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ライトノベルネタブログ

マニアックなライトノベルが売れない話、あるいはカジュアルなライトノベルに偏っている話

ぜんぜんラノベを買えなくって禁断症状が出そうな感じの今日この頃ですが、みなさまいかがおすごしでしょうか。新城カズマの新作「15x24」も読めていません。ガッデム。というわけで、どういうわけでもありませんが本日の話題は「あのラノベすっげー面白いのに何で売れないんだよチクショー」です。


新城カズマの新作「15x24」が面白い、のだけど・・・ - 平和の温故知新@はてな
新城カズマの新作「15x24」が面白い、のだけど・・・ - 【世界中の】ub7637と隣り合わせのHIGHな青春【迷宮】


つい先日も似たような話題があった気がします。


紫色のクオリア読書会とライトノベルの限界? な話 - Koto-pinion
ライトノベルには限界がある。ただしライトノベルに限らない - あの頃の僕らは胸を痛めてブギーポップなんて読んでた
こっちは「小難しい設定がついてると商業的に厳しいよね」という話だったと思いますが。


さて。


id:ub7637さんの記事中に、こんな一文があるのですが、

最近のライトノベルは、ジャンルが固定化されてきたというか、こういう類の作品が大きく売れる土壌がなくなってきてるように感じるな。

これに異を唱えてみたいと思います。


思うに、「ジャンルが固定化されてきた」というより「売れるほうに流されている」のではないでしょうかね。「こういう類の作品」=マニア受けするマニアック作品、に対する「売れ線狙いの萌え作品」=気軽に読めるカジュアル作品があるとして、「マニアック作品が大きく売れる土壌がなくなった」のではなく、「カジュアル作品が売れ出したので相対的にマニアック作品が軽視されるようになった」ということなのではないかと。ただしソースもデータもなし。


個人的な印象としては、マニアック作品は当たればデカいが外れることのほうが多く、カジュアル作品は一定以上の数を堅実に売り上げるが爆発的なヒットはない、という感じです。
このへんの話に近いかも。
ニコニコ動画(9)では、「一般化のために“萌え”は押し込めた」 -BB Watch

「“萌え”は手堅いしユーザーも付くが、一般のユーザーは付かない。ニコ動の一般化のために、“萌え”は押し込めてしまうことにした」

音楽の方では、J-POPが低調で相対的に萌え系ソングが上がってきている、という状況ですが、ニコニコ動画はその逆で、市場を大きくするためにマニアックな“萌え”を切り捨てようとしているようです。そしてライトノベルの場合は、さらに市場が小さいので、その中でも手堅く売れる“萌え”に頼ってしまっている、そういうイメージです。
注:ライトノベルにおいては萌え作品が売れやすいのでカジュアル作品=萌え作品となりますが、本来ならば萌え作品はマニアックの側に属するはずのもので、そのあたりややこしいですね。


最近のライトノベルは萌えに走りすぎ。どれもこれも似たような作品ばっかりじゃねーか:【2ch】ニュー速VIPブログ(`・ω・´)
こういう意見もあります。もちろんマニアック作品がなくなったわけではありませんが――それこそ『紫色のクオリア』なり『15x24』なりが出ているわけで――ただ、それ以上に萌え作品が増えている感覚はたしかにあります(「おまえらアニメ化されたような作品しか読んでないだろ」と言いたい気持ちもなくはないですけどw)。
一昔前とは違い、いまやラノベ作品にとって「アニメ化→売り上げブースト」のコンボはかなり現実的な目標であり、そしてカジュアルな要素を持った作品のほうがアニメ化されやすいものである以上、カジュアル作品に偏ってしまうのは仕方がないのかもしれません(とはいえ、案外「売れてないけど評価は高い過去の名作」をアニメ化したほうがヒットが見込めるんじゃないか、とか素人考えで思ったりもするんですが)。


話しがあっちこっちに飛びすぎですが、最初に戻ると、

最近のライトノベルは、ジャンルが固定化されてきたというか、こういう類の作品が大きく売れる土壌がなくなってきてるように感じるな。

マニアックな作品はいまでも出ているし、そういう類の作品が大きく売れる土壌も残っている。しかし、いまのライトノベル業界は、当たり外れの大きい博打のような売り方よりも、カジュアルな萌え作品を手堅く売る方を選択した。そして、それは「固定化」ではなくて、一時的な「流行」に近いものだと思います。十年後には(ラノベというジャンルが残っているとして)、極端なエロだとか、あるいはミステリ・SFだとか、ファンタジーだとか、少年漫画的バトル物だとか、そういうものが流行しているかもしれません。