない。いたずら好きで好奇心旺盛な、いかにも少年らしい少年。そんな、そこらにいそうな悪ガキが、いきなり清純で無垢な美少女に変身してしまう。口調から性格まで一瞬にして変わってしまう。なんというか、“浄化”って感じなのだ。卑俗な存在が神聖な存在に変わる。当時小学生の私は、その“浄化”に衝撃を受けたのだろう。あとはズルズルとTS物好きに。


でもさ、“萌え”という観点で見れば、はっきり言ってダメダメなんだよね。オズマ姫って完全に女性になっちゃうんだもん。TS物の醍醐味である恥じらいとか、そういうの一切無し。つまんない。たとえばだけど。ドロシーたちと遊んで一日が終わり、仲良く同じベッドで寝ることになって、そこではたと自分が男であったことを思い出して、すぐ隣に眠るドロシーたちを意識してドギマギする…ってシチュがあったら超絶萌えるんだけど。


TS物を語るとき、この『オズの虹の国』ってどんな風に語られているんだろう。ググってもあんまり見つからない。残念。そもそもオズ・シリーズ自体の立ち位置もよくわからない。ファンタジー小説でいいのかな。でもファンタジーを語るときに、『指輪物語』や『ナルニア国物語』を引き合いに出す人はいても、『オズの魔法使い』を引き合いに出す人は見たことない気がする。刊行時期が違うからかな。よくわかんないっすね。


で、このオズ・シリーズ、なんだか入手しづらいみたいですね。知らなかった。→「ƒIƒY–{‚ðŽè‚É“ü‚ê‚é‚É‚Í」。私の場合、『オズの魔法使い』『オズマ姫』『エメラルドの都』『グロリア姫』『ふしぎな事件』をポプラ社版で、『虹の国』と『つぎはぎ娘』はハヤカワ版で読んだんだっけな。わぉ、実は恵まれた小学生だったのか? こんど実家に帰ったら探してみよっと。捨てられてないといいなぁ。