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2015年ライトノベル個人的ベスト10

1. 『グリモアコートの乙女たち』雨木シュウスケ

男子禁制の名門魔法学校に女装して入学した主人公。その容姿と実力により、あっという間に同級生も憧れる存在となった彼は、しかし夜になれば正体を隠して黒衣を身にまとい、学園に忍びこむ敵を倒してまわる謎の魔女となるのだ……というわけで、魔法+女子校+女装+ダークヒーローと、もう素敵すぎる要素が詰まっていて、まさに「こういうのが読みたかった!」という感じです。最高です。

2. 『ひとつ海のパラスアテナ』鳩見すた

ひとつ海のパラスアテナ (電撃文庫)

ひとつ海のパラスアテナ (電撃文庫)

今年の電撃小説大賞の「大賞」受賞作。陸地が海に沈んでしまったウォーターワールドで、メッセンジャーとして生きる少女を描く。泥水を啜るようなサバイバルあり、しっかり者の美少女との百合あり、へんてこな遠未来SFネタあり、ツンデレ少女と遭難生活な百合あり、海賊たちとの殺し合いあり、百合あり、百合あり、百合ありの、海洋冒険活劇です。

3. 『俺の教室にハルヒはいない新井輝

祝・完結。わざわざ言うのもなんだかなーと思いつつ、勘違いしている人が多いのであらためて言っておくとですね、この作品を「ハルヒありきのパロディみたいなもんだろ」と思って避けている人は、もう本当に損をしてると思いますよ。声優をやっている幼馴染、同じくトップ声優の同級生、その他アニメ業界の楽屋話を絡めた、最高の青春恋愛ストーリーなのです。
http://sneakerbunko.jp/series/oreharu/

4. 『路地裏バトルプリンセス』空上タツ

こちらも最新四巻で完結したようなのですが、まだ最終巻は読めていない……タイトルどおり路地裏で戦うストリートファイターたちを描いた物語。可愛いヒロイン、個性的なファイターたち、ハッタリの効いた格闘シーンも素敵ですが、なにより女装コスプレで自撮りするのが趣味という変態主人公が、この作品の最大のチャームポイントです。

5. 『東京侵域:クローズドエデン岩井恭平

愛する人を取り戻すため、“人類の敵”によって封鎖された東京に、危険を犯して侵入する主人公たち。怪物が徘徊する廃墟をくぐり抜け、貴重な強化アイテムと回復アイテムを駆使して、パートナーと共にスカイツリーを目指す。超高難易度のステルスアクションゲームのような極限の緊張感。今度も岩井恭平の作品は最高だったのです。

6. 『ゲーマーズ!葵せきな

ゲームを愛する平凡な主人公が、学園一の美少女から「ゲーム部」に誘われ、個性的な面々に引き合わされて、夢のような環境にドキドキしながら……入部を断ってしまう、というところから始まるゲーマーラブコメ。偶然が偶然を呼びまくり、誤解が誤解を生みまくる、おっそろしくベタな展開の連続なんですけど、だからこそめちゃくちゃ面白い。ラブコメ好きに是非ともオススメしたい作品です。

7. 『クロニクル・レギオン丈月城

クロニクル・レギオン 3 (ダッシュエックス文庫)

クロニクル・レギオン 3 (ダッシュエックス文庫)

世界各地に神獣が降臨し、歴史上の英雄たちが蘇った、現実とは異なる20世紀末が舞台。日本の内戦に巻き込まれた主人公――正体不明の「復活者」は、野心溢れる皇女と共に起ち上がる。偉人集合ネタで現代ファンタジー戦記。「エドワード黒太子」や「衛青」といったメジャーともマイナーとも言いづらい絶妙なチョイスも最高。三巻までは、主人公の正体を推理する楽しみもあります。

8. 『いでおろーぐ!椎田十三

恋愛至上主義の打倒を標榜し、過激な演説やビラ撒きを繰り返す少女と、その活動を支える主人公を描いた青春ラブコメ。反恋愛運動を展開する中で、主人公とヒロインは明らかに惹かれ合っていくのですが、もちろん素直に告白して両想い……なんてわけにはいかない。でも周囲の仲間たちが、「裏切りモノ!」なんて無粋なことは言わず、温かく見守ってくれているあたり、実はとても優しい物語だと思います。

9. 『CtG -ゼロから育てる電脳少女-』玩具堂

いわゆるVRMMORPGモノなんですが、そこから生身の幼女が飛び出して現実世界にやってくるという一捻りがミソ。主人公とヒロインは彼女の「両親」として、現実とネットを行き来しながら、さまざまな陰謀や育児や幼馴染と戦っていくことになります。意外にSF要素も濃いのですが、とにかく幼女・ハルハの元気さ、健気さ、可愛さが、軽妙な文体で描かれていて、とても楽しいです。三巻で(残念ながら)完結してしまったので買いやすいと思いますよ。
http://sneakerbunko.jp/series/CtG/sneakerbunko.jp

10. 『保育の騎士とモンスター娘』神秋昌史

今年は豊作すぎて20作品くらい同率で並んでる感じなんですが、読みやすさと楽しさでこの作品を選んでみました。『CtG』と同じく子育て系ですね。人間と魔族の和平が成ったことで「人間が魔族を育てる保育園」が作られ、そこに生真面目な騎士が派遣されてくるというファンタジーコメディ。「平和な学校に馴染めない兵士」と「人間の常識が通じない魔族の学校」で二重に常識がねじれているわけです。個人的には、かつての強敵、いまは同僚のシルヴェイラ将軍が大好きです。
http://sneakerbunko.jp/series/hoikunokishi/