- 作者: 師走トオル,光崎瑠衣
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2009/11/20
- メディア: 文庫
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比喩ではなくたった1騎で1000人の兵士を打ち破り、岩石でつくられた巨人を(ミーアの助けがあったとはいえ)生身で倒してのける、ファンタジー小説界最強のチート主人公、アレス・ファノヴァール。彼はその反則的な力により物言わぬ屍を大量生産し、と同時に数多くの女性たちを惹きつけてきました。というわけでメインヒロインレースのお浚いです。
エントリーNo.1 ロリ王女・クラウディア
謀反フラグが立ったのでピーチ姫になりそうですね。フィリップくんとお幸せに。
エントリーNo.2 義妹・エレナ
はいはい空気空気。
エントリーNo.3 謎多き侍女・シオーネ
ついにアレスへの好意を露わにした最強のサブヒロイン。主君であるクラウディアに遠慮しつつも、「筆卸しくらいなら…」などと妄想に耽る淫乱メイドさん。素晴らしいですね。ただ、キャラクター的にクラウディアと行動を共にしなければならないのが最大の弱点。今後はアレスと二人きりになれるかどうかが勝負の分かれ目でしょうか。
エントリーNo.4 純情暗殺者・ベアトリス
4巻から登場の期待の新鋭。美女の暗殺者といえばやることは決まっているわけで、実際にベアトリスは色仕掛け使いまくりなわけで、にもかかわらず、これまでに肌を見せた(上で生きている)のはアレスだけというファンタジー設定を披露。処女厨歓喜。何気に、アレスに最もベタ惚れなのは彼女だと思います。そのぶんヘタレたアレスを見て幻滅する可能性も高いけど、そこで諦めずにアレスに付きまとえば希望の芽も見えてくるはず。
エントリーNo.5 風の戦乙女・ミーア
とうとう陥落してしまったミーアさん。これまでに登場したヒロインの中では最も積極的な性格だったようで、二人旅というシチュエーションを生かし、豊満な身体を武器にウブなアレスに迫りまくります。アレスにとって唯一の戦友であるというのもポイント高いですよね。さらに言うと、いまヘタレてしまったアレスの傍にいるのはミーアなので、ここでアレスに活を入れて立ち直らせ、ついでにキスの一発でもかましてやれば、アレスのパートナーの座は永遠にミーアのものとなるはず。
しかし。
アレスにとって最も大きな存在だったのは、やはりパンドラ様だったのです。
エントリーNo.6 ゴスロリ精霊・パンドラ様
8巻のラストにおいて、パンドラ様はアレスを見限ってフィリップくんのもとへ去っていきました。見事なNTRです。
さて、想像してみましょう。たとえばクラウディアが他国に嫁いだとして、アレスは取り乱すでしょうか。おそらくは一週間ほど落ち込んで、パンドラ様に皮肉を言われたりして、でもそのうち妙な理屈で自分を納得させてしまうでしょう。アレスってそういう奴だもの。しかるにパンドラ様に見捨てられたときの、この鼻水を垂らさんばかりの泣きダッシュを見よ!
(8巻p442〜p443より)
レイフォン・アルセイフ@鋼殻のレギオスと並び称されたこのチート主人公に、これほど悲惨極まりない表情をさせられるキャラが、パンドラ様の他に誰がいるでしょうか!?
そもそも、アレスは思春期真っ盛りの十二歳の頃から、どっぷりとパンドラ様に依存してきました。アレスのチート能力(怪力・危険予知)はすべてパンドラ様から授けられたものであり、誰しもに豪胆と思わせる彼の落ち着きぶりも、実のところパンドラ様がいることによる安心感からきているにすぎません。パンドラ様の存在は人格レベルでアレスの中に根付いていたはずです。表面的にはパンドラ様に反発していたものの、肝心なときはいつもパンドラ様に頼り切り。子どもの頃から大人顔負けの実力を持っていたアレスにとって、パンドラ様は唯一の“頼れる存在”だったのです。
以上により、『火の国、風の国物語』の真のヒロインがパンドラ様であることは確定的に明らか。きっとクライマックス直前に「やはり汝がいちばん上手く人を殺せるな♥」などと言いつつパンドラ様が出戻ってきて、アレスも「誰がいちばん大切なのかやっと分かった」と、もう二度と見捨てられないようにパンドラ様に絶対の服従を誓うことでしょう。イイハナシダナー。