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2008年ライトノベル個人的ベスト10

1.『この広い世界にふたりぼっち』葉鳥哲/MF文庫J

この広い世界にふたりぼっち (MF文庫J)
美しい少女と白い狼が結婚するところから始まる暗黒メルヘンチック現代異能バトル。なんだそれ。設定は北欧神話をベースに構築され、また森に棲む狼たちの戦いはまるでヨーロッパの民話のようで、しかし物語の舞台は現代の日本で、ヒロインはイジメの蔓延る学校に通っていて、そしてクライマックスは魔法使いとの異能バトルである。…なんともカオスだけど、でも作品のまとう雰囲気は一貫して暗く、重くて、だからこそ不思議な統一感があるのだ。中二病系の暗い作品が好きな人にはもうご馳走みたいな話だと思う。

2.『塔の町、あたしたちの街2』扇智史/ファミ通文庫

塔の町、あたしたちの街2 (ファミ通文庫)
“歪気”と呼ばれるエネルギーを利用して発展してきた不思議な町を舞台に、ヒロインとその親友がいちゃついたり喧嘩したりする百合ん百合んな物語。の第二巻にして最終巻。う、打ち切りなんかじゃないんだからねっ! いや、打ち切りめいた急展開だからこそ、この破滅的な物語がさらに真に迫って見えてしまう。1巻と合わせて是非とも読んで欲しい名作。

3.『ベン・トー2 ザンギ弁当295円』アサウラ/集英社スーパーダッシュ文庫

ベン・トー(2) [ アサウラ ]
スーパーの半額弁当を奪い合う若者たちの熱き魂の戦い。グルメ + 格闘バトル + 青春ラブコメというわけのわからん組み合わせでどうしてここまで面白いのか。この2巻では“金髪眼鏡エロ巨乳従姉”という凶悪な代物が登場。非常に可愛らしい嫉妬を見せてくれました。バトルだけでも熱すぎるのに、そこにラブを加えるとか、どんだけ楽しくなるつもりだろう。

4.『傷物語西尾維新/講談社BOX

傷物語 (講談社BOX)
最近はすっかり白くなった西尾維新が久々に繰り出した強烈な一撃。マイルドだった『化物語』から一転、化け物となった阿良々木くんの凄惨な戦いが描かれる。…というより何よりハートアンダーブレードが萌えすぎるんだよね。人間凶器なツンデレよりも、優秀すぎる眼鏡の委員長よりも、俺は金髪の女吸血鬼が好きなんだ!という人におすすめ。

5.『さよならピアノソナタ4』杉井光/電撃文庫

さよならピアノソナタ〈4〉 (電撃文庫)
綺麗すぎるくらい綺麗に完結した「恋と革命と音楽の物語」。簡単に言うと、超優柔不断な主人公と3人の美少女が、ドロドロの四角関係を抱えたままバンドを結成して、青春を謳歌する話。この修羅場がもう楽しいのなんのって。特に、主人公が真冬を好きだと知ってなお主人公に告白する神楽坂先輩と、主人公の気持ちに気付いて諦めてしまう千晶の対比が素晴らしいのだ。神楽坂先輩は俺の嫁

6.『激辛!夏風高校カレー部(いもうと付)』神楽坂淳/集英社スーパーダッシュ文庫

激辛!夏風高校カレー部(いもうと付) (集英社スーパーダッシュ文庫)
修羅場という点ではこちらもかなり良かった。スーパーダッシュ文庫が『ベン・トー』に続いて送り出すグルメラノベ、といっても『ベン・トー』のようにギャグ交じりではなく、カレー作りに青春をかける高校生たちを真剣に描いた作品であるが。それでなにが良いって、主人公を戦わせるためにデートまでする姐御である。「あたしを好きになってあたしのために戦え」というわけである。そんな姐御に幼馴染が嫉妬して修羅場るわけである。最高! …ちなみにこの作品を読んで以来、我が家のカレー消費量は倍増しました。

7.『ラノベ部平坂読/MF文庫J

ラノベ部 (MF文庫J)
ラノベ愛に満ち溢れた四コマ系ラノベ。随所に様々なラノベのパロディを盛り込んではいるが、基本的には、ラノベを知らない少女がラノベに嵌っていく過程を描いた作品。ラノベをあまり読んだことのない人にこそ読んでもらいたい逸品。→初めてのライトノベルに最適な一冊 平坂読『ラノベ部』 - WINDBIRD

8.『時載りリンネ!3 ささやきのクローゼット』清野静/角川スニーカー文庫

時載りリンネ! 3  ささやきのクローゼット (角川スニーカー文庫)
パンを食べる代わりに本を読む“時載り”と呼ばれる一族の娘・リンネと、その友人たちの活躍を描くシリーズ。これまでは「悪い大人たち」と戦っていたリンネが、この3巻ではとても子どもらしく振舞っているのが魅力的。いやロリコン的な意味じゃなくて。

9.『俺の妹がこんなに可愛いわけがない2』伏見つかさ/電撃文庫

俺の妹がこんなに可愛いわけがない〈2〉 (電撃文庫)
オタクな妹を持った兄が妹のために頑張る話。今年屈指の話題作であり、また話題だけではない確かな面白さも見せてくれた。「俺は売れてる本は読まないぜ」ってな天邪鬼な人も、騙されたと思って読んで見て欲しい。ちょっとラブが少ないのが残念だけど…。

10.『ANGEL+DIVE 3.LOVENDER』十文字青/一迅社文庫

ANGEL+DIVE (3) .LOVENDER (一迅社文庫)
これは圧倒されるよなぁ。いまのラノベ業界でよくぞここまで重苦しい話を書けたものだと思う。軟派少年と病弱少女の初々しい恋物語を丁寧に丁寧に描く。明らかに悲劇へと続く道を、幸せそうに歩いている二人の姿を見ていると、もう切なすぎて死にたくなる。決して万人には受けないだろうけど、鬱耐性がある人なら絶対的にオススメ。


以上。


おまけ。その他のお気に入り。
【単発】
とある飛空士への追憶犬村小六
死神ナッツと絶交デイズ:早矢塚かつや
ロミオの災難:来楽零
【シリーズ】
タザリア王国物語:スズキヒサシ
ゆらゆらと揺れる海の彼方:近藤信義
火の国、風の国物語師走トオル
ベネズエラ・ビター・マイ・スウィート/プリンセス・ビター・マイ・スウィート:森田季節
リバース・ブラッド一柳凪