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祭り型アニメは主流となるか?

http://mitaimon.cocolog-nifty.com/blog/2006/05/youtube_e773.html
というエントリがかなりブクマされているのですが、内容的にはid:sirouto2さんの提唱する「祭り型コンテンツ」「祭り型アニメ」と同じものだと思います。


参考:
http://d.hatena.ne.jp/sirouto2/20060523/p3
http://d.hatena.ne.jp/sirouto2/20060529/p2


要するに、アニメの『ハルヒ』は一人で楽しむためのコンテンツではなく、みんなで盛り上がるためのコンテンツだっつーことですね。


んで。


ハルヒ』と同じ祭り型アニメがこれからの主流となった場合でも、話題になるのはクオリティの高いアニメだけでしょうし、結局のところアニメ制作側の状況はそれほど変わらないと思います。変化するのは、たぶんアニメ感想サイトなんですよね。


祭り型アニメが主流になった場合、アニメ感想サイトは「アニメ解説サイト」に変わってしまいます。普通の感想を書こうにも、祭り型アニメの性格上、原作に言及しなければまともな感想にはならないですから。どうしても解説的になってしまうわけです。たとえば『ハルヒ』の場合だと、公式HPや「朝比奈みくるの冒険」の解説をするには原作小説を読み込んでいることが必要になりますね。しかし、アニメ感想サイトの管理人の全員が原作を読んでいるわけではない、と。


まず一つ目の問題点。小説原作のアニメならその小説を、漫画原作のアニメならその漫画を、読んでいる必要がある。そんなアニメも漫画も小説も手広くカバーできるような人間がいるとは思えません。


ならばアニメの制作発表から開始するまでに原作を読んでいればいいのかと言えば、またもう一つの問題が生まれる。


二つ目の問題点。それは原作既読者との摩擦です。原作既読者は基本的にアニメ化を歓迎しません。特にマイナーな作品であればあるほど、その傾向が強い。それは主に、自分たちのコミュニティが新参の流入によって荒らされることへの拒否感です*1。祭り型アニメが主流となれば、アニメが始まってから原作を読み始めた人間が知った顔で「原作のここはこうだから〜〜」などと解説している光景が、ネットのあちこちで見られるようになります。『ハルヒ』はなんとか無事に終わりそうですが、これからも祭り型アニメが放映されるとなれば、いつか原作組とアニメ組の大規模な衝突を招いてしまう可能性がなきにしもあらず。


それと『ハルヒ』の場合、原作組とアニメ組とでは空気がかなり違っているように思います。なんというか、原作組が妙に冷めているというか、アニメ組が妙にはしゃいでいるというか。あくまで感覚的なものですけどね。祭り型コンテンツは「ネット上のファンの解説」を前提としていますが、最も解説ができるであろう原作組はあまり解説してくれないのかもしれません。*2


そんな感じで、祭り型アニメは主流にならないに一票。

*1:他にもいろいろありますが

*2:とか書いてる俺自身が原作組なわけですが