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WINDBIRD

ライトノベルネタブログ

なぜ電撃は勝ち、富士見は負けたのか

依頼 book ライトノベル

http://d.hatena.ne.jp/kazenotori/20060421/1145550614#c1145982215

# M.V.agrippa 『いつも拝見させていただいてます。
考察お聞かせください。
「なぜ電撃が売れて、富士見が凋落しているんでしょうか?」
作家?時代性?編集者?商法?
もしくは複合的な理由?
難題かもしれませんが、ひとつお願いします。』 (2006/04/26 01:23)


まず最初に、「本当に富士見は凋落しているのか?」というところから始めなければいけません。とりあえずこんなのがあります。
http://www.mediaworks.co.jp/information/koukoku/pdf/shiori200605.pdf
(注:PDF書類)。
実売シェアは電撃文庫が36%、富士見F文庫が20%、スニーカー文庫が14%らしいです。MWの広告だから多少は誇張されてるでしょうけど、やっぱり電撃の方がシェアを持っているのは事実なのでしょう。


しかし、単純にシェアの問題だけではないとも思われます。


「電撃と富士見」の対立は、構図だけみれば「ジャンプとマガジン」なのだと思うんですね。売上げ的にはそれほど変わらないが、ネットなどで話題にされるのはジャンプの方が圧倒的に多い。これを「言われているほど売上げに差はない」と取るか、「売上げ以上に差がついている」と取るかは微妙なところですけど。


ここまで前置きです。とりあえず電撃と富士見の間に差が付いているとして、考えられる理由をいくつか挙げてみましょう。

メディアミックス

電撃のメディアミックス戦略(主にアニメ化)は成功していると言ってもいいでしょう。もともと看板クラスの人気があったとは言え『キノの旅』の売上げをさらに伸ばし、また『イリヤの空、UFOの夏』や『撲殺天使ドクロちゃん』の認知度を高め、最近では『灼眼のシャナ』の人気に火を付けました。「売れていなかった作品を売る」ことに成功しているわけです。


富士見の問題点は、「売れている作品をさらに売る」ためにメディアミックスを展開しているところです。この数年で『フルメタル・パニック!』は3度アニメ化されました。結果、たしかに『フルメタ』は押しも押されぬ看板作品となったでしょう。では、『フルメタ』以外に看板作品が現れたでしょうか? 『伝説の勇者の伝説』はあと一歩及ばない感じだし、そのライバルと言われた『EME』は『伝伝』に競り負けたし、『BLACK BLOOD BROTHERS』はまだまだ発展途上、『まぶらほ』なんてぱんつはいてないですよね。人気作品を重視しすぎるせいで世代交代が遅れていると言えるのではないでしょうか。

新人の発掘

富士見が世代交代に失敗しているもうひとつの理由が「新人の不作」です。ライトノベルでは新人がとても大事。良い新人を得ずしてレーベルの隆盛はないのです。


第12回の電撃大賞の応募総数は3542作品1771作品。(ツッコミがありました。→http://d.hatena.ne.jp/rulia046/20060426/p3。メ、メディアワークスめっ…わかりにくい書き方をしおってからに…!と責任転嫁してみるものの、どうみても単に注意力散漫なだけです。本当にありがとうございました。>id:rulia046さん)ファンタジア長編小説大賞の方は数字が出てないみたいだけど、Google様に聞いたら「だいたい800程度」とのことです。他の新人賞よりは多いんでしょうけど、電撃に比べたらまさしく桁が違ってますよねぇ。


1500作品以上の電撃と、800作品の富士見、どちらが有望な新人にあたる可能性が高いかと言えば、……まあ、小学生が考えても電撃でしょう。

レーベルカラー

んで、なんでそんなに応募数が違っちゃってるの、という話。もちろん電撃がイケイケムードなのもあるでしょうが、一番の理由はレーベルカラーだと思うんですよ。


上の方で電撃をジャンプに譬えましたが、強力なドグマがあるジャンプに対して、電撃のレーベルカラーは実はまるきり正反対なんですよね。電撃は一つの編集方針に固執せず、マニフォルド*1な展開をしています。『シャナ』のような正統派バトルアクションもあれば、『乃木坂』みたいなベタベタなラブコメもある。『空鐘』みたいな地味な作品もあるし、『禁書』みたいな少年漫画調のものもある。


むしろ作品に統一性があるのは、「ファンタジー」の名を冠する富士見の方なわけですが、でもファンタジー専門のレーベルのくせに現代物にも手を出すし、でもやっぱりファンタジーも多いし、でもアニメ化されるのは現代物ばかりという、なんだか迷走しまくりの事態なわけです。なにをやりたいのかさっぱりわからないあたりはマガジンに似てますね。


そして「いやいや"ファンタジア"なんて言ってるけどファンタジー以外も全然OKッスよ。っていうか大歓迎。いやファンタジーでもいいんだけどね。でもファンタジー以外も大歓迎」というような態度をレーベルが取っていると、投稿者の方もどういった作品を送ればいいのか分からなくなる。「富士見ってなんとなくファンタジーじゃなきゃダメっぽいし…」みたいな感じ。弟分の富士ミスは同じ問題を「開き直り」で解決したんですけどね。兄貴はまだまだ脱出できないっぽいですね。


なんでも受け入れてくれる電撃と、中途半端な態度の富士見、そしてレーベルの"勢い"の違い、それらが応募総数の差となって現れているんではないでしょうか。

気象精霊問題

多くは語るまい。新人も発掘できないのに中堅を追い出してたら、伝説の遅筆作家たちを担ぎ出すしかないじゃないですか。

そもそもファンタジーが

もはや魔法学校が舞台じゃないと人気が出ません。

まとめ

作家?時代性?編集者?商法?

全部。


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書いてるうちにだんだん飽きてきてるのがよくわかる文章でしたね。個人的には「漫画はジャンプのような統一感のある雑誌が勝者となったのに、ライトノベルでは多様性を売りにしたレーベルが勝利したのはなぜか」みたいなのを研究するとおもしろいんじゃないけと思うけど自分ではやりません。



こんなんでよければ依頼募集中です。
http://d.hatena.ne.jp/kazenotori/20060421/1145550614

*1:やった、ごく自然にこの言葉を使ってやったぞ!