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ライトノベルネタブログ

電撃文庫の新人さんの作品を読んだのでまとめて紹介してみる

大賞

ほうかご百物語 (電撃文庫)

ほうかご百物語 (電撃文庫)


イタチの妖怪「イタチさん」と一緒に、校内に現れる妖怪たちを退治していく話。
ほんのりした萌えとコミカルなやりとりが楽しい。MF文庫Jによくあるようなラブコメ、ただしラブ抜き、みたいな雰囲気の良作です。時雨沢恵一が「普通に女子にもお勧めできる」と書いていますが、イタチさんの愛らしいキャラクターはたしかに万人に受け入れられるものでしょう。ただし、キツネさんは俺の嫁です。

金賞

君のための物語 (電撃文庫)

君のための物語 (電撃文庫)


「ぬはぁ!」が口癖の少々お間抜けな小説家志望と、天然なんだかツンデレなんだかよくわからない超美形魔術師が、いろいろあって友情を深めていく話。
一見すると女性向けっぽいですが、よく読んでも女性向けだと思います。もちろん物語としての面白さは男女共通のものなので、「ケッ、腐女子が喜びそうな設定だな!」という素直になれないあなたにも自信を持ってお勧めできますよ。特に第一章は、この作品のエキスがぎゅっと凝縮されているようで、素晴らしいです。「とりあえず第一章を読め、話はそれからだ」って壁井ユカコも書いてました。

銀賞

藤堂家はカミガカリ (電撃文庫)

藤堂家はカミガカリ (電撃文庫)


異世界からやってきた男女二人組が普通の少年少女を護衛しつつ強大な敵と戦うぜっ!みたいな話。
キャラクターの魅力、ノリの良さ、ストーリーの爽快さは、四作品のなかで一番だと思います。良い具合に肩の力の抜けている感じといいますか、シリアスな戦闘中にいきなり敵味方でネトゲの話題に興じたりするような「軽さ」が楽しい。ただ文章の方が、早足でスキップしてるような感じで、さすがにちょっと「スピーディで明快」すぎると思わないでもない。そのあたりのバランスを上手く調整してくれたらいいなぁ。


under―異界ノスタルジア (電撃文庫)

under―異界ノスタルジア (電撃文庫)


普通の少年が様々な人たちと出会い、怪異に巻き込まれていくという、異能バトル物の王道みたいな話。
上の三作はどちらかというと「軽い」感じでしたが、こちらはかなり重量感があります。特に『藤堂家はカミガカリ』とは線対称の位置にある作品ではないでしょうか。あちらが軽快にパンチを繰り出すアウトボクサーなら、こちらは真正面からストレートを打ち込むインファイター。きちんと地力がある上に、溢れんばかりの中二病的センスも素敵。巻を重ねるごとに上手くなる、鎌池和馬みたいなタイプではないかと思います。



個人的な好みで順位をつけると、

under≧藤堂家はカミガカリ≧君のための物語≧ほうかご百物語

という感じ。下手すれば横並び一直線。飛びぬけて良い作品はなかったですが、飛びぬけて悪い作品もなかった。いつもの「手堅い電撃」というイメージ。それぞれ方向性の違う作品が揃っているあたりもさすがです。


さて、来月からは選考委員奨励賞や最終選考落選組の登場だぜ。楽しみだ。