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『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』の漫画版が良すぎる件

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない 上 (単行本コミックス)

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない 上 (単行本コミックス)

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない 下 (2)

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない 下 (2)

昨日、梅田のジュンクドー行ったんです。ジュンクドー。そしたらなんか『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』の漫画版が並んでたんです。で、よく見たらなんか作者のところに、杉基イクラ、とか書いてあるんです。もうね、アホかと。馬鹿かと。即買いしました。


原作の『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』は、直木賞作家・桜庭一樹の代表作として有名ですね。閉塞した地方都市を舞台に、二人の少女が出会って仲良くなって別れるまでを描いた、バッドエンドまっしぐらの鬱作品として、発売当初から話題になりました。

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない (富士見ミステリー文庫)

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない (富士見ミステリー文庫)


漫画担当の杉基イクラは、いたいけな少女の左腕が異形化して暴走するハイパースプラッタな漫画『Variante』(全4巻)の作者です。

ヴァリアンテ (01) (角川コミックスドラゴンJr.)

ヴァリアンテ (01) (角川コミックスドラゴンJr.)


原作のイラストレーター「むー」は、激しい鬱展開に似合わぬふんわりした絵柄で賛否両論を巻き起こしましたが、杉基イクラの絵柄はシャープで力強く、また『Variante』で示していた通りグロ描写もいける人なので、作風とマッチしすぎててヤバイと思います。というか杉基イクラを起用した編集者は天才。


特に自分の中のイメージと違っていたのは海野藻屑のキャラクターですね。原作を読んだかぎりではもっとぼんやりした電波娘のイメージだったんですが、杉基イクラが描く藻屑は、黒髪ショートカットの、笑顔が可愛い少女になっていました。誰かに似ていると思ってたら、あれですね、『true tears』の電波娘こと石動乃絵ですよ。彼女みたいに痛々しくて萌えるキャラでしたよ。乃絵を好きな人なら、藻屑も気に入るんじゃないかなぁと思うんですが。あ、『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』は『true tears』みたいな平和な話ではないので注意してくださいね、いちおう。


上下巻あわせて500ページで1440円。漫画としてはわりと高めですが、原作をまだ読んでいない人にとっても、原作は読んだけど内容をほとんど忘れている人*1にとっても、いままで何度も原作を読んで暗記してしまった人にとっても、お得な作品だと思います。あと、これが気に入ったら『Variante』も買えばいいと思うよ。

*1:俺のことですが