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「好きなライトノベルを投票しよう!! 2014年上期」投票

好きなライトノベルを投票しよう!! 2014年上期」への投票エントリです。「好きなライトノベルを投票しよう!!」、通称「好きラノ」とは、ライトノベルを読んでいるブロガーが、半期ごとに好きなライトノベルを投票するだけのイベントです。投票の上限は10冊ですが、下限は決まっていませんので、皆さんもお気軽に参加してみませんか。


というわけで、投票です。

俺の教室にハルヒはいない新井輝

もうすぐ3巻が出るみたいで超楽しみ。
【14上期ラノベ投票/9784041011690】

「ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン」宇野朴人

古より精霊たちと共生しつつも、まさに科学が勃興しつつある時代を舞台に、共に軍人となった若者たちの戦いを描く、いまさら言うまでもないくらいの戦記ファンタジーの大本命。万人にオススメできる作品。
【14上期ラノベ投票/9784048664370】

「魔女は月出づるところに眠る」佐藤ケイ

流行りの魔法少女もの…というわけではなく、ダークメルヘン、あるいはダークファンタジーというのか。主人公は小学生の少女で、一人暮らしの老婆から魔法を教わり、魔女の世界に足を踏み入れる。魔女の歴史、残酷な運命、凄惨な現実、そして最後に残った希望が描かれる。上中下巻完結。
【14上期ラノベ投票/9784048664745】

「この恋と、その未来。」森橋ビンゴ

横暴な姉たちに虐げられる毎日から逃げ出して、広島の全寮制の高校へと入学した主人公だったが、そのルームメイトが性同一性障害FtM)だった、という森橋ビンゴお得意の青春路線。女性に幻滅していた主人公は、親友と言えるほど彼と仲良くなるが、肉体の差をどうしても意識してしまい、やがて恋心を自覚する。何気ない日常の描写、男友達と馬鹿やってる感じがすごく良い。
【14上期ラノベ投票/9784047297289】

「夏の終わりとリセット彼女」境田吉孝

夏の終わりとリセット彼女 (ガガガ文庫)

夏の終わりとリセット彼女 (ガガガ文庫)

美人で、正義感が強くて、生真面目すぎる風紀委員として恐れられるヒロインが、事故で記憶を失ってしまう。対する主人公は、他人の気持ちが怖くて向き合わおうとせず、嫌なことからは何でも逃げ出す、本当に駄目な奴で、でも彼は記憶を失う前のヒロインの「恋人」だった。正反対のように見える彼らがなぜ恋人同士だったのか。再び築かれていく二人の関係を描く青春恋愛もの。こういう青臭い主人公は大好き。
【14上期ラノベ投票/9784094514889】

「代償のギルタオン」神高槍矢

代償のギルタオン 2 (集英社スーパーダッシュ文庫)

代償のギルタオン 2 (集英社スーパーダッシュ文庫)

戦争が続く荒廃した世界。大きな代償を支払うことで強力な能力を振るう人型兵器「ギルタオン」の搭乗者たちと、そして戦争に巻き込まれた姉弟の物語。そしてこの第二巻は、2014年最優秀「ざまあ!!!」大賞というものがあれば、間違いなく受賞しているであろう作品。あなたも是非読んで腹の底から「ざまあ!!!」と叫びましょう。
【14上期ラノベ投票/9784086307741】

「特別時限少女マミミ」斧名田マニマニ

成金の娘で、オタクで、コミュ障で、美少女が大好きな少女が主人公。「特別時限少女」と呼ばれる異能の少女たちに魅せられた彼女は、テレビ番組を企画して特別時限少女をプロデュースし、成功を収める。しかしブームはあっというまに過ぎ去り、番組を黒字にしなければ打ち切りだと告げられ、彼女は自身も特別時限少女として出演することを決意する、という感じ。かなり癖の強い作品だけど百合百合していて楽しい。
【14上期ラノベ投票/9784086307826】

「最終戦争は二学期をもって終了しました」扇智史

主人公とその仲間たちが悪の組織をすっかり倒したあと、遅れてやってきた正義のヒロイン。最初は刺々しかったものの、やがて平和に慣れていくヒロイン。しかし未だ街には戦いの跡が残る。異能の力を持て余した少年はむなしく戦いを求め、悪の組織の復活を目指す少女は、しかし主人公たちにすら相手にされない。いわゆる異能もののパロディであるがギャグではない。全ての戦いが終わったあとの風景がコミカルかつノスタルジックに描かれている。
【14上期ラノベ投票/9784758045469】

「ルガルギガム」稲葉義明

現代の高校生が、いまだ神が支配する古代メソポタミアに飛ばされて、魔物が巣食う旧市街を探索するダンジョン・ファンタジーであり、女神と崇められる少女との関係を深めていくボーイ・ミーツ・ガールでもある。異世界に来てから身につけた異能を武器に逞しく生きる主人公と、主人公のことが大好きな小悪魔なヒロイン、主人公と同じく「外」からやってきた人たち、活気あふれる町、恐ろしい魔物、そして神々の世界。雰囲気が非常に良い。上下巻完結。
【14上期ラノベ投票/9784047295582】

「王手桂香取り!」青葉優一

王手桂香取り! (2) (電撃文庫)

王手桂香取り! (2) (電撃文庫)

将棋の駒が擬人化するという設定を除けば、かなりストレートな将棋ラノベであり、将棋の駒たちから特訓を受けてひたむきに強くなっていく主人公を描く。正直、一巻はそれほどでもなかったんだけど、二巻で「王将」の擬人化である女王様が出てきて化けた感がある。出来の良いスポーツものだとかを読んでいると、読んでいるこちらも思わず息を詰めるようなギリギリの緊迫感を味わうことがあるけれど、この作品にはそれがある。三角関係にも期待したい。
【14上期ラノベ投票/9784048666237】

「All You Need Is Kill」と「オール・ユー・ニード・イズ・キル」

映画版「オール・ユー・ニード・イズ・キル」のストーリーは、原作「All You Need Is Kill」から大きく変わっているが、その中でも特に気になった点について述べることで、映画版の感想の代わりとする。以下、多少のネタバレがある。


最初に軽く説明しておこう。AYNIKは「ガンパレード・マーチ」や「マブラヴ オルタネイティヴ」のような異種侵攻ものの系譜に属している。人類は正体不明の怪物たちとの戦争において長く劣勢を強いられている。その戦場で主人公はタイムループに陥る。
ループものと言えば、今なら「シュタインズゲート」などが思い出されるかもしれないが、AYNIKの特徴は、シュタゲのようなパズルじみた時系列、バタフライ効果による状況の変化、といった要素に重きを置かない点にある。
AYNIKのタイムループは単純明快で、それは「斬り覚える」ための設定である。ループ中にいくら体を鍛えても、時間がリセットされれば肉体も元に戻る。なぜループを繰り返すと主人公は強くなるのか。経験である。実際の戦場でひたすら斬り覚えることによって主人公は強くなるのである。
…というようなところは、原作でも映画でもあまり変わっていない。では何が変わっているのか。


ひとつは、ヒロインであるリタ・ヴラタスキが、ループ能力を既に失っているという点である。
原作はボーイミーツガールの物語である。戦場の数日間に閉じ込められ、人類のためにたった一人で戦い続けていた中で、初めて「自分と同じ存在」と出会う。ふたりだけの時間、奇跡的なひとときを共有する。だからこそ、その出会いは劇的に、その別れは切ないものとなる。
しかしリタにループ能力がなければ話が違ってくる。映画でのリタはかつてループを体験した「先輩」にすぎない。いまや唯一のループ能力者であるケイジに訓練を施す教官であり、彼と共にギタイの殲滅を目指す戦友である。しかし、ギタイに対抗できる唯一の手段を失っている時点で、ケイジと同じ「主人公」には、リタはなりえない。
「少年と少女の出会いと別れ」というセンチメンタリズムを捨て、「世界を救えるのはたった一人だけ」というヒロイズムを選んだ、といったところだろうか。


もうひとつは、敵であるギタイが、宇宙からの侵略者になっているところである。
原作でのギタイは自律思考を持った惑星改造用マシンである。人類がいるとも知らずに遥か遠くの星から地球に送り込まれたものである。
人類が必死に戦っている相手が人類を認識すらしていないただの工作機械だった…という非対称的な設定が、原作を読んだ時に印象に残っていたのだが、映画でのギタイは地球を侵略する宇宙人そのものであり、地球人を殲滅するために戦略を考え、ケイジを始末するために囮を使ったりもするのである。
ちなみに、ギタイサーバがタキオン通信で過去に情報を送る云々のSF的な設定も、映画では「時を操る能力」という漠然としたものになっている。もちろん意味のない改変ではないのだが。
ともかく、原作はあくまで「ケイジとリタの物語」なのだが、映画では最後まで「人類とギタイの戦争」が中心となっている印象だ。


と、二つの「改変」について書いてきたが、当然ながら「原作に準拠していないからダメ」と言うつもりはない。映画自体は非常によく出来ている。戦場に降り立ったパワードスーツの兵士たちが、秩序もクソもなくわらわらと突っ込んでいって、いとも簡単に死んでいく戦闘描写は新鮮で面白かったし、ギタイのビジュアルも素晴らしく、俊敏で強靭な「異生物」感が、圧倒的な絶望を掻き立てる。アメリカ製のアクション映画の豪華さと爽快さ、そこに日本製のライトノベルのエッセンスがふわりと香る、そんな映画だったと思う。


もしあなたが映画だけを観てまだ原作を読んでいないなら是非とも読んでみて欲しい。映画とはまったく違う物語があなたを待っている。あるいは原作にわりと忠実な漫画版もオススメだ。
そして同作者の作品が気になったなら、オンライン対戦の格ゲーに没頭する青年を描いた『スラム・オンライン』や、コンピュータプログラムとして魔法を操る現代の魔女たちの活躍を描いた『よくわかる現代魔法』も読もう。いずれ劣らぬ傑作である。さあ読もう。いますぐ買おう。

桜坂洋 作品一覧│電子書籍ストア BOOK☆WALKER


All You Need Is Kill (JUMP j BOOKS)

All You Need Is Kill (JUMP j BOOKS)

All You Need Is Kill 1 (ジャンプコミックス)

All You Need Is Kill 1 (ジャンプコミックス)

All You Need Is Kill 2 (ジャンプコミックス)

All You Need Is Kill 2 (ジャンプコミックス)

よくわかる現代魔法〈1〉 (集英社スーパーダッシュ文庫)

よくわかる現代魔法〈1〉 (集英社スーパーダッシュ文庫)

ライトノベルのイラストは売上アップの特効薬ではない

昨日今日で話題になっている以下の騒動。

炎上作家、でした : 世界に愛を心には萌を
15分でわかった気になれる幾谷正氏の非公式宣伝活動と艦これ圧力の話 - Togetterまとめ

単純に言えば、作家がイラストレーターに販促を頼んだら断られた、という話なんですが、作家がものすごく精神的に追い詰められていて、それで事態が悪化・拡大してしまった、という印象を受けました。同情するけど擁護はできないという感じ。悲劇的ですね。


騒動の原因の一つとして「幾谷氏がイラストレーターに期待しすぎている」ということが挙げられると思います。

イラストレーターのファンが少しでも買ってくれたら」くらいの気持ちだったら分かるんですけど、ブログを読むかぎり、「有名イラストレーターでないとまったく勝機がない」というほどまで思い詰めていて、その考えを編集者やイラストレーターに押し付けてしまったようです。

ライトノベルはイラストがすべて」みたいな話はよく聞きますよね。ライトノベル板のデフォルト名無しさんは「イラストに騙された名無しさん」ですし、最近のラノベの表紙がどうだという話題もたびたび目にします。

幾谷氏がイラストレーターのネームバリューに頼るしかないと考えたのも、「ライトノベルはイラストがすべて」と言われていることが影響したのだろうか、と思うわけです。


ライトノベル読者からすれば、あんなものは単なるネタというか、大袈裟に言っているだけなんですよ。

そりゃあ、イラストに惹かれて本を手に取ることはありますよ。「いい表紙だな」と思えば作品への興味も湧きます。イラストが作品の重要な要素の一つであることは確かです。でも「イラストさえ良ければ内容は気にしない」とか「表紙がダメなら買わない」だなんて、そんなことはまったくありません。

「有名イラストレーターが表紙を描けば売れる」というのもよくある偏見で、有名なイラストレーター、上手いイラストレーターが担当していたって、ぜんぜん売れなかった作品はいくつもあります。

ラノベがアニメ化されると「ストーリーはつまらないけどイラストは好き」「イラストの力で売れただけだろ」などと揶揄する奴らが湧いてきますが、同じイラストレーターの別のラノベには見向きもしないんですよ、あいつら。「イラストが良いから」で売れるなら、あの作品だって、あの作品だって、あの作品だって、打ち切られずに済んだはずなのに…うごごご!


安易なラノベ叩きに対しては猛反論するラノベ読者ですが、この「ライトノベルはイラストがすべて」という言説については、あまり強くは反論されてこなかったように思います。それが今回のような事態につながったのなら不幸なことです。

というわけでここではっきりと告白しておきます。

ぶっちゃけそこまでイラストにこだわってません。

「創作」を登山にたとえるか採掘にたとえるかという話

つまり、遥か高みに目指すものがあって、みんながそれに向かって一斉に登っている、というイメージ。


もちろん山はいくつもあるんだろう。高いものから低いものまで、険しいものからなだらかなものまで、美しい景色から奇怪な景色まで。


目指すところが高く険しくなるほど登山は難しくなる。美しい景色があれば登山者も多くなる。そして、最も早くその山の頂上に登った者が、最大の栄誉を得られる。


それが「登山」だ。


一方で、地面を掘ったら価値のあるものが出てきて、それを目指して多くの人が集まってくる、というイメージもある。


彼らの目的は、地面に埋まっている金銀宝石を全て掘り出すことである。あるいはガスや石油かもしれない。とにかく掘りまくるのである。


なにか価値のあるものが出てきたら、その近くに同じものが、また埋まっているかもしれない。だからみんなで寄ってたかって同じ土地をひたすら掘り返す。掘り尽くしたら次の土地へ行く。最も多くのものを掘り出せた人が最も富める者である。


それが「採掘」である。


「創作者」という集団の最大目標は、最も高いところに到達することなのか、それとも全てを掘り出すことなのか。


たとえば、「小説家になろう」のランキングに載っている作品の大半(そうでない作品も多くあるためのエクスキューズ)は、「採掘」のほうだろう。あそこでは「異世界ファンタジー」という土地がひたすら掘り返されている…もちろんまだまだ手付かずの土地が死ぬほど残っているだろうが。


確か『ログ・ホライズン』の橙乃ままれもどこかで書いていたが(いまiPhoneから書いているのでソースを探す気力がない)、2chやニコ動などのWeb上の創作コミュニティは多かれ少なかれ「採掘」寄りのところがあると思う。


で、そういうのが「登山」側の人と非常に相性が悪くて、「あそこではみんなが同じことばかりしている」みたいな批判をされたりする。高みを目指さない、と言うわけだ。


いや、創作者の側は別にそうでもなくて、自分の作るものしか気にしてなくて、ただ読者の方が「創作者たるものひたすら最高峰を征服すべし」とか「創作者たるもの掘って掘って掘りまくるべし」とか勝手に要求しているだけかもしれない。


ちなみに俺は「採掘」を要求するタイプの読者です、どっちかと言うと。

Kindleを使うべきか?BOOK☆WALKERを使うべきか?

電子書籍ライトノベルを買うとなると、おそらく「Kindle」か「BOOK☆WAKLER」の二択になると思いますが(他のストアを使っている人がいたらすみません)、ラノベ読み的にはどちらのほうが良いのでしょう。


個人的にはB☆Wを使っています。電子書籍ストアとしては致命的なほどシェアの少ないB☆Wですが、それをなぜ利用しているかと言えば、運営元のKADOKAWAラノベを多く出している出版社だからです(もちろんB☆WではKADOKAWA以外の出版社のラノベも買えますよ)。


参考
Kindleストア利用者が半数越え――OnDeck電子書籍ストア利用率調査 - ITmedia eBook USER
やっぱりラノベはBOOK☆WALKERだった・・・ #ララノコン | ビバ☆電子書籍! 出版社の大挑戦せきらら日記


一方のKindleは、世界中から絞り上げた資金力と、ハード・ソフト両面での技術力を備えており、日本国内でもシェアNo.1で絶好調。ライトノベルと関係なければ俺だってKindleを使うと思います。


では、「どちらが使いやすいか」とかではなくて、「俺の好きなライトノベル作家たちの利益になるのはどちらか」ということを考えてみましょう。


単純に考えれば、KADOKAWAが儲かったほうが良いだろうと思います。Amazonが他の電子書籍ストアを駆逐して、好き放題に値段をつけはじめたり、勝手な基準で作品を削除しはじめたりしたら大変なわけで、そこはKADOKAWAの方を信頼しているわけです。


しかし、そこで「セール」というやつが絡んできます。たまに半額セールだの80%オフだのを見かけますよね。KindleのセールはAmazonが自腹を切っているらしいのですが、となるとB☆WのセールはKADOKAWAが自腹を切っているということになります。そんな金があるなら作家さんに還元してやれよ、と思うのですがさておき。


Kindleセールに乗っかっても(短期的に)損をするのはAmazonだけなのでいいのですが、B☆Wセールに乗っかったときに値引き分だけKADOKAWAの業績が悪化したとすると、それは回りまわって作家さんの方にしわ寄せがいくんじゃねえの、と思うわけです。


そもそも百戦錬磨のラノベ読みなら、セールされようがされまいが買いたいものはすべて買うわけで、ストアの方だって「おまえらのために割引してるんじゃねえよ」って感じでしょう。普段はあまり本とか読まないけどこんなに安いから買ってみるか、という人がターゲットじゃないんですか。


関連
電子書籍の半額セールは本当にマンガ好きにとって福音なのか? KADOKAWAセールのインパクトと電書市場の未来像 | nelja


というわけで「電子書籍ライトノベルを買うならセールやってないときのBOOK☆WALKERで買うべし」という結論になったんですが、いかがでしょうか。


追記
あ、それとKADOKAWADWANGOの合併で、BOOK☆WALKERアプリやストアの改善を期待したいところ。いずれは「資金的にも技術的にもKindleよりB☆Wの方が優れているんだから迷うことないよね」ってなくらいになってほしいものです。(ニコニコの電子書籍もしょぼいから期待できないとか言ってはいけない)

2010年以降限定でオススメのライトノベル15選

偏読家が選ぶおすすめライトノベル10選 - ぐるりみち。
という記事のブックマークコメントで、

ラノベ界は2000年代後半が一番アブラ乗ってた印象。

などと書かれていてムキーッとなったので

・1巻が2010/1/1以降に刊行されたシリーズ物
・まだアニメ化されていない

という条件でオススメを選んでみた。

ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン

ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (1) (電撃文庫)

ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (1) (電撃文庫)

不思議な力を持つ「精霊」と共生してきた世界の、まさにいま科学による変革が起こらんとする激動の時代に、古き帝国を改革しようとする皇女と、その同志である5人の若者たちの活躍を描いた群像劇。

2010年以降のラノベの流れの一つとして「ファンタジーの復権」が挙げられると思うのですが、そのうちの戦記ファンタジーにおける代表格は、この『アルデラミン』になるんでしょうね。

グランクレスト戦記

優秀な魔法師であるシルーカと、その彼女が仕えることになった流浪の若者・テオの二人が、君主としてその名を轟かせ、あるいは騎士として異形の者たちと戦う、壮大なファンタジー。

『アルデラミン』が才気走った新星とすれば、『ロードス島戦記』の水野良が放つこの大作はまさに大御所の貫禄と言えるでしょうか。ロードス25周年ということもあって、レーベルを越えてTRPGのリプレイが出るわ、シェアードワールド作品が出るわ、すごい盛り上がりを見せています。

覇剣の皇姫アルティーナ

覇剣の皇姫アルティーナ (ファミ通文庫)

覇剣の皇姫アルティーナ (ファミ通文庫)

運動はからきしだが膨大な知識を蓄えた少年・レジスと、辺境に追いやられるも高い志を捨てない皇姫・アルティーナの二人が、手を取り合って皇帝を目指す王道の戦記ファンタジー。と言っても魔法や怪物などの超常的な要素は登場しないので、架空の国の歴史を描いたと言う方が正しいのだろうか。巻ごとに手を替え品を替えて読者を飽きさせない、丁寧な作りが素晴らしいです。

この素晴らしい世界に祝福を!

「戦記ファンタジー」とは異なるもう一つの流れ、「Web小説発の召喚転生ファンタジー」の中からは、まずこの作品を。
異世界に転生した主人公が、おバカな女神、爆裂魔法しか使えない魔法使い、ドMな女騎士といった仲間に囲まれて苦労しながら、冒険者として奮闘する。作風としては完全なコメディでして、『魔方陣グルグル』を彷彿とさせるギャグの切れ味が素晴らしく、残念すぎるヒロインたちもたいへん魅力的です。

Re:ゼロから始める異世界生活

Re:ゼロから始める異世界生活1 (MF文庫J)

Re:ゼロから始める異世界生活1 (MF文庫J)

こちらもWeb小説発ファンタジー。死んだらやり直しのループ系ファンタジー。主人公の人好きのする剽軽さ前向きさと、何度も何度も何度も何度も死んでいく苦しさのコントラストが素晴らしい作品です。

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか (GA文庫)

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか (GA文庫)

またまたWeb小説発ファンタジー。召喚されたり転生されたりはしないダンジョン攻略モノです。様々な神様たちが暇潰しに地上に降りてきているファンタジー世界を舞台に、健気で一生懸命な少年の急激な成長と多難な恋路が描かれます。主人公萌え。

僕と彼女のゲーム戦争

僕と彼女のゲーム戦争 (電撃文庫)

僕と彼女のゲーム戦争 (電撃文庫)

現実よりもゲームが盛んな日本という設定で、高校の部活動として実在のゲームをプレイしていくという話のキャッチーさからすると、『なれる!SE』くらい話題になってもいいと思うんですよね。いわばゲーム実況動画の小説版のようなものでして、ゲーム好きはもちろん、「他人がやっているのを見てるだけ」という人にもオススメですよ。

子ひつじは迷わない

ラノベとミステリは合わないなんて誰が言ったのか。生徒会に寄せられるお悩み相談をずばり解決する連作短編型の日常系ミステリ。病的なお節介焼きの主人公と、目付きと口が悪い探偵役のヒロインの組み合わせ。ヒロインがほっとんどデレずに最後まで主人公をゴキブリ扱いしているのが素敵なんですよ。

サイハテの救世主

ムシウタ』の岩井恭平が贈るスペクタクルアクションディザスターノベル(なんだそれ)。沖縄のとある町に住み着いた自称・人類最高の天才である主人公が、天才なんだか分からないうちに、地元住民のお節介と、そして世界滅亡レベルの「災厄」に巻き込まれていく。

岩井恭平という作家は、デビュー作から「天才」をテーマにしておりまして、それから10年近くを経て到達した一つの結果がこの傑作だというわけです。あと『ムシウタ』完結おめでとうございます。

俺の教室にハルヒはいない

新井輝という稀有な個性を持つライトノベル作家が、『涼宮ハルヒ』に始まるラノベのアニメ化ブームの中で、アニメ脚本家としてもキャリアを積んだあとの、まさに2010年代でしか出来ない作品! …と書くとかなり無理やりな感じですが、しかし今ここで「ハルヒ」の名を冠しての新井輝! というのはやはり感慨深いのです。

神明解ろーどぐらす

神明解ろーどぐらす (MF文庫J)

神明解ろーどぐらす (MF文庫J)

ネタ元のほうで石川博品が紹介されているので、こちらではもう一人の奇才・比嘉智康の作品を紹介しましょう。 「ろーどぐらす」を直訳すると「道草」…というとおり、下校に憧れる主人公と彼を囲むヒロインたちのだらだらとした下校風景を描いた日常系コメディである。…コメディ? いや、それは途中までの話にすぎない! その先に待ち受ける恐るべき神展開とは…!?

空色パンデミック

空色パンデミック1 (ファミ通文庫)

空色パンデミック1 (ファミ通文庫)

患者の空想が周囲を巻き込んでそのまま現実になる病気、というアイディアだけでもう勝利が決定しているようなもの。大真面目に邪気眼なキャラクターを演じる登場人物たちを笑っていたら、読者までもが現実と空想の区別がつかない状態へと引きずり込まれてしまうのです。
いま注目度No.1のライトノベル、第11回えんため大賞優秀賞『空色パンデミック』! - WINDBIRD


丘ルトロジック

世界征服を企む邪悪なる怪人たちが集う「丘研」の活動を描いたクライム青春小説です。もちろんギャグでもパロディでもないですよ。シリアスですよ。人ならざる異常者たちが人々から「美しい世界」を取り戻す話です。この溢れんばかりの中二病スメル。最高すぎる。あと今度、作者の新作が出るそうです。やったぜ。
シリアスな「悪の組織」ものとしてのライトノベル『丘ルトロジック』 - WINDBIRD


俺はまだ恋に落ちていない

俺はまだ恋に落ちていない (GA文庫)

俺はまだ恋に落ちていない (GA文庫)

『丘ルト』のあとに紹介すると余計に清らかすぎるように思えて気恥ずかしいくらいの青春ラブコメなのです。どこにでもいる普通の…けれども心に熱さを秘めた主人公が、親友の二人の妹たちと出会って、三角関係にもつれこんでいく。修羅場はたっぷり、でも爽やかな読後感の良作です。

アイドライジング!

アイドライジング! (電撃文庫)

アイドライジング! (電撃文庫)

図らずも2010年代はアイドル戦国時代。現実だけでなく二次元の中でもアイマスモバマスラブライブWUGアイカツプリリズなどなどアイドルたちがひしめいています。ではラノベ界のアイドルと言えば? そう、アイドライジングだ! 可愛らしいアイドルたちの明るく楽しく健全なバトルを堪能できる珠玉の逸品。是非ご堪能いただきたい。
「タイバニ」「ゆるゆり」「アイマス」のファンにおすすめするライトノベル『アイドライジング!』 - WINDBIRD


いやー、キリよく10作品くらいに収めようと思ったけど大幅にオーバーしちゃったわー。
2010年代のラノベはアブラ乗りすぎてつらいわー。

真のライトノベル文学史

(注・この記事は2014年の4月1日に書かれました。それを踏まえてお読みください。)

少し前に、文学と絡めたラノベ史について語られたまとめ記事が話題になりましたが、一方でそこに含まれる多数の誤りについて、ラノベ読みの側から激しいツッコミが入っており、ちょっとした炎上のようになっています。

【ラノベ】作家を馬鹿にしているガキどもちょっと来い【文学史】
【ラノベ】作家を馬鹿にしているガキどもちょっと来い【文学史】に対するツッコミ - Togetterまとめ

誤った史観が流通するのは残念ですが、こうして出る杭を叩くだけで議論が終わってしまうのも悲しいものです。

ここであらためて私が知る限りのライトノベルと文学の関係史をまとめておきたいと思います。



まず「ライトノベル」という呼称ですが、この手の言葉には珍しく、由来がはっきりと判明しています。19世紀の「ダイナマイト王」アルフレッド・ノーベルの息子で、作家だったライト・ノーベルがそうです。

ライト・ノーベル - Wikipedia

ライト・ノーベル(Wright Nobel, 1863年10月21日 - 1946年12月10日)は、スウェーデンの小説家。ダイナマイトの発明で知られるアルフレッド・ノーベルの子。

作家であったライトは、父が創設したノーベル賞受賞の栄誉を渇望し、そのためだけに小説を書いていたとすら言われています。

ノーベル文学賞はもともと「理想的な方向性の文学(in an ideal direction)」に対して贈られるものとされており、そのため初期には理想主義的な文学に賞を与える傾向がありました。

これについてライトは「悪人がいないのが理想の世界だ!」と解釈し、悪い人間がまったく登場しない平和で萌え萌えな小説を書きました。これが西欧初のライトノベルだと言われています。

余談ながら、このライトの思想をパロディにしたのが、漫画『デスノート』(「ライト」という名前の主人公が理想の世界を作るために悪人を殺していく)だというのは有名な話ですね。

作品の内容はというと、「死の商人」と呼ばれて嫌われていたアルフレッド・ノーベルが、ノーベル賞の各部門を擬人化した美少女たちと一緒に、自身の名声を上げるために様々なことに挑戦するという日常系ラブコメになっています。

父は名声が少ない (MF文庫J)

さて、ライト・ノーベルが提唱したこの一種の文学運動は、ライト自身がとうとうノーベル文学賞を受賞できなかったことからも分かるように西欧では定着しませんでしたが、当時イギリスに留学中だった日本人が、ライトの小説を母国に持ち帰ったことで、明治期の言文一致運動に大いに影響を与えることになりました。

その日本人こそ、かの文豪・夏目漱石です。

漱石がライト・ノーベルの小説を邦訳するとき、「Wright Nobel」を人名ではなく小説の種別のことだと勘違いして、「Light Novel」すなわち「軽小説」と誤訳してしまいました。

後に漱石は自らの間違いに気付きましたが、既に「軽小説」という訳語が広まってしまっていて、訂正ができなかったと言います。

ちなみにこのとき、「ライトノベルは人名だったんだ」と主張する漱石に対して、高浜虚子は「お前がそう思うんならそうなんだろう、お前ん中ではな」と冷ややかに反論しており、これが日本初の「ラノベ定義論」だったと言われています。

2ちゃんねるライトノベル板に「あなたがそうだと思うものがライトノベルです。ただし他人の同意を得られるとは限りません。」と注意書きされているのが、このエピソードからの引用だということは言うまでもありません。

その後のことは皆さんが国語の授業で習ったとおりです。

漱石が執筆した猫耳ブコメ吾輩は猫である』(通称『はである』)を始め、芥川龍之介の仙術バトルラノベ杜子春』、太宰治のBLラノベ走れメロス』、あるいは谷崎潤一郎フェティシズムに溢れたエロラノベ群など、多くの傑作ライトノベルが上梓されてきました。

さらに、荒木飛呂彦の挿絵で出版された萌えラブコメ伊豆の踊子』を代表作とする川端康成と、「蜜三郎」などいかにもラノベらしいネーミングセンスを駆使したスポーツラノベ万延元年のフットボール』の大江健三郎が、それぞれノーベル文学賞を受賞しています。

ライト・ノーベルの影響を受けた日本の作家たちが、数十年を経て彼の宿願を達成するなんて、歴史のロマンを感じますよね。

いまでは昔のライトノベルなど教科書以外ではあまり読まれないでしょうし、また読むことを無理強いする必要もありませんが、ライトノベルの歴史を語るとき、100年前に異国で生まれた「早すぎたラノベ作家」のことを、せめて記憶の片隅にとどめていて欲しいと思うのです。

俺TUEEEという言葉にまつわる取り留めもない話

自分のブログを「俺TUEEE」で検索してみたところ、『火の国、風の国物語』(2007/7刊行・2007/12読了)を読み終えた頃からこの言葉を使い始めているようだ。『火風』の一年前に刊行された、同じく最強主人公の『鋼殻のレギオス』(2006/3刊行)については、発売直後に読みつつも「俺TUEEE」とは書いていない(単に「最強主人公」と表現)。

鋼殻のレギオス (富士見ファンタジア文庫)

鋼殻のレギオス (富士見ファンタジア文庫)


いずれにせよ、この『鋼殻のレギオス』『火の国、風の国物語』という最強主人公の二作品が相次いで世に出たことが、「俺TUEEE」というジャンルを個人的に意識するきっかけとなった。一時は「俺TUEEEといえば富士見F」というイメージが刷り込まれていたくらいだ。


さて、その「俺TUEEE」という表現であるが、もともとはゲーム界隈、特にネトゲあたりで「独りよがりな活躍」をしたがるようなプレイヤーに対する蔑称、あるいはそういったプレイを好むプレイヤーが自虐的に用いる呼称であったらしい。あまり参考にならないが、Googleで日付指定してみると、2001年や2002年の使用が確認できる。2000年前後から使われ始めたのだろうか。


2ch全体では2006年頃から広まりはじめたようだ(似た用法の「SUGEEE」も参考に)。
「TUEE」のスレッド検索 | ログ速
「SUGEE」のスレッド検索 | ログ速


ではライトノベル板ではどうだったのだろうか。
鋼殻のレギオス』の雨木シュウスケスレの過去ログを漁ってみると、その初代で、

302 :イラストに騙された名無しさん:2006/05/29(月) 22:54:43 id:OmS6zvt+
最底辺だからこそフォンフォンが俺TUEEEEE出来るんだろ
まあフォンフォンから見ればどこの学園都市もどんぐりの背比べなんだろうけど


とあるのが、雨木スレにおける最古の使用例である。
それから半年ほど飛んでpart5の、

420 :イラストに騙された名無しさん:2007/01/27(土) 20:36:31 ID:g+gNsK80
今回の多対一は、フォンフォンTUEEEEE!ではなく、初めは気苦労で
ひーこら言ってたのに、今では自在に手加減出来るようになった事が
大きいんでないかい?鋸との会話もそうだけど、武芸者をやめる為に
ツェルニに来たのに、気付けば天剣として必要な一般人や並の
武芸者との付き合い方を会得しつつあるというのが皮肉やね。


という書き込み、また半年ほど飛んでPart7の、

787 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 12:58:18 ID:6kpwpeAa
俺TUEEEのギャルもの且つうだうだしてるのがよかったんだが
ここで深遠な世界の成り立ちを持ってこられてもこまる。
重視すべきところをまちがえないでいってほしいものだ。


という書き込み。
そこから、
Part8(2007/08/23~2007/11/9)では4レス
Part9(2007/11/09~2008/02/03)では2レス
Part10(2008/02/03~2008/03/12)では6レス
と、このあたりでほぼ定着した感がある。


やはりと言うか何と言うか、俺が使い始めた時期とだいたい一致する。この頃はまだ2chをよく利用していたからなあ。


ちなみに『火の国、風の国物語』の師走トオルスレにおいては、Part4の、

129 :イラストに騙された名無しさん:2008/09/21(日) 00:37:09 ID:2++a+GA1
俺TUEEEEは好きなんだけど、
毎回だとカタルシスが足りなく感じられるな


が初出か。


2008/04/16には、今も続く「俺TUEE系ラノベを語ろう!」スレの初代が立てられている。
俺TUEE系ラノベを語ろうスレ Wiki*



「俺TUEEE」の類語である「無双」については、面白いことに『レギオス』のスレでは全く使われていないのに対し、『火風』のスレでは発売直後から使われているという違いが見られる。


というか、『火風』という作品そのものと、ゲームの「真・三國無双」を重ねあわせているような発言が多い。

212 :イラストに騙された名無しさん:2007/10/23(火) 20:23:53 id:NWuccfei
大団円好きには是非共通の敵発生を望むところ。
アレスはRPGよりも無双な気がしないでもない。

218 :イラストに騙された名無しさん:2007/10/24(水) 02:02:00 id:AAN2AXCd
王国側ってRPGというより無双じゃないかな?
なんかファンタジー無双を小説にしたような感じがする。

219 :イラストに騙された名無しさん:2007/10/24(水) 09:43:33 id:XeYQAELu
無双ってこんな感じか?


アレス「ふん、ふん、ふん、てやっ」
アレス「敵将、討ち取ったり!」


ローラン「他の者もアレスに遅れをとるな!」


エレナ「義兄さん出過ぎよ!自重して!」


ジェレイド「今です。伏兵部隊、本陣を強襲しなさい」


アレス「ふん、ふん、ふん、ふん」

477 :イラストに騙された名無しさん:2008/01/20(日) 00:42:28 id:uSylpny1
>>476
周りの皆が『信長の野望』やってるのに、一人だけ『戦国無双』状態だもんなあ。

478 :イラストに騙された名無しさん:2008/01/20(日) 01:00:25 id:xIo7yWbs
いや、信長の野望もかなり無双できるよ?
革新の謙信様とか謙信様とか謙信様とか
あと、武将風雲録あたりも戦闘98以上は無双状態だったな、裏補正で2倍されるから

まぁ、言いたい事は分かるけどね
オマケに上杉謙信なら混乱させれば何とかなるけど、宇佐美がついてるから手の打ち様がないなw

というか、このあたりのやりとり、めっちゃ見覚えあるな…。


個人的な「俺TUEEE」のイメージも、やはり『真・三國無双』に拠るところが大きい。無数の敵を圧倒的な力でもってバッタバッタと薙ぎ倒していく感じ。一騎当千の爽快感。


とは言え、ブログやTwitterの過去ログを漁ってみても、自分の「俺TUEEE」の用法はけっこうバラバラなので、あんまり細かいことを意識せずに使っていることは確かである。


なんだかぐだぐだと語ってしまったが、もともと「使い始めた頃はこんな感じだったなあ」というくらいの話をTwitterに投下するつもりだったのが、過去ログを漁り始めたら止まらなくなってしまっただけなので、特に結論らしい結論はない。


あ、『火の国、風の国物語』はめちゃくちゃ面白いからみんな読むべき!


火の国、風の国物語シリーズ 作品一覧│1ページ目・全て表示│電子書籍ストア BOOK☆WALKER

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リアル書店とネット書店と電子書籍

だいぶ電子書籍にも慣れてきたので、リアル書店とネット書店と電子書籍(の販売サイト)を比較する形で、だらだらと感想を述べてみたいと思います。


まずリアル書店


長所は「買いやすい」こと。広い空間に実際に本を並べているので、客はざっと見て回ることができますし、店の側もディスプレイに凝れる。買ったら即座に実物が手に入るというダイナミックさも良いですよね。


短所は「品揃えが悪い」こと。今日行った書店も、新刊がいくつか売り切れてるとか、ちょっと古い作品がもう置いてないとか、シリーズのうち3巻だけ抜けてるとか、シリーズの2巻が面陳されているのに1巻は無いとか。仕方がないっちゃ仕方がないんですけど、やっぱりリアル書店の弱さですよね。


次にネット書店。


長所は「品揃えが良い」こと。よっぽど売れているか、あるいは絶版でない限りは、たいていの本を探して買うことができます。欲しい本を求めてリアル書店をいくつも回っているといいかげん疲れてきて「もうネットで買っちゃおうかな」ってなりますよね。


短所は「買いにくい」こと。配送までに時間がかかるし、受け取りが面倒だし、決済の方法を準備するのも大変だし。


あとリアル書店と比較して「Webページの狭さ」っていうのは地味に重要なところだと思うんですよね。リアル書店が長さ数mの棚をどーんと用意している一方、Webページは小さなディスプレイに収めないといけない。そりゃAmazonの全てのページを足し合わせれば物凄い広さになるでしょうけど、ひとつひとつのページを見れば小さなサムネイルを二十冊分ほど整列させるのが限界で、並べ方にバリエーションを持たせることも難しい。


そして電子書籍書店(って言うのか?)。


こちらはもうリアル書店の悪いところとネット書店の短所を合わせたような感じですよね。つまり「品揃えが悪くて」「買いにくい」。まあ、売り切れがないのと、受け取りの問題がないのとで、ちょっとずつマシではありますが。


品揃えについては、おそらく出版社は「電子書籍が根付いたら本腰入れて商品揃えたるで!」と考えていて、消費者は「まともな品揃えになったら本格的に電子書籍に移行するで!」と考えていて、結果としてまったく進まないというジレンマ。


電子書籍の最大の特徴はもちろん「書籍をデジタルデータで入手できる」という点にあるわけで、そのぶん「書店」としての機能はあんまり顧みられていないんですかね。これから「品揃え」と「買いやすさ」を改善していってもらえれば、逆に最強になるのかも。


BOOK☆WALKERのサイトとかもっと使いやすくなりませんかねー。普通に閲覧してるだけなのにタブがどんどん増えていくのとか止めてほしいんですけどねー。やたら安売りとかポイント還元とかするのもなんだかなーみたいな感じですしー。